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聖女編
考え…………
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「…………今…………何て言った…………?」
そう言って俺が睨んだ瞬間、何かを感じ取ったのか双子の女の子達は、アキヒサと名乗った男性の背後に、まるで小動物のようにプルプル震え出した。
いつもなら、ここでふざけた事を思うんだろうが…………。
今は心境的にも、そうも言ってられそうにない。
「龍泉道場の出身者だと……? よくもまあ、俺の前に顔を出せるもんだな…………」
「……………………」
「俺がお前みたいなクズと同じ出身だと……? 笑わせんなよ? あんなクズ道場と一緒にしないでくれませんかね? え? 自称クズ剣士様?」
「っ! ちょっと!!」
「真弓!!」
アキヒサと名乗った男は少女を手で静止した後、無言で首を横に振った。
真弓と呼ばれた少女は何か言いたそうにしていたが、拳を震わせながらも押し黙るが--------
「ふん。やはりクズだな……」
俺が鼻で笑うと、キッと真弓さんは睨み付けてくる。
だが、彼氏の手前、そこまで発言出来ないようだ。
ほんと、彼氏も彼氏で、あの道場は今でもクズばかり集まっているらしい。
「あぁ、お前からしたらクズばかりなんだろう。実際、あの時、俺はお前の言うそのクズみたいな事に加担しちまった側だ。否定はせん」
そんな事、微塵も思ってねぇくせに、よく喋る口だな…………。
「でも、だからこそ、変わろうとしているんだ。そこだけは分かってくれ」
「……………………」
全く持って信用ならねぇ…………。
------------------------------------------
某王宮--------
直刀とアキヒサ達がギルドの宿舎にて、対峙していた頃。
ユリウス国王はある来客を王宮内の庭園にて、出迎えていた。
「お久しぶりですね。ユリウス陛下」
国王が振り返るとそこには一人の少女が護衛らしき騎士を引き連れて佇んでいた。
少女の名はリザベル・レイ・アルフォンス。
同盟国でもある隣国、アルフォンス帝国の第三王女だ。
「お久しゅうございます。リザベル王女。アザゼル陛下は相変わらずですかな?」
「ええ、いつも通り病気が再発して、皆を困らせたおりますわ」
王女リザベルは憂い顔で大きなため息を吐くと、国王はそれは愉快そうに豪快に笑い声を開けた。
ちなみに、王女の言う病気とは、別名「戦闘狂」と言われる戦闘好きによる、戦闘バカが故のものの事だ。
強い奴と戦うのが生きがい!
さあ、皆、俺と戦おう!!
というような感じで、強い奴を見ると、決闘を申し込んでは戦って、皆を困らせている。
国王もアザゼル王とは旧知の中であるが故に、王女の苦労がよく分かっていた。
何せ、国王も戦場で名を馳せた頃に、アザゼル王の被害--------もとい、決闘を強要されたりされていた。
ほんと、事戦闘においては手のかかる男だと国王は思った。
「そういえば、例の件--------うまくいきましたか……?」
しばらく、雑談をしながら王女と庭園を歩き回った後、王女は真剣な顔つきで国王に尋ねてくる。
その問いに、国王は無言で首を横に振った。
「あれも中々頑固と言いますかな…………。やはり、まだあの事を根に持っているようで、一向に首を縦には振りませぬ」
「…………そう、ですか…………」
王女は思案顔になると、しばらく黙り込み--------
「ユリウス陛下…………少し、私に考えがあるのですが--------」
そう言って俺が睨んだ瞬間、何かを感じ取ったのか双子の女の子達は、アキヒサと名乗った男性の背後に、まるで小動物のようにプルプル震え出した。
いつもなら、ここでふざけた事を思うんだろうが…………。
今は心境的にも、そうも言ってられそうにない。
「龍泉道場の出身者だと……? よくもまあ、俺の前に顔を出せるもんだな…………」
「……………………」
「俺がお前みたいなクズと同じ出身だと……? 笑わせんなよ? あんなクズ道場と一緒にしないでくれませんかね? え? 自称クズ剣士様?」
「っ! ちょっと!!」
「真弓!!」
アキヒサと名乗った男は少女を手で静止した後、無言で首を横に振った。
真弓と呼ばれた少女は何か言いたそうにしていたが、拳を震わせながらも押し黙るが--------
「ふん。やはりクズだな……」
俺が鼻で笑うと、キッと真弓さんは睨み付けてくる。
だが、彼氏の手前、そこまで発言出来ないようだ。
ほんと、彼氏も彼氏で、あの道場は今でもクズばかり集まっているらしい。
「あぁ、お前からしたらクズばかりなんだろう。実際、あの時、俺はお前の言うそのクズみたいな事に加担しちまった側だ。否定はせん」
そんな事、微塵も思ってねぇくせに、よく喋る口だな…………。
「でも、だからこそ、変わろうとしているんだ。そこだけは分かってくれ」
「……………………」
全く持って信用ならねぇ…………。
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某王宮--------
直刀とアキヒサ達がギルドの宿舎にて、対峙していた頃。
ユリウス国王はある来客を王宮内の庭園にて、出迎えていた。
「お久しぶりですね。ユリウス陛下」
国王が振り返るとそこには一人の少女が護衛らしき騎士を引き連れて佇んでいた。
少女の名はリザベル・レイ・アルフォンス。
同盟国でもある隣国、アルフォンス帝国の第三王女だ。
「お久しゅうございます。リザベル王女。アザゼル陛下は相変わらずですかな?」
「ええ、いつも通り病気が再発して、皆を困らせたおりますわ」
王女リザベルは憂い顔で大きなため息を吐くと、国王はそれは愉快そうに豪快に笑い声を開けた。
ちなみに、王女の言う病気とは、別名「戦闘狂」と言われる戦闘好きによる、戦闘バカが故のものの事だ。
強い奴と戦うのが生きがい!
さあ、皆、俺と戦おう!!
というような感じで、強い奴を見ると、決闘を申し込んでは戦って、皆を困らせている。
国王もアザゼル王とは旧知の中であるが故に、王女の苦労がよく分かっていた。
何せ、国王も戦場で名を馳せた頃に、アザゼル王の被害--------もとい、決闘を強要されたりされていた。
ほんと、事戦闘においては手のかかる男だと国王は思った。
「そういえば、例の件--------うまくいきましたか……?」
しばらく、雑談をしながら王女と庭園を歩き回った後、王女は真剣な顔つきで国王に尋ねてくる。
その問いに、国王は無言で首を横に振った。
「あれも中々頑固と言いますかな…………。やはり、まだあの事を根に持っているようで、一向に首を縦には振りませぬ」
「…………そう、ですか…………」
王女は思案顔になると、しばらく黙り込み--------
「ユリウス陛下…………少し、私に考えがあるのですが--------」
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