139 / 144
第四章 強欲がもたらす願い
遭遇
しおりを挟む
ライハが勇者を捜索している最中、王宮から離れた滝の流れる崖下に、当人である勇者は訪れていた。
「ここにもいない…………」
着地するなり、慌てた様子で周りを見渡す勇者。
その表情には、焦りにも似た何かが浮かんでいた。
そして、眼を閉じると、魔力を集中させて、探索系の魔法を発動した。
「…………こっちね…………」
魔法を解いて、魔力の高い方へと歩みを進める勇者。
普段の彼女なら、冷静に魔力の質まで確認して、判断する所なのだが…………。
今は帝国を滅ぼしたアレクセイとの全面対決の最中。
その戦いの唯一の希望とも言える人物(ライハ)が、先程、グーラの襲撃を受け、行方が分からなくなっていたため、冷静な判断が出来なくなっていた。
それ故なのだろう。
「やぁ…………? 奇遇だね…………」
川の清流に佇む者を認識するのが、遅れたのは…………。
その所為なのだろう。
彼女へ振り下ろされた大爪を避けられなかったのは…………。
「悪いけど、ここで君には死んで貰うね…………」
彼女の左腕を切り裂き、妖しく微笑む彼、アレクセイは爪を滴り落ちる彼女の血を舐めて、彼女へとゆっくりと近付いて行く。
「くっ!?」
そんな勇者は垂れ下がる左腕を背に聖剣を構えるのだった。
「ここにもいない…………」
着地するなり、慌てた様子で周りを見渡す勇者。
その表情には、焦りにも似た何かが浮かんでいた。
そして、眼を閉じると、魔力を集中させて、探索系の魔法を発動した。
「…………こっちね…………」
魔法を解いて、魔力の高い方へと歩みを進める勇者。
普段の彼女なら、冷静に魔力の質まで確認して、判断する所なのだが…………。
今は帝国を滅ぼしたアレクセイとの全面対決の最中。
その戦いの唯一の希望とも言える人物(ライハ)が、先程、グーラの襲撃を受け、行方が分からなくなっていたため、冷静な判断が出来なくなっていた。
それ故なのだろう。
「やぁ…………? 奇遇だね…………」
川の清流に佇む者を認識するのが、遅れたのは…………。
その所為なのだろう。
彼女へ振り下ろされた大爪を避けられなかったのは…………。
「悪いけど、ここで君には死んで貰うね…………」
彼女の左腕を切り裂き、妖しく微笑む彼、アレクセイは爪を滴り落ちる彼女の血を舐めて、彼女へとゆっくりと近付いて行く。
「くっ!?」
そんな勇者は垂れ下がる左腕を背に聖剣を構えるのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,056
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる