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第四章 強欲がもたらす願い
工房の中に…………
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「まさか、工房まで逃げる事になろうとは…………」
俺は肩で息をしながら、先程までの状況を思い返して、ウンザリする。
会う人、会う人に追いかけ回され…………。
途中、拉致されかけたりと、予想以上の人気ぶりに、久方ぶりに、ドッと疲れた。
今はそれどころじゃねぇっていうのにな…………。
そう思って、壁に手を付くと、カチッと不吉な音が鳴って…………。
「…………あ…………」
地面に空いた落とし穴に落ちて行く俺。
ここにトラップあるの忘れてた!?
「おたすけえええええええ!!!!」
当然、誰もいないので、そのまま、落下する俺は落ちるに落ちて……………………とある部屋へと辿り着く。
「いててて…………。
ん…………?
ここは…………」
尻餅を付きながら、辺りを見渡すと、そこは廃棄場とも言うべきジャンクの山の上だった。
それを見て、ふと、ある事を思い出す。
それはまだ、ライハがアレクセイと過ごしていた時の話-------------
------------------------------------------
「不良置き場…………?」
「そうだよ。
ここは、私が作った魔道具の中でも、機能不全の多い試作機ばかりでね。
色々と苦労しているんだよ」
そう言って、肩をガクッと落とすアレクセイ。
「だから、君の力で、ガラクタであるこいつらを、立派な姿に変えて欲しいんだ…………」
そう言って、幼い俺の頭を優しく撫でてくれた。
------------------------------------------
あの時の事は、今でも鮮明に覚えている。
そういえば、あの時、初めて撫でて貰えたんだっけ…………。
ほんと、懐かしいな…………。
そう思いに耽り、そのジャンクの山の如し、欠陥魔道具の一つを手に取って-------------動きが止まった。
「待てよ…………。
そういえば、あいつ…………」
俺は手元の魔道具を投げ捨て、駆け出した。
確か、ここの近くに、あの部屋があった筈だ…………。
数分間、走り続けて、それと思しき扉を勢いよく開けると、そこには光り輝く球状の結晶体が置かれていた。
「これなら、行ける…………!!」
それを見た瞬間、俺は強く拳を握った。
だが、もし俺の予測通りなら、あいつはこの事を知らないって事はない筈…………。
なら、何故、ゾンビなどの死霊を増やす事しかして来ないんだ……?
「そんなの簡単だよ…………」
「っ!?」
俺は亜空間から銃を取り出して、声のする方へと構えると…………。
通路の先から、アレクセイが姿を現した。
「何で、ここに…………」
「それはそうだろう……?
元はと言えば、この工房は私のものだった訳だしね」
そうアレクセイは言うが、本当の意味でアレクセイは工房へと入っている訳ではない。
身体が透けている所を見るに、こいつは《投影魔法》か…………?
別の場所にいる本体の姿を、対象の元へと会話するためだけの魔法だって言われている。
なら、こいつの目的は俺だという事か…………?
「まあまあ、そんな怖い顔をしていないで、話を聞いておくれよ…………。
君にとっても良い話だろうから…………」
そうは言うが、一向に信じられない。
最低な話の間違いじゃないのか…………?
「もう良いよ…………。
何を言っても無駄そうだからね…………。
用件だけ伝えるよ…………」
アレクセイは呆れたように、ため息を付くが、気を取り直したように、殺気を放ちながら、俺に向けて鋭い視線を向けて来る。
「今から三日後に……………………私達はスメワール王国に対して、宣戦布告を行う…………」
俺は肩で息をしながら、先程までの状況を思い返して、ウンザリする。
会う人、会う人に追いかけ回され…………。
途中、拉致されかけたりと、予想以上の人気ぶりに、久方ぶりに、ドッと疲れた。
今はそれどころじゃねぇっていうのにな…………。
そう思って、壁に手を付くと、カチッと不吉な音が鳴って…………。
「…………あ…………」
地面に空いた落とし穴に落ちて行く俺。
ここにトラップあるの忘れてた!?
「おたすけえええええええ!!!!」
当然、誰もいないので、そのまま、落下する俺は落ちるに落ちて……………………とある部屋へと辿り着く。
「いててて…………。
ん…………?
ここは…………」
尻餅を付きながら、辺りを見渡すと、そこは廃棄場とも言うべきジャンクの山の上だった。
それを見て、ふと、ある事を思い出す。
それはまだ、ライハがアレクセイと過ごしていた時の話-------------
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「不良置き場…………?」
「そうだよ。
ここは、私が作った魔道具の中でも、機能不全の多い試作機ばかりでね。
色々と苦労しているんだよ」
そう言って、肩をガクッと落とすアレクセイ。
「だから、君の力で、ガラクタであるこいつらを、立派な姿に変えて欲しいんだ…………」
そう言って、幼い俺の頭を優しく撫でてくれた。
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あの時の事は、今でも鮮明に覚えている。
そういえば、あの時、初めて撫でて貰えたんだっけ…………。
ほんと、懐かしいな…………。
そう思いに耽り、そのジャンクの山の如し、欠陥魔道具の一つを手に取って-------------動きが止まった。
「待てよ…………。
そういえば、あいつ…………」
俺は手元の魔道具を投げ捨て、駆け出した。
確か、ここの近くに、あの部屋があった筈だ…………。
数分間、走り続けて、それと思しき扉を勢いよく開けると、そこには光り輝く球状の結晶体が置かれていた。
「これなら、行ける…………!!」
それを見た瞬間、俺は強く拳を握った。
だが、もし俺の予測通りなら、あいつはこの事を知らないって事はない筈…………。
なら、何故、ゾンビなどの死霊を増やす事しかして来ないんだ……?
「そんなの簡単だよ…………」
「っ!?」
俺は亜空間から銃を取り出して、声のする方へと構えると…………。
通路の先から、アレクセイが姿を現した。
「何で、ここに…………」
「それはそうだろう……?
元はと言えば、この工房は私のものだった訳だしね」
そうアレクセイは言うが、本当の意味でアレクセイは工房へと入っている訳ではない。
身体が透けている所を見るに、こいつは《投影魔法》か…………?
別の場所にいる本体の姿を、対象の元へと会話するためだけの魔法だって言われている。
なら、こいつの目的は俺だという事か…………?
「まあまあ、そんな怖い顔をしていないで、話を聞いておくれよ…………。
君にとっても良い話だろうから…………」
そうは言うが、一向に信じられない。
最低な話の間違いじゃないのか…………?
「もう良いよ…………。
何を言っても無駄そうだからね…………。
用件だけ伝えるよ…………」
アレクセイは呆れたように、ため息を付くが、気を取り直したように、殺気を放ちながら、俺に向けて鋭い視線を向けて来る。
「今から三日後に……………………私達はスメワール王国に対して、宣戦布告を行う…………」
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