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第四章 強欲がもたらす願い

可能性

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「以上が俺からの報告だ…………」


 俺は王宮に戻るなり、国王に無理を言って会議に割り込ませて貰い、今回の事のあらましを伝えた。


 メタルスライムの擬態。


 ゾンビ化した村人や騎士達の状況。


 あの時、ザッとセンサーで調べた敵の規模も、考慮に入れて…………


 それらを総合して、俺が出した答えは-------------


「まず、間違いなく、このままだと、この国は滅びるだろうな…………」


 俺の発言に、静まり返る会議室。


 何人かの貴族達が息を飲むのが分かる。


 敵の数は、あの時、確認した時には、既に数万という、ゾンビとメタルスライムで埋め尽くされ、その土地もほぼスライムに侵食されていた。


 下手に入れば、土地に侵食したメタルスライムに串刺しにされ、殺されたところをメタルスライムに取り込まれる。


 こちらの戦力が一方的に失われて、ただ敵の戦力を増やすだけになってしまう。


 それが、目に見えて分かってしまう絶望的な状況だ。


 正直なところ、打つ手は残されていない。


「方法は本当にないのか…………?」


 国王が縋るように声を掛けて来る。


「……………………」


 打開策が無い訳ではない…………。


 無い訳では無いのだが…………それを行うための時間がない…………。


 せめて、を起動させる事が出来れば…………。



「…………ん……?」


 ふと、国王と目が合った時だった。


『本当に、それだけしか方法はないのかい…………?』


 電気が走るとはこの事か…………。


 確か、前にも、こんな会話をしたような気が…………。


「っ!! そうかっ!? その手があったんだっ!!」


 思わず、椅子を倒して勢い良く立ち上がる俺。


 周りの連中は、何事かと戸惑っているようだが、それどころではない。


 試しに、国王に聞いてみたが、数日以内に出来るとの事。


 なら、俺達にはまだ打つ手がある!


 
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