史上最強聖女の勧誘生活〜魔王を倒してから、しつこく勧誘されまくりで迷惑してます〜

水先 冬菜

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聖女編

嫌な再会

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「お子さんですか…………?」

 俺の一言に、男性は何故か頭を抱えて「もういいや……」と投げやりに呟いた。

 少女の方は何故か頬を赤らめ、固まっている。

 その一方で、女の子達はというと--------

「きゃはははっ!!!」

「にぃにのお子さん! お子さ~ん!!!」

 何故か、物凄くはしゃいでいた。

「…………何これ……?」

------------------------------------------

「つまり、あんたらは俺の勧誘、監視を行うためにしばらく隣の部屋に住むと……?」

「そういう事になる…………」

 あれから事情やら何やらを聞いてもいないのに、あの男性はペラペラと勝手に喋ってくれるおかげで大体の話は理解できた。

 何でも、は監視という名目で、俺が騎士団に入るよう勧誘をするように、と命じてこの部屋の隣に住む手配をしたそうだ。

 しつこいったらありゃしない。

 んで、その話を聞き付けた男性の妹達は「「あたしたちもやりた~い!!」」と言ったら、耳ざとく聞き付けた…………これまた首相殿が許可を出したのだとか。

 あの国王も国王だが、首相も首相だよな…………この国、本格的に腐りきってねぇかなぁ~…………。

 と思う今日この頃…………。

 んで、手続きを終えて、荷物を荷ほどきしている最中、妹達が勝手に部屋から抜け出して、俺の所へ来たとの事。


 あぁ、色々とめんどくせぇ~…………。

「「お兄ちゃん! 今何作ってるの!?」」

 双子の女の子達は可愛らしく小首を傾げて、尋ねて来たが「薬学の勉強の一環だよ」と適当に誤魔化しておいた。


 まぁ、ポーション作成も薬学の一つに分類されるから間違ってはいないけど…………うん…………。

「そんで、あんたらはりずにまた勧誘する訳か? 言っとくが何度来ても首を横に振るから、そこんとこよろしく…………」

「そんな事は嫌でも分かっている。というか、そろそろちゃんと名前で読んでくれないか?」

 は…………? 名前? 教えて貰ってないのに分かる訳ないだろうが…………。

 何言ってんだ? こいつら…………。

「そういうのは、名乗ってから言うんだな…………」

「…………やっぱり、気付いてなかったか…………」

「何が……?」

 ん? 何か思いっきりため息吐かれたんだが…………。

 もしかしなくても、呆れられてるのか……?

 何故に……?

「まぁ、あんな事があった後じゃ忘れられても仕方ねぇか…………」

 何かボソボソと言ってるが、とりあえず、出来上がったポーションをこのびんの中に----------------

「俺の名前は東城とうじょうアキヒサ--------お前と同じ龍泉りゅうせん道場出身の剣士だ」

「………………………………」

 俺は作業の手を一旦止めると、背後にいたアキヒサと名乗った男性へと向き直り--------

「…………今…………何て言った…………?」

 自分でも驚くくらい低い声で、睨み付けた。

 
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