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第一章 巨大ロボ
ありえないでしょ?
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「勇者パーティーに入っては頂けませんか?」
初めまして、わたくし、ダグラス・アルベルトと申します。
リズネーゼ王国の魔法学院に通う女学生で、俗に言う落ちこぼれ、という奴です。
学院での成績は、最下級ギリギリの最低辺。
家族に疎まれ続け、学院で孤立。
日常的に、周りの生徒達から、コソコソと陰口を言われ、最近では煙たがられています。
そんな、わたくしがある日、名誉ある《勇者パーティー》のメンバーに…………?
そんなの絶対にありえないでしょ!?
わたくしの向かいのソファー。
その王宮の使者様が腰掛けている隣で、学院長がいつも以上に、ニヤけているのを見て、わたくしは確信しました。
あぁ、そういう事ですか-------------
やっぱり、こんな落ちこぼれのわたくしは、この学院にとって、邪魔な存在な訳ですか。
大方、こういう事でしょ……?
王宮の使者に扮した学院長の部下が、わたくしを《勇者パーティー》に勧誘。
そんで、適当な場所へ連れて行って、奴隷にして売るなり、証拠など残す事なく処分する。
そんな所でしょうか-------------
「申し訳ありませんが、わたくし、本日を持って学園を出て行くつもりなので、お断りします」
仕方がない。
ここは、はっきり断って、学院を去ろう。
「こちらは《退学届》になります。今まで、お世話になりました。それでは、失礼致します」
「ま、待ちたまえ!!」
わたくしは《退学届》をテーブルの上に置いて、立ち上がる。
そして、扉のある方へと向かおうとした時、学院長が血相を変えて、わたくしの肩を掴んで来た。
「な、何を考えているんだ君は!?」
「何をって…………学院長様は、落ちこぼれのわたくしをさっさと学院から、追い出したいんでしょう?」
「……………………は?」
わたくしの答えに、学院長が間の抜けた顔をした。
一体、何を言っているのか、分からない。
そんな感じの顔だ。
かなりお年を召されているので、その間の抜けた顔は非常に面白いですが-------------どうして、そんな顔をしていらっしゃるのか?
「そちらの使者様は、落ちこぼれのわたくしを追い出す為に、学院長様が雇った偽物ですよね? まぁ、わたくしは日頃、国中から集めた最精鋭の集まるこの魔法学院で、ロクな成績を残していませんからね。愛想を尽かされても仕方がありません。学院の尊厳を守るべく、こういう形を取るしかなかったのは仕方がありませんが、あまり褒められるべき事ではありませんよ」
「待て待て、全く話が読めん!!! 君は何を言っているんだ!!? 君は落ちこぼれではなく、学院随一の天才で、全校生徒に好かれている-------------そんな、優秀な生徒ではないか!!!」
はい?
急に、訳の分からない事を学院長が言い始めた。
わたくしが天才で、優秀な生徒?
全校生徒に好かれている?
何を訳の分からない事を…………。
この時のわたくしは知る由もなかった。
実はわたくしの成績は、わたくしの才能を妬んだ悪徳教師によって、巧妙に書き換えられていた事を-------------
日常的に行われている陰口は、実は好意のある内容ばかりで、皆に好かれていた事を-------------
そして、学院で、孤立していたのは、まるで、ガラス細工のような、可憐な顔立ちだったが故に、周りの人達が声を掛け辛かっただけだという事を-------------
そんな事を知らないわたくしは、諭すように、学院長に話し掛ける。
「無理をしなくても良いんですよ? 学院長の期待に応えられなかったわたくしが悪いんですから…………。それでは、失礼致します」
そう寂しげに微笑みながら言い残して、わたくしは部屋を出るなり、転移魔法で、学院の寮内にある自室へと戻った。
それにしても、退学か-------------
家に戻ったら、きっと追い出されるでしょうね。
碌な成績を残せないわたくしに、父も嫌気が刺していたようですし。
例え、家に残れるとしても、どうせ、家族の皆に蔑まれて、奴隷のようにこき使われるだけですかね。
どうせ、学院長は、国に、わたくしの事も報告しているだろうから、雇ってくれる場所は、何処にもないですしね。
なら、もういっそ、全部捨てて、研究に没頭しよう!!!
