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第二章 水の都市の大罪
決闘の終わりで…………
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「はあ…………はあ…………」
肩で息をしながら、地面に倒れ伏す聖女を朦朧と見つめる俺。
《雷電》を地面に突き刺し、片膝を付いた。
最後の攻撃は本当に危なかった。
咄嗟に、《雷電》の《アブソーバーシステム》を起動して、魔力を吸収し、神聖で集束砲を消し去る。
それを何度も繰り返して、全ブースターで加速しながら、強引に前に進み----------------最後の力を振り絞って、何とか勝利を得た。
『コンディションレベル・イエロー。これより、強制治療に移行します』
《量産型》がカードデバイス化して、聖女の顔の前に落ちると、その身体が淡い光を放って、傷が癒えていく。
「…………どうやら、うまくいった…………みたい、だな…………」
その光景を見た最後に、俺の意識は途切れた。
------------------------------------------
次に目を覚ました時、俺は見知らぬ部屋で目を覚ます。
起き上がってみると、全身に包帯が巻かれ、いかにも、分不相応な大きなベットの上にいた。
「ここは、何処だ……?」
頭がまだボヤけていて、うまく思い出せない。
確か、聖女と決闘し、ギリギリで勝利を得て……………………それからは…………?
駄目だ。
うまく思い出せない。
とりあえず、ここが何処か、調べないと…………。
そう思い、ベットから出ようとした時だった。
「あんっ…………」
何か、妙に色っぽい声が聞こえた。
心なしか、俺の左手に何か柔らかい感触がして…………。
嫌な汗が流れる。
恐る恐る、手のある方向へ視線を向けると、若干顔を赤く染め、緩やかな寝息を立てる聖女がいて…………。
「うおっ!?」
驚きのあまり慌てて、後ろに下がって…………ベットの上から転げ落ちる俺。
「いっつつつ…………」
涙目になりながら、頭をさすって起きると--------
「今のがラッキースケベというものですか……?』
--------何処から、ともなく声がした。
「へっ……?」
思わず、間抜けな声が出る俺。
「誰だ……?」
周りを見渡すが、俺の隣で眠っていた聖女以外誰もいない。
『誰って…………。
私はあなたの目の前にいますよ……?』
「何……?」
声がした方に、顔を向ける。
そこには、ベットの横に設置されたテーブルの上に《神電》のカードデバイスやら、俺の荷物が置かれていた。
そして、その《神電》の隣には…………。
『ようやく、気付きましたか……?』
「…………!?」
聖女ビルへルミナに手渡した、あの《量産型》のカードデバイスも置かれていて…………。
声はそのカードデバイスから発せられていた。
『初めまして、ライハ様。
わたくし、聖女ビルへルミナ様にお仕えしております。
《サキネ》と申します』
その光景を目の当たりにして、俺の頬に涙が伝っていた。
肩で息をしながら、地面に倒れ伏す聖女を朦朧と見つめる俺。
《雷電》を地面に突き刺し、片膝を付いた。
最後の攻撃は本当に危なかった。
咄嗟に、《雷電》の《アブソーバーシステム》を起動して、魔力を吸収し、神聖で集束砲を消し去る。
それを何度も繰り返して、全ブースターで加速しながら、強引に前に進み----------------最後の力を振り絞って、何とか勝利を得た。
『コンディションレベル・イエロー。これより、強制治療に移行します』
《量産型》がカードデバイス化して、聖女の顔の前に落ちると、その身体が淡い光を放って、傷が癒えていく。
「…………どうやら、うまくいった…………みたい、だな…………」
その光景を見た最後に、俺の意識は途切れた。
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次に目を覚ました時、俺は見知らぬ部屋で目を覚ます。
起き上がってみると、全身に包帯が巻かれ、いかにも、分不相応な大きなベットの上にいた。
「ここは、何処だ……?」
頭がまだボヤけていて、うまく思い出せない。
確か、聖女と決闘し、ギリギリで勝利を得て……………………それからは…………?
駄目だ。
うまく思い出せない。
とりあえず、ここが何処か、調べないと…………。
そう思い、ベットから出ようとした時だった。
「あんっ…………」
何か、妙に色っぽい声が聞こえた。
心なしか、俺の左手に何か柔らかい感触がして…………。
嫌な汗が流れる。
恐る恐る、手のある方向へ視線を向けると、若干顔を赤く染め、緩やかな寝息を立てる聖女がいて…………。
「うおっ!?」
驚きのあまり慌てて、後ろに下がって…………ベットの上から転げ落ちる俺。
「いっつつつ…………」
涙目になりながら、頭をさすって起きると--------
「今のがラッキースケベというものですか……?』
--------何処から、ともなく声がした。
「へっ……?」
思わず、間抜けな声が出る俺。
「誰だ……?」
周りを見渡すが、俺の隣で眠っていた聖女以外誰もいない。
『誰って…………。
私はあなたの目の前にいますよ……?』
「何……?」
声がした方に、顔を向ける。
そこには、ベットの横に設置されたテーブルの上に《神電》のカードデバイスやら、俺の荷物が置かれていた。
そして、その《神電》の隣には…………。
『ようやく、気付きましたか……?』
「…………!?」
聖女ビルへルミナに手渡した、あの《量産型》のカードデバイスも置かれていて…………。
声はそのカードデバイスから発せられていた。
『初めまして、ライハ様。
わたくし、聖女ビルへルミナ様にお仕えしております。
《サキネ》と申します』
その光景を目の当たりにして、俺の頬に涙が伝っていた。
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