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聖女編
怪しい人物
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「はい…………? こいつが魔王を…………ですか……?」
男騎士が俺の方を指差しながら、聖女様に問うと、当の聖女様は「うん」と、その問いに首を縦に振った。
すると、男騎士の隣にいた女騎士が--------
「あの…………三年前、魔王を討伐したのは聖女様の所属していた勇者パーティーであると、聞いていたのですが…………」
と、聖女様に疑問を投げかけて来た。
「うん~…………記録としてはそうなっているけどぉ~。実はねぇ~…………」
その男騎士の問いに、聖女様は首を横に振ると、その当時の話を簡潔に話し出した。
------------------------------------------
三年前--------魔王城、城門前。
私、聖女リリアは、歴史史上最強と謳われる女勇者アルミリアと共に、魔王城の城内へと突入しようとした矢先に--------それは起きた。
「な、なにぃ~…………!?」
突然の地響きで、足元がふらついた私達は一瞬、何が起きたのか理解できなかったが--------次の瞬間、城門が大きな爆音を響かせながら、吹き飛んだ。
そして、砂埃が止むと、先程まで、その城の扉があった所から、一人、黒尽くめの仮面に、フードを深く被った、いかにも怪しげな人物が、何かを引きずりながらこちらの方へと歩いて来た。
「魔王は潰しておいた…………。後は任せる…………」
そう淡々と言うと、その人物は引きずっていた何かを私達の前に投げると、何事も無かったかのように、私達の横を通り過ぎていった。
普通なら、先にその投げた物体の方へと、意識を向けるのが普通なのだろうが、私はそれよりもそいつを斬りかかる事を選んだ。
私が腰の鞘から瞬時に剣を引き抜くと、そいつは即座に対応し、私の剣撃を人差し指と中指の間に挟む感じで受け止めた。
「何のつもりだ……?」
「何のつもりってぇ~…………。あなたがあまりにも怪し過ぎるから斬り掛かっただけだよぉ~!?」
私は続けて、剣を手放すと、そいつに回し蹴りを相手に叩き込むが、そいつはひらりと交わすとバク転して、私との距離もを取った。
そして--------
「それだけではないんだろうが…………」
体格と声からして、男のようだ。
ひとまず、彼と呼称しておく。
彼は何だか、苛立ったように呟くと、どこから現れたのか、彼の目の前に銃剣のような物が出現する。
そして、彼はそれを手にすると、躊躇する事もなく、私に狙いを合わせ、引き金を引いた。
私は臆する事もなく、宙を舞う剣を即座に掴み取り、銃弾を弾き飛ばしながら、彼へと歩みを進めていく。
「貰ったよぉ~!!!」
彼の銃剣の刃と私の剣の刃がぶつかり合った。
その時だった。
「!!!?」
「えっ……? むっ!?」
彼は剣を弾き、私の腕を掴むと、突然、自分の方へと私の体を勢いよく引き寄せた。
すると、急に彼の胸元が膨れ上がり、腕を引かれた私はというと、勢いよくその膨らみに顔からダイブした。
一体何が起こったのか、理解が追いつかず、困惑していたら、今度は私の背後で、何やら大きな爆発音と共に地面が揺れた。
「全く…………Gじゃあるまいし、しつこいったらありゃしないわよね…………」
んん…………?
わよね……?
何か、違和感を感じたが、ある事に気付いて、慌て出す私。
何せ、豊かな胸? Gカップかそれくらいはあるその膨らみに、勢いよく顔から突っ込んだ挙句、強く押し付けられているもんだから、鼻と口が塞がっている。
つまり、何が言いたいかというと、い…………息が出来ないのだ。
「……? ああ、ごめんなさい…………」
それに気付いたであろう。
彼? は私を解放すると、私は恐る恐る距離を取り、下から上へと視線を交互させ、困惑した。
何故なら、先程までと彼? の体型が異なっていたからだ。
背はやや低くなり、体つきも、胸元の膨らみからも、女性のそれだ。
一体どういう事なのかと、頭の中で疑問を巡らせていると--------
「くっ…………やはり、きさま…………せい…………じょ……………………」
ふと、後ろの方からそんな声がして、振り返ると、先程投げ捨てられていたものが白い炎を発して、燃えていた。
聖女……?
今、聖女って言ったの……?
