最下級冒険者は英雄である事をひた隠す 〜生産スキルで、メカチート生産？〜

第三章 際限なき悪意

新たに生まれるもの

「一体何を考えていますの！？」


　あの後、聖女に殴られた俺はこれまた何故か、勇者御一行に囲まれながら正座させられていた。


　何故か、聖女だけじゃなく、勇者御一行の目元が赤いが…………。


　一体、何があったのだろうか……？

「ライハさん！　聞いているんですか！？」

　聖女の目が笑っていない。


　というか、怖過ぎる！！？


　何で、こんなに怒っているんだ？！

『それは自業自得よ♡

　お・ば・か・さ・ん♡』


　俺の鼻をツンっと続いて、唐突にデリヘラが現れる。

　彼女の話によると、深淵毒という人ならざるものの力を使った特殊な病気になり、死にかけたというもの。

　何とか、デリヘラが連れて来たアフロディアとシリウスの力を持って、治療出来たが…………。


　後一歩でも、送れていたら、確実に絶命していたらしい。


　あちゃ～…………悪い事をしたな…………。


　『深淵毒』ってものは知らんかったが、死の時が近いのは分かっていた。


　こういう形で、露見するとは思っても見なかったが、余計な心配をかけてしまった事は多少なりとも申し訳ないと思う。


　そんな最中に、端末にとある知らせが届いていたが----------------


「ライハさん！　まだ話は終わっていません！」


　凄い剣幕で迫る聖女に、多少なりとも罪悪感のある俺は、黙って勇者御一行の説教を受ける事にした。


　デリヘラが既に、特大級の爆弾を落としていたとも知らず…………。


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　ライハが住まう工房。


　その最奥にある施設内にて、稼働しているとある装置があった。

『データ受信完了。

　最適化プログラムを起動承認。

　システムベーターモードへ移行。

　作業工程開始。

　完了まで五時間四十五分』


　轟音を立てて、動き出す機械。


　それは機械の端に積み上げられたアダマンタイトの鉱石をすり潰して、機械と隣接されたポッド内で徐々に、形を形成していく。


　そこには、赤と青に染まる二つの機体があった。