最下級冒険者は英雄である事をひた隠す 〜生産スキルで、メカチート生産?〜

水先 冬菜

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第三章 際限なき悪意

失敗

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「おうおう!

 聞いたぜぇー!

 失敗したんだってなー!?」

 嫌味たらしく、近付いて来るそいつに思わず舌打ちするアレクセイ。

「一体、何しに来た」

 不機嫌な様子を隠さず、近付いて来るグーラを睨み付ける。

「何って、おめぇーの死霊共がコテンパンにされたって聞いてなぁー。

 その主様はどんな顔をしてらっしゃるのかを拝みに…………」

「失せろっ!?」

 アレクセイはグーラに向けて、魔法を放つが、杖の先から放たれた魔法は蚊でも追い払うかのように、手で払われて霧散する。

「荒れてるねえー!

 そういうお前は嫌いじゃねえーよ!!

 お困りなら…………俺が手を貸そうか……?」


 楽しそうに、獰猛に笑うグーラ。


「うるさい…………」


 静かな怒りを立ち上がらせながら、アレクセイは強く拳を握る。

 その拳からが流れる。


「今に見ていろ…………。

 共!!

 私は彼女を手に入れ、今度こそ、を手にするんだ」


 その瞳はグーラと同じ狂気に満たされており、それに気付いたグーラは落胆したように、ため息混じりにこう呟いた。

「このバカ。

 とうとう、飲まれやがったな…………」


 相手にするのもバカらしい。

 そう言い残して、グーラはアレクセイの前から姿を消す。


 そんな些細な事にも気付く事なく、アレクセイは狂ったような叫びを上げ、帝国の王都へと飛び立った。


「私!? 私は今こそ完全に!!!??」


 まるで壊れたカセットテープのように、叫び続けるアレクセイは王都へと向かいながら、地上へ向けて、魔法を放つ。


 魔法を受けた地上では、地中から這い出るようにして、無数のゾンビの群れが目を覚まして、スメワール王国の方へと手を伸ばし、這いずるようにして、歩を進めた。


 まるで、ライハ達に救いを求めているかのように…………。
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