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第二章 水の都市の大罪

呆気ない違和感

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「俺を楽しませてよおおおおおおっ!!!!!」

「ぐうっ!!?」

 放たれた拳が俺の手にしていた刀…………《雷電》を解き放つ。


 こいつ、力任せに刀を跳ね飛ばして!?


「そおおおおおおおおおれえええええええええええ!!!!!!!!!」

「ブーストぉ~!!」

 高機動ユニットを使って、ギリギリで避けるが、右腹部を覆っていた装甲の一部が、通り過ぎた拳の風圧によって砕け散った。

 そして、そのまま宙を舞う、刀を再び掴み取ると、両腕を斬り、続いて、手首を捻ってその首を刈り取る。

「ブラスト!!」

 そして、右腕の機関砲を顔が繋がっていた首の付け根に叩き込み、ゼロ距離で連射する。

 グーラの身体から突き抜けた弾丸は地表に到達して、大地を抉る。

 しかし、相当な威力があっても、このバグキャラは《不死の魔法》により、すぐに再生する。

 だから、空中で一回転して、かかと落としをお見舞いする。

 そして、地表に落ちる目掛けて、ブースターを全力噴射。

 重力も加算され、神聖を纏う雷電がグーラの心臓を貫き、死滅させていく。

 これならどうだ!!?

 だが、敵はグーラだけではない。

 落下中の俺達の所へ、無数の飛翔体が飛来する。

 ミサイル!?

「ちっ…………」

 グーラの身体を蹴って、刀を胸元から引き抜いて、脱出する。

 落下するグーラの体にミサイルが命中。


 威力は先程の倍以上で、流石のグーラの身体も無効化された状態では、ひとたまりもなかったのか。

 燃え尽きていく。


 何か、予想以上に呆気なかったな……?


 それに…………何だか、少し弱かった気が…………。
 

 妙な違和感はあるが…………。

 今の俺には、やるべき事がある。

 俺は気持ちを切り替えるため、聖女が今もあのクラーケンと戦う聖女の方へと視線を移す。

 幸い、あのバグキャラのおかげで、海の底が剥き出しになっている。

 これなら、をより強固な形で使える筈。

 なら、前は急げ…………だな…………。


 そう思い立ち、彼女の元へ向かう俺の真下。

 今も大地で燃え続けるグーラの身体の一部に近付く人影があった。



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