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第五章 欲望大戦

義手

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「こんな事もあろうかと用意して置いて良かった…………」


 あれから二日。


 俺はあの戦いで、無くした左腕の代わりになる義手を、生産スキル《創造》で作り出しておいた、装着してみる。


 まあ、即興で作った所為か、動きがぎこちない上、可動範囲が狭まった。


 手を上げようとしても、胸の辺りまでしか上げられない。


 ほんと、うまくはいかないもんだな…………。


 なんて、ボヤいていたら、目的の部屋に着いていた。


「入っても良いか…………?」


 部屋の前で警備していた女騎士に声を掛けると、「問題ありません」と返答が返って来た。


「そうか…………。


 なら、入るとしよう…………」


 俺がそういうと、女騎士達が扉を開けてくれた。


「おっす!」


 そして、何気なく入った瞬間、顔面に何か柔らかいものが当たった。


 何だ…………?


 と思って、視線を下に向けてみると、枕らしきものが俺の足元に落ちていた。


 それを投げたであろう人物は、そのまま布団を被って、ミノムシみたいにグルグル巻きになっていた。


「一体、何だって言うんだ…………?」


「いや、どう考えても、お前が原因だろう…………?」


 背後から声がする。


 振り返ると、剣聖様が呆れたように頭をかいていた。


「どういう事だ…………?」


「…………本気で分かってないのか…………?」


 あれ…………?


 何か、怒ってる?


 何か、起こるような事したっけ…………?


「ぐふっ!!」


 何か、頭の上で疑問符を浮かべたら、脇腹に鋭い一撃が入った。


「……………………な、なにを…………」


「その左腕が原因だ!!


 このバカタレ!!」


 左腕…………?


 何で、そんなんで怒ってるんだ…………?


「おい…………。


 お前、本気で言ってんのか…………?」


 何か、剣聖も起こり始めたな…………。


 何でだ…………?


「…………お前、ちょっと面貸せ…………」


「は…………?」


 そのまま、襟首を掴まれて引き摺られて行く俺。


 一体、何だって言うんだ…………?

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