ネガティブな隠れ英雄 〜え? わたくしが勇者パーティーのメンバーに? そんな事ある訳ないじゃないですか〜

水先 冬菜

文字の大きさ
上 下
5 / 6
第一章 巨大ロボ

機体コード:マキシム

しおりを挟む
「こ…………これが…………!!!」


 ナオミに連れられ、七番格納庫へ到着するや否やわたくしの目の前に全長四十メートル以上はあろう巨大な巨体が、周囲を囲む壁から幾重にも生えたアームに固定されていた。


「はい。こちらが先日、マスターの考案したシステムを組み込んだ最新飛行可変型の巨大ロボット。通称《マキシム》です」


 続けて、ナオミが-------------装備されている武装や前回のテストでの問題点の改善部分やら、色々と説明してくれるが…………。

 わたくしの耳には、そんな説明は右から左へと抜けて行ってしまう。

 というか、早く乗りたい!!!

 早く乗らせて!!!!!!


「相変わらずマスターはせっかちですね」


 わたくしの異様な様子に気が付いたのか、ナオミが困り顔で優しく微笑むと、これまた、わたくしの考案した《パイロットスーツ》なるものがある更衣室のある箇所を指差した。

 無論、わたくしは走った。

 走って、即座に着替えた。

 着替えて、マキシムのコックピットのある腹部に乗り込む為、リフトやら、色々な機器をパパッと操作しまくった。

 乗り込んだ最初の感想は-------------ドキドキしっぱなしで、心臓が飛び出しそうな程だ。

 まずは起動。

 各種システムと駆動・動力系統の確認。

 武器やセンサーの調整。

 通信機器の確認も忘れずに-------------

 兎にも角にも、片っ端からやれる事はやりまくる!!!!

 うん。

 特に問題はなし。

 これなら、問題なく動かせるわね。


「ナオミ。発進ゲートを開いて。今回は二十四番でお願い」

『かしこまりました』


 コックピット内に取り付けられた通信機からナオミの声が聞こえる。

 感動は良好ね。


『発進ゲートを解放。マキシムを発進位置まで移動させます』


 おっ!?

 動いた動いた!!!

 マキシムが格納ハンガーごと格納庫内を順調に移動していく。


『マキシムの起動を確認。システムオールクリア。ゲートは第二十四を使用。魔導リニア起動。ハンガー固定』


 数分もしないで、マキシムの格納されたハンガーが目的の場所まで辿り着いた。

 そして、足元にある射出装置にマキシムの脚が固定され、両サイドの壁から幾つかの武装がマキシムに装備されていく。


『推力正常。進路問題なし。マキシム発進どうぞ』

「了解」


 そして、全ての作業を終え、念願の発進へと移り、わたくしは頷くように答えて-------------


「こちらマキシム。発進致します」


 -------------わたくしはマキシムと共に外の世界へと飛び出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

聖女召喚

胸の轟
ファンタジー
召喚は不幸しか生まないので止めましょう。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

いい子ちゃんなんて嫌いだわ

F.conoe
ファンタジー
異世界召喚され、聖女として厚遇されたが 聖女じゃなかったと手のひら返しをされた。 おまけだと思われていたあの子が聖女だという。いい子で優しい聖女さま。 どうしてあなたは、もっと早く名乗らなかったの。 それが優しさだと思ったの?

側妃に追放された王太子

基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」 正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。 そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。 王の代理が側妃など異例の出来事だ。 「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」 王太子は息を吐いた。 「それが国のためなら」 貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。 無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

天才?秀才?そんなのじゃなくて可愛いって言って!!

如月花恋
ファンタジー
西園寺真由華(さいおんじ まゆか)は生粋のお嬢様だった たくさんの友人を持ち、とても充実した人生を送っていた なのに…恨まれ…憎しみを持った人に殺された そして次に目を覚ますと転生して赤ん坊になっていた

婚約破棄されたので歴代最高の悪役令嬢になりました

Ryo-k
ファンタジー
『悪役令嬢』 それすなわち、最高の貴族令嬢の資格。 最高の貴族令嬢の資格であるがゆえに、取得難易度もはるかに高く、10年に1人取得できるかどうか。 そして王子から婚約破棄を宣言された公爵令嬢は、最高の『悪役令嬢』となりました。 さらに明らかになる王子の馬鹿っぷりとその末路――

幻界戦姫

忘草飛鳥
ファンタジー
 危ない植物を運ぶバイトをしていて人生を破綻させることになった私が向かったのはゲームの世界だった。自暴自棄になってお酒をがぶ飲みしたあとトラックに跳ね飛ばされたらゲームの世界の主人公になっていたのだけど、そこで私は「光の戦姫」と呼ばれ、この世界を救う救世主に選ばれていた。アークと呼ばれる古代兵器を倒す旅をすることになった私を待ち受ける運命とは? 戦闘シーンがあるので一応保険のためにR15指定は入れましたが、残酷な物語ではありません(そういう話が好きじゃないのです)。あと、表紙は使用許可を出して下さっているサイトさんからお借りしました。

処理中です...