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第四章 強欲がもたらす願い

侵攻

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「先日、帝国側付近の村がアンデットに襲われたそうだ」


 偵察機が消息を経って数日が経ち、国王から呼び出されたかと思うと、唐突にそう告げられた。


 思わず、舌打ちをして、考え込む俺。


 ある程度は予想していたが、これほどまでに早く動き出すとは…………。


 情報が欠けている今、新たに偵察機を送り込みたい所だが、もし最悪なシナリオへと進んでいると仮定して、どう動くべきか…………。


 十中八九、そのアンデットはあのアレクセイに呼び出されたものだろうから…………。


 倒されれば、当然の如く、同じくゾンビ化してしまう。


 国王の話の続きを聞く限りでは、対応に当たった奴らも含め、もう何人もの人間がそうなっているらしい。


 先日、国王も襲われて下手に動けないっていうのに…………。


 仕方がない…………。


 は後回しにして、今はこちらの問題を片付けなくちゃな…………。


 人が殺されていく毎に、こっちも不利になって来る訳だし…………。


 それに…………行きたくて仕方ない奴もいるしな…………。


------------------------------------------


「んで…………来てみた訳だが…………。


 こりゃ酷過ぎるな…………」


 思わず、目を当てたくなるような惨状に、俺の隣にいた勇者様は言葉を無くした。


 俺達の目の前で起きている、その光景は…………言葉で言い表せないぐらい。


 悲惨で、惨たらしい。


 何せ、そのゾンビになったと思しき村人が、同じゾンビの村人を喰い合い----------------共食いしていた。


「リリース…………」


 俺は右腕にのみ、《黒椿》を展開して、如何にも、醜悪なゾンビ達を、こんな事もあるかと思って用意しておいた《火炎放射器》で焼き払う。


 こんなの見てたら、精神衛生的にも、よくない上…………あまりにも、酷過ぎる…………。


 せめて、その苦しみから、一刻も早く解放しなくては…………。


「ホーリー・ソード!!」


 そんな俺の意思を汲み取ってか、勇者も聖剣を解き放って一掃していく。


 それを繰り返していく内に、ゾンビ達と交戦している騎士達と遭遇して------------


 俺はその騎士達に向けて、引き金を引いた。
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