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聖女編
水浪
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「ってな感じでねぇ~…………。そのまま、そいつには逃げられちゃったんだよぉ~」
「それは、本当なんですか……? にわかには信じられないのですが…………」
「本当の事だよぉ~。あの燃えかすもルーちゃん…………勇者様が本物の魔王だって、断言してくれたしぃ~。一応、魔王城内も調べ尽くしたからぁ~」
男騎士がそう問うと、聖女様は否定の言葉を紡ぐ。
そして、その後、王国の調査員が魔王城に派遣され、あの燃えかすが魔王である事が証明されたのだが……………………。
怪しげな者の手によって魔王が討伐された…………などと発表しても、はっきりと言って、信憑性に欠ける。
それに、その当時は度重なる魔王軍との敗戦により、騎士や冒険者など、多くの犠牲を出しており、人類は不安の只中にあった。
そんな状況の中、真実をそのまま発表する事はより不安を煽る形にしかならないため、当然はばかられた。
それ故、各国は協議の末、表向きは勇者が討伐した…………という形で発表を行い、その人物の調査を秘密裏に行っていたのだそうだ。
そして、聖女である彼女もその一人だという。
彼女は調べていく内に、彼は各地で度々目撃されており--------決まって、魔王軍と王国軍との戦いが激しくなった時に現れていた事まではすぐに分かった。
その後の調べで、つい最近、彼女の元にとある情報がもたらされた。
それは、彼が使っていたと思われるとある技についてのものだった。
「それで、その彼が使っていた技っていうのはぁ~…………何と驚き、龍泉道場の『水浪』っていう歩法だって分かったんだよねぇ~…………」
「『水浪』ですって!?」
男騎士が思わず声を上げて、驚いていた。
まあ、それもそのはずだ。
『水浪』とは龍泉道場の中でも限られた者、才能があるものにしか扱えない特殊な魔導歩法術だ。
現王国でも片手で数えるくらいの者にしか使えない。
この歩法術を用いれば、肉体を活性化させ、戦闘能力の向上、大幅な体力の消耗を抑制できる上、水上や空中を走る事だってできる優れものだ。
ただ、魔力の消費はかなり大きく、魔力のコントロールが難しいため、通常長くても一分間持続できるかどうかという難点がある。
それ故、魔力量が通常の人よりも大きく、魔力のコントロールに長けたものにしか使えないため、会得している師範に、才能ありと認められた者にしか教えを乞う事はできない歩法なのだ。
そして、当然、その教えを乞うた中に…………。
俺も含まれていた----------------
「それは、本当なんですか……? にわかには信じられないのですが…………」
「本当の事だよぉ~。あの燃えかすもルーちゃん…………勇者様が本物の魔王だって、断言してくれたしぃ~。一応、魔王城内も調べ尽くしたからぁ~」
男騎士がそう問うと、聖女様は否定の言葉を紡ぐ。
そして、その後、王国の調査員が魔王城に派遣され、あの燃えかすが魔王である事が証明されたのだが……………………。
怪しげな者の手によって魔王が討伐された…………などと発表しても、はっきりと言って、信憑性に欠ける。
それに、その当時は度重なる魔王軍との敗戦により、騎士や冒険者など、多くの犠牲を出しており、人類は不安の只中にあった。
そんな状況の中、真実をそのまま発表する事はより不安を煽る形にしかならないため、当然はばかられた。
それ故、各国は協議の末、表向きは勇者が討伐した…………という形で発表を行い、その人物の調査を秘密裏に行っていたのだそうだ。
そして、聖女である彼女もその一人だという。
彼女は調べていく内に、彼は各地で度々目撃されており--------決まって、魔王軍と王国軍との戦いが激しくなった時に現れていた事まではすぐに分かった。
その後の調べで、つい最近、彼女の元にとある情報がもたらされた。
それは、彼が使っていたと思われるとある技についてのものだった。
「それで、その彼が使っていた技っていうのはぁ~…………何と驚き、龍泉道場の『水浪』っていう歩法だって分かったんだよねぇ~…………」
「『水浪』ですって!?」
男騎士が思わず声を上げて、驚いていた。
まあ、それもそのはずだ。
『水浪』とは龍泉道場の中でも限られた者、才能があるものにしか扱えない特殊な魔導歩法術だ。
現王国でも片手で数えるくらいの者にしか使えない。
この歩法術を用いれば、肉体を活性化させ、戦闘能力の向上、大幅な体力の消耗を抑制できる上、水上や空中を走る事だってできる優れものだ。
ただ、魔力の消費はかなり大きく、魔力のコントロールが難しいため、通常長くても一分間持続できるかどうかという難点がある。
それ故、魔力量が通常の人よりも大きく、魔力のコントロールに長けたものにしか使えないため、会得している師範に、才能ありと認められた者にしか教えを乞う事はできない歩法なのだ。
そして、当然、その教えを乞うた中に…………。
俺も含まれていた----------------
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