最下級冒険者は英雄である事をひた隠す 〜生産スキルで、メカチート生産?〜

水先 冬菜

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第二章 水の都市の大罪

決闘開始

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「こんな面白そうな事、見逃せる筈がねぇだろ!」

「どんな戦いになるのか、実に楽しみですわぁ~♪」

「……………………」

 悪い笑みを浮かべる二人に、思わず顔が引きつる俺。

 申し訳無さそうにして、頭を下げる聖女から話を聞けた。

 何でも、神殿経由で申請を出した時、運悪く神殿に粗方、魔物の討伐を終えて、先に到着した剣聖と大賢者の二人に見つかり、今回の件が露見したそうだ。

 そして、なし崩しに、連れて来る事になり、現在に至る。

「……………………」

 面倒な奴ら…………!

 特に、大賢者はあの瞳からして、俺の技術がどういうものか、興味津々な上、非常に楽しみにしているようだ。

 心なしか、子供のように、はしゃぎたい衝動を必死に抑えようとして…………。

 若干、体がプルプルと震えている。

 目が星になっている時点で、バレバレなのだが…………。

 とりあえず----------------

「邪魔はするな…………」

 そう警告して、背を向け、配置に付く。

 それに合わせて、聖女達も行動に移る。

 聖女は俺の数メートル先の立ち位置に立ち、迷惑な剣聖共は闘技場内から出て行く。

「来たれ! 《神電!》」

 それに合わせて、俺は《神電》を展開。

 《雷電》の切っ先を聖女に向け、構える。

「リリース!」

 聖女もカードデバイスを展開して、構えた。

「…………行くますよぉ~…………」

「……………………」

 俺の眼光が光った瞬間、俺は聖女の前から姿が消えた。

「《白雪!》」

 両肩の魔力タンクの増幅装置が、両腕のバリアフィールドの出力を強化。

 聖女の周りに障壁が展開され、俺の初撃を弾き返した。

 そして、サブウェポンの可変ビットが両肩の大型シールドの内から射出され、射撃モードで砲撃が放たれる。

 それを俺は、高機動ユニットで光の速さで回避し、時折、雷電で弾き飛ばす。


「ブーストぉ~…………!」


 更にスピードを上げる。

 目にも止まらぬ速さで、背後を取り--------《雷電》の神聖を一瞬発動。


 聖女の周りに展開されたバリアの一部を剥がして、右腕の機関砲を発射。

 聖女はそれを左の盾で受け流して、右腕を突き出し、バルカンシールドのバルカンを連射して迎撃。

「っ!? 《アブソーバー!》」

 それを左腕の新装備《アブソーブシールド》と呼ばれる魔力状の盾を展開して、吸収し、後退する。

「《白雪!》」

 だが、後退した時、何かにぶつかった。

 視線を向けると、可変ビットが魔力の線を繋ぐようにして、魔力の大きな壁を形成している。

「貰いました!」

 聖女はそのまま、両手のバルカンシールドのバルカンを連射。

「《アブソーバー!》」

 最大出力で《アブソーブシールド》を展開したが、数発左脚の高機動ユニットに被弾して、出力がバイザーを通して下がるのが分かる。

 しかし、ここからが《アブソーブシールド》の本領発揮だ。

「《カウンター!》」

 
 吸収した魔力を数倍にして、右腕の機関砲から放つ。

「ブースト!」

 聖女はそれをかわして、空へ逃げる。

 放たれた光線は闘技場の壁に命中して、展開されていた七層の結界の内、四つも粉砕する。

 僅か数分の攻防----------------

 たったそれだけの時間だったのにも関わらず…………。

 既に、王国最高峰である剣聖や大賢者が目で追えなくなる程、二人の戦いは激化して行く。

 その光景を剣聖や大賢者。

 そして、周りにいた騎士達さえも、驚きのあまり、顎が外れそうな程、口を大きく開けて固まっていたのだった。
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