こんな事もあろうかと、すぐに出て行けるようにしておいたんですよね!?
寮のガキは、寮母さんの部屋に手紙と一緒に転移しておけば良いでしょう。
ついでに、実家の方にも、縁を切る旨も伝えて-------------
よし!!!
このまま、王都ハズレにある樹海の秘密基地で研究に没頭するぞ!!!
そう意気込んで、荷物片手に転移すると…………。
「あぁ…………? 何だ貴様は?」
秘密基地の前に誰かいる。
声からして、男かな?
何か、額に角みたいなのを生やしているけど-------------
それにしても、大きいですわね。
身長二メートルくらいはありますわ。
そんな、呑気な事を考えていると-------------
「とりあえず、死んどけ」
その大男が、突然、襲い掛かって来た。
なら、倒しても問題はないですね!!
《サモン!! エクシリア・マークファイブ!!!》
「っ!? 何だ!?」
襲い掛かって来た大男の足元から巨大な手が現れ、大男を掴んだ。
そして、徐々にその手がゆっくりと圧を増して行き-------------
「ば、馬鹿な…………!! こんな所で、俺様が…………!!?」
何とか、振り解こうと、大男はもがくが、そのまま巨大な手に、握り潰されてしまい、ベチャッと嫌な音を響かせて、地面に落ちた。
まぁ、こんな人も寄り付かない樹海に来るくらいなんだし、盗賊か何かだよね?
きっと、わたくしの秘密基地を見つけたから、此処を拠点にしようと企んだんでしょう。
でも、そこは問屋が卸しませんよ!!!
とりあえず、このまま、放置する訳にも、行きませんし、燃やしておきましょう。
ん?
今、魔王様とか、言った気がしたけど、きっと気の所為でしょう。
さぁ、ビバ、研究ライフに勤めるとしましょう!!!
そう高らかに、ルンルン気分で、秘密基地へと入って行く。
その中には、現代世界で言う所の数多くの巨大ロボットが格納されていた。
初めまして、わたくし、ダグラス・アルベルトと申します。
リズネーゼ王国の魔法学院に通う女学生で、俗に言う落ちこぼれ、という奴です。
学院での成績は、最下級ギリギリの最低辺。
家族に疎まれ続け、学院で孤立。
日常的に、周りの生徒達から、コソコソと陰口を言われ、最近では煙たがられています。
そんな、わたくしがある日、名誉ある《勇者パーティー》のメンバーに…………?
そんなの絶対にありえないでしょ!?
わたくしの向かいのソファー。
その王宮の使者様が腰掛けている隣で、学院長がいつも以上に、ニヤけているのを見て、わたくしは確信しました。
あぁ、そういう事ですか-------------
やっぱり、こんな落ちこぼれのわたくしは、この学院にとって、邪魔な存在な訳ですか。
大方、こういう事でしょ……?
王宮の使者に扮した学院長の部下が、わたくしを《勇者パーティー》に勧誘。
そんで、適当な場所へ連れて行って、奴隷にして売るなり、証拠など残す事なく処分する。
そんな所でしょうか-------------
「申し訳ありませんが、わたくし、本日を持って学園を出て行くつもりなので、お断りします」
仕方がない。
ここは、はっきり断って、学院を去ろう。
「こちらは《退学届》になります。今まで、お世話になりました。それでは、失礼致します」
「ま、待ちたまえ!!」
わたくしは《退学届》をテーブルの上に置いて、立ち上がる。
そして、扉のある方へと向かおうとした時、学院長が血相を変えて、わたくしの肩を掴んで来た。
「な、何を考えているんだ君は!?」
「何をって…………学院長様は、落ちこぼれのわたくしをさっさと学院から、追い出したいんでしょう?」
「……………………は?」
わたくしの答えに、学院長が間の抜けた顔をした。
一体、何を言っているのか、分からない。
そんな感じの顔だ。
かなりお年を召されているので、その間の抜けた顔は非常に面白いですが-------------どうして、そんな顔をしていらっしゃるのか?
