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第三章 際限なき悪意

第二段階

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「お前ら、いいから黙って俺に付いて来い!!」


 目の下に大きなクマを残しながら、覇気のない感じでとある二人を指差す俺。


「あ…………やべ…………。

 目が霞んで来た…………」

 流石に限界だったみたいで、肩で息をしながら、その場に座り込む。

 あぁ、御天道様が迎えに来たよお~…………。

「おいおい!

 洒落になってねえよ!」

「す、すぐにミーナを呼んで来なさい!!」


------------------------------------------


「気を取り直して…………。

 いいから俺に黙って付いて来い!!」

「いやいや、格好付いてねぇから…………」

 まさかの剣聖に突っ込まれるとは…………ショックだ。

 ガクリと崩れ落ちる俺。


「あの~…………少し休まれた方が…………」

 俺に寄り添い、慰める聖女。


「やっぱり、聖女って優しいんだなぁ~…………」


「これは完全に駄目ですわね…………」

「あぁ、私でも、この男が正常な判断が出来てるとは思えないわ」

 大賢者と勇者がそんな事を言って来るが…………。


「何を!? こっちとら、徹夜明けでテンションマックス!!

 頭もフル稼働しまくってるぜ!!!」


「いや、目が血走ってて怖えよ!!!」

 剣聖に突っ込まれた。

 しかも、後頭部を思いっきり叩かれた。


 だが、妙にテンションの高い俺は止まらない。

「何しやがる!?

 せっかく、剣聖と大賢者専用のパワードスーツが完成したのに、その態度は何だ!?


 こっちとら、不眠不休で漸くこじつけたんだ!?」


「それが駄目だって言ってんだろう、がっ!!!」

「きゅぅぅ…………」


 俺はそのまま、剣聖の拳を脳天に受けて気絶した。


 その様子を周りの者達は呆れてみていたのだが…………。


「ちょっと、お待ちください…………」


 一人、瞠目した様子で俺を見ている者がいた。


「今、彼…………大賢者であるわたくしと剣聖であるシルヴィアのパワードスーツが完成した、と仰いましたよね……?

 もしかしなくても、それは聖女であるミーナと同じものが出来たという事では…………」


 真面目に取り合ってなかった周りの面々もその顔を驚愕に染めて、俺を見た。


「おい!

 さっきのはどういう意味だ!?

 起きろ!

 起きて説明しろ!!」


 俺は地面で伸びていたが、その事実に気付いた剣聖が俺の胸ぐらを掴んで、頭を揺らす。

 段々と俺の顔が青くなり始めて、聖女からドクターストップが入った俺は----------------その後、再び、聖女達の治療を受けて、コッテリと絞られたのは言うまでもない。


 
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