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聖女編
動き出す悪意
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王国の南西--------
『聖戦』と呼ばれる--------かつて、魔王と人類が死闘を繰り広げたとされる荒野にて、ある異変が起きていた。
『もうすぐだ…………』
暗く、草木すらない死の静寂が包むその荒野にて、どこからともなく声がした。
その声は、男か女かも分からない。
不思議で、不気味な声が荒野一体に響き渡っていく。
そして、夜空を照らしていた月の光が陰り出し、荒野自体が徐々に黒く染まっていった。
『もうすぐだよ…………』
その声に呼応するかのように、黒い闇は荒野一体に呼応し、水面のように波紋を広がっていく。
『もうすぐ君を…………』
闇はうごめき出し、一箇所に集まり出すと、まるで人の腕のような形を成し、指先を器用に使って、地面を這い出した。
そして、荒野を離れ、時間を掛けながら、ゆっくりと虫や動物・植物など、目に入ったものに、飛び付いて、取りつくと、殺戮し----------------そして、闇の中へと引きずり込み…………食らっていった。
それを何度も何度も繰り返して行い、いつしかその姿は人の形を取るようになっていった。
『足りない…………。全然足りない…………。あいつを殺すには、全然足りない…………』
そして、狂ったように声を発する人型のものは、イラついているのか、辺りを急に破壊して始めて、気が済むと、何の迷いもなく、直刀がいる王国の方へと向かって歩き出していた。
『早く…………早く、君を…………この手で殺してやりたい…………!!!』
進行途中にある森も、町も、人間も次々に食らっていき、いつしか、そいつは魔法と呼ばれるものを使うようになり---------------数日後…………国が一つ、この世から消え去った。
『聖戦』と呼ばれる--------かつて、魔王と人類が死闘を繰り広げたとされる荒野にて、ある異変が起きていた。
『もうすぐだ…………』
暗く、草木すらない死の静寂が包むその荒野にて、どこからともなく声がした。
その声は、男か女かも分からない。
不思議で、不気味な声が荒野一体に響き渡っていく。
そして、夜空を照らしていた月の光が陰り出し、荒野自体が徐々に黒く染まっていった。
『もうすぐだよ…………』
その声に呼応するかのように、黒い闇は荒野一体に呼応し、水面のように波紋を広がっていく。
『もうすぐ君を…………』
闇はうごめき出し、一箇所に集まり出すと、まるで人の腕のような形を成し、指先を器用に使って、地面を這い出した。
そして、荒野を離れ、時間を掛けながら、ゆっくりと虫や動物・植物など、目に入ったものに、飛び付いて、取りつくと、殺戮し----------------そして、闇の中へと引きずり込み…………食らっていった。
それを何度も何度も繰り返して行い、いつしかその姿は人の形を取るようになっていった。
『足りない…………。全然足りない…………。あいつを殺すには、全然足りない…………』
そして、狂ったように声を発する人型のものは、イラついているのか、辺りを急に破壊して始めて、気が済むと、何の迷いもなく、直刀がいる王国の方へと向かって歩き出していた。
『早く…………早く、君を…………この手で殺してやりたい…………!!!』
進行途中にある森も、町も、人間も次々に食らっていき、いつしか、そいつは魔法と呼ばれるものを使うようになり---------------数日後…………国が一つ、この世から消え去った。
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