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第一章 巨大ロボ

飛び出した先は空

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「こちらマキシム。発進致します」


 マキシムが射出装置を使って、外へと物凄い勢いで弾き出される。

 相変わらず、凄い圧が身体に伝わって来る。

 勇者様の資料によれば、Gという過重やら何やらという重力の重みが掛かる的な事らしいが、身体が押し潰されそうな勢いだ。

 でも、これはこれで、何か、癖になりそう。

 まぁ、そんなGも、わたくし考案の特殊な魔法付与がされたパイロットスーツを着用すれば、その負荷もかなり軽減されるので、問題はない。

 現に、今もそんなに潰されそうな感じはない。

 寧ろ、前のテストの時よりも身体が動く動く。

 おっと、そろそろゲートの入り口から出ますね。

 後、数メートルか先に半透明な円形のリングが見えて来た。

 そこをさっと抜けた瞬間、マキシムは雲の一欠片もないへと投げ出されていた。

 先程抜けたゲートとは、言うなれば《転移門》と呼ばれるワープ装置で、巨大なリング状の形をしている。

 現代というもので、分かり易くするなら、某国民的アニメに登場するとおるドアと一緒だとか。

 って、そんな呑気な事を言っている場合じゃないわね。

 確か、この上にあるレバーを引けば良かった筈。

 わたくしはコックピット内の真上にあるレバーを手に掴んで、思いっきり引いた。

 その瞬間、マキシムは人の形から鳥のような姿へと姿を超えて、空を飛び始めた。

 所謂、飛行形態へと変形したのだ。


「姿勢制御。姿勢制御っと…………」


 と言っても、それを動かすのはパイロットであるわたくしですので、鳥のような姿へと変わっても、単純に飛べる訳ではない。

 幾つかのパネルとコンソールを手早く入力。

 両足にあるアクセルで出力を調整。

 後はどれだけ早く飛べるのかを確認する。

 この際、出力は最大にしてみた。

 結果、この後、とんでもない事件を引き起こす事をわたくしは、まだ、知らずにいた。


「うわっ!!!!!」


 強くアクセルを踏み込んだ瞬時、勢いが付き過ぎた。

 付き過ぎて-------------


「?」


 何かにぶつかった。

 ぶつかってしまった。


「……………………やばいですわ…………」


 慌てて、逆噴射!!!

 そして、その場から逃げようとして-------------


『グアワああああああああああーーーー!!!!!!』


 空を優雅に飛んでいたであろうから盛大なブレスの雨を浴びる事となった。
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