「そちらの使者様は、落ちこぼれのわたくしを追い出す為に、学院長様が雇った偽物ですよね? まぁ、わたくしは日頃、国中から集めた最精鋭の集まるこの魔法学院で、ロクな成績を残していませんからね。愛想を尽かされても仕方がありません。学院の尊厳を守るべく、こういう形を取るしかなかったのは仕方がありませんが、あまり褒められるべき事ではありませんよ」
「待て待て、全く話が読めん!!! 君は何を言っているんだ!!? 君は落ちこぼれではなく、学院随一の天才で、全校生徒に好かれている-------------そんな、優秀な生徒ではないか!!!」
はい?
急に、訳の分からない事を学院長が言い始めた。
わたくしが天才で、優秀な生徒?
全校生徒に好かれている?
何を訳の分からない事を…………。
この時のわたくしは知る由もなかった。
実はわたくしの成績は、わたくしの才能を妬んだ悪徳教師によって、巧妙に書き換えられていた事を-------------
日常的に行われている陰口は、実は好意のある内容ばかりで、皆に好かれていた事を-------------
そして、学院で、孤立していたのは、まるで、ガラス細工のような、可憐な顔立ちだったが故に、周りの人達が声を掛け辛かっただけだという事を-------------
そんな事を知らないわたくしは、諭すように、学院長に話し掛ける。
「無理をしなくても良いんですよ? 学院長の期待に応えられなかったわたくしが悪いんですから…………。それでは、失礼致します」
そう寂しげに微笑みながら言い残して、わたくしは部屋を出るなり、転移魔法で、学院の寮内にある自室へと戻った。
それにしても、退学か-------------
家に戻ったら、きっと追い出されるでしょうね。
碌な成績を残せないわたくしに、父も嫌気が刺していたようですし。
例え、家に残れるとしても、どうせ、家族の皆に蔑まれて、奴隷のようにこき使われるだけですかね。
どうせ、学院長は、国に、わたくしの事も報告しているだろうから、雇ってくれる場所は、何処にもないですしね。
なら、もういっそ、全部捨てて、研究に没頭しよう!!!
こんな事もあろうかと、すぐに出て行けるようにしておいたんですよね!?
寮のガキは、寮母さんの部屋に手紙と一緒に転移しておけば良いでしょう。
ついでに、実家の方にも、縁を切る旨も伝えて-------------
よし!!!
このまま、王都ハズレにある樹海の秘密基地で研究に没頭するぞ!!!
そう意気込んで、荷物片手に転移すると…………。
「あぁ…………? 何だ貴様は?」
秘密基地の前に誰かいる。
声からして、男かな?
何か、額に角みたいなのを生やしているけど-------------
それにしても、大きいですわね。
身長二メートルくらいはありますわ。
そんな、呑気な事を考えていると-------------
「とりあえず、死んどけ」
その大男が、突然、襲い掛かって来た。
なら、倒しても問題はないですね!!
《サモン!! エクシリア・マークファイブ!!!》
「っ!? 何だ!?」
襲い掛かって来た大男の足元から巨大な手が現れ、大男を掴んだ。
そして、徐々にその手がゆっくりと圧を増して行き-------------
「ば、馬鹿な…………!! こんな所で、俺様が…………!!?」
何とか、振り解こうと、大男はもがくが、そのまま巨大な手に、握り潰されてしまい、ベチャッと嫌な音を響かせて、地面に落ちた。
まぁ、こんな人も寄り付かない樹海に来るくらいなんだし、盗賊か何かだよね?
きっと、わたくしの秘密基地を見つけたから、此処を拠点にしようと企んだんでしょう。
でも、そこは問屋が卸しませんよ!!!
とりあえず、このまま、放置する訳にも、行きませんし、燃やしておきましょう。
ん?
今、魔王様とか、言った気がしたけど、きっと気の所為でしょう。
さぁ、ビバ、研究ライフに勤めるとしましょう!!!
そう高らかに、ルンルン気分で、秘密基地へと入って行く。
その中には、現代世界で言う所の数多くの巨大ロボットが格納されていた。
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