その光景にしばらく呆気に囚われていた私達だったが…………。
「っ! あいつはどこ!?」
アルミリアの声で、ハッと、なって、気付いた時には、あの怪しげな人物はいなくなっていた。
男騎士が俺の方を指差しながら、聖女様に問うと、当の聖女様は「うん」と、その問いに首を縦に振った。
すると、男騎士の隣にいた女騎士が--------
「あの…………三年前、魔王を討伐したのは聖女様の所属していた勇者パーティーであると、聞いていたのですが…………」
と、聖女様に疑問を投げかけて来た。
「うん~…………記録としてはそうなっているけどぉ~。実はねぇ~…………」
その男騎士の問いに、聖女様は首を横に振ると、その当時の話を簡潔に話し出した。
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三年前--------魔王城、城門前。
私、聖女リリアは、歴史史上最強と謳われる女勇者アルミリアと共に、魔王城の城内へと突入しようとした矢先に--------それは起きた。
「な、なにぃ~…………!?」
突然の地響きで、足元がふらついた私達は一瞬、何が起きたのか理解できなかったが--------次の瞬間、城門が大きな爆音を響かせながら、吹き飛んだ。
そして、砂埃が止むと、先程まで、その城の扉があった所から、一人、黒尽くめの仮面に、フードを深く被った、いかにも怪しげな人物が、何かを引きずりながらこちらの方へと歩いて来た。
「魔王は潰しておいた…………。後は任せる…………」
そう淡々と言うと、その人物は引きずっていた何かを私達の前に投げると、何事も無かったかのように、私達の横を通り過ぎていった。
普通なら、先にその投げた物体の方へと、意識を向けるのが普通なのだろうが、私はそれよりもそいつを斬りかかる事を選んだ。
私が腰の鞘から瞬時に剣を引き抜くと、そいつは即座に対応し、私の剣撃を人差し指と中指の間に挟む感じで受け止めた。
「何のつもりだ……?」
「何のつもりってぇ~…………。あなたがあまりにも怪し過ぎるから斬り掛かっただけだよぉ~!?」
私は続けて、剣を手放すと、そいつに回し蹴りを相手に叩き込むが、そいつはひらりと交わすとバク転して、私との距離もを取った。
そして--------
「それだけではないんだろうが…………」
体格と声からして、男のようだ。
ひとまず、彼と呼称しておく。
彼は何だか、苛立ったように呟くと、どこから現れたのか、彼の目の前に銃剣のような物が出現する。
そして、彼はそれを手にすると、躊躇する事もなく、私に狙いを合わせ、引き金を引いた。
私は臆する事もなく、宙を舞う剣を即座に掴み取り、銃弾を弾き飛ばしながら、彼へと歩みを進めていく。
「貰ったよぉ~!!!」
彼の銃剣の刃と私の剣の刃がぶつかり合った。
その時だった。
「!!!?」
「えっ……? むっ!?」
彼は剣を弾き、私の腕を掴むと、突然、自分の方へと私の体を勢いよく引き寄せた。
すると、急に彼の胸元が膨れ上がり、腕を引かれた私はというと、勢いよくその膨らみに顔からダイブした。
一体何が起こったのか、理解が追いつかず、困惑していたら、今度は私の背後で、何やら大きな爆発音と共に地面が揺れた。
「全く…………Gじゃあるまいし、しつこいったらありゃしないわよね…………」
んん…………?
わよね……?
何か、違和感を感じたが、ある事に気付いて、慌て出す私。
何せ、豊かな胸? Gカップかそれくらいはあるその膨らみに、勢いよく顔から突っ込んだ挙句、強く押し付けられているもんだから、鼻と口が塞がっている。
つまり、何が言いたいかというと、い…………息が出来ないのだ。
「……? ああ、ごめんなさい…………」
それに気付いたであろう。
彼? は私を解放すると、私は恐る恐る距離を取り、下から上へと視線を交互させ、困惑した。
何故なら、先程までと彼? の体型が異なっていたからだ。
背はやや低くなり、体つきも、胸元の膨らみからも、女性のそれだ。
一体どういう事なのかと、頭の中で疑問を巡らせていると--------
「くっ…………やはり、きさま…………せい…………じょ……………………」
ふと、後ろの方からそんな声がして、振り返ると、先程投げ捨てられていたものが白い炎を発して、燃えていた。
聖女……?
今、聖女って言ったの……?
その光景にしばらく呆気に囚われていた私達だったが…………。
「っ! あいつはどこ!?」
アルミリアの声で、ハッと、なって、気付いた時には、あの怪しげな人物はいなくなっていた。
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