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第二章 水の都市の大罪
水の都市 スイレン
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辺境の町から更に東…………。
スメワール王国の南東に位置する王国の領土の一つ。
水の都市スイレン--------
広大な海と隣接したこの領土は、貝や魚などの豊富な魚介が取れる事で有名な都。
水も澄み切っていて、水路の底が見える程の透明度だ。
そんな都で、何か変わった事はないか情報収集していると、異変はすぐに見つかった。
それは都に入ってすぐの頃に立ち寄った食堂の店員に聞いた話だ。
何でも、いつもはそれ相応の値段で市場に売られていた魚介などの魚が値上がりしているらしい。
原因をそれとなく、聞いてみると--------
「不漁…………ですか……?」
「そうなんですよ。
何でも最近、漁に出ても、全く魚が掛からないらしくて…………。
知り合いの漁師の方が嘆いていましたね」
何でも、この都始まって以来の出来事らしく、都の住民達も戸惑っているようだ。
これは重点的に、漁師関係な人間に当たって話を聞いてみる必要がありそうだ。
------------------------------------------
スメワール王国の王都------------
王都の王宮にて、聖女ビルへルミナはスメワール王国現国王の命の元、召喚に応じていた。
王宮のゲストルーム。
国王との話し合いを終え、聖女は控えのメイドが淹れてくれた紅茶を一口含み、一息付くが…………。
その表情は暗く、憂い顔で外の景色を眺めた。
「全く、嫌になっちゃうわね…………」
国王の話だと、今、彼女の故郷であり、彼女が属している神殿本部のある都。
水の都市スイレンにて、原因不明の不作が続いているそうだ。
その原因究明のため、今現在、王宮内では、調査隊の編成を進めており、その指揮を聖女である私に任せたいとの話だ。
もちろん、故郷に異変が起きていて、心配だと思う気持ちはある。
だが、それよりも、気になっているのは、辺境の町で出会った彼の事だ。
聖女の力の一つ------------《神託》の力によって、彼は今、スイレンの都にいる事が判明した。
彼がいる…………それ即ち、かなり恐ろしい事態が都に起きていると聖女は確信を持って、考えていた。
魔王の進軍然り…………。
辺境の町の壊滅然り…………。
元凶である魔物然り、と…………。
彼が居合わせると、何かしらの異常な事件が起きていた。
そんな渦中の中、聖女であるビルへルミナは捜索隊を率いて、向わなければならない。
そう考えると、憂鬱な気分にもなる。
「何も起こらなければ良いのだけど…………」
そううな垂れながら、聖女が心から願うも、その願いは儚く散っていった。
何故なら--------
『ヤッホー♡
お久しぶり♡』
傍迷惑な黒髪の女神が聖女の前に姿を現したからだ。
「もう勘弁してぇー!!!」
聖女ビルへルミナのそんな悲痛な叫びが王宮に轟いた。
だが、非常にも、現実というものは時を進んでいく。
それも、聖女が予想した以上の最低最低な結末を迎えて--------
スメワール王国の南東に位置する王国の領土の一つ。
水の都市スイレン--------
広大な海と隣接したこの領土は、貝や魚などの豊富な魚介が取れる事で有名な都。
水も澄み切っていて、水路の底が見える程の透明度だ。
そんな都で、何か変わった事はないか情報収集していると、異変はすぐに見つかった。
それは都に入ってすぐの頃に立ち寄った食堂の店員に聞いた話だ。
何でも、いつもはそれ相応の値段で市場に売られていた魚介などの魚が値上がりしているらしい。
原因をそれとなく、聞いてみると--------
「不漁…………ですか……?」
「そうなんですよ。
何でも最近、漁に出ても、全く魚が掛からないらしくて…………。
知り合いの漁師の方が嘆いていましたね」
何でも、この都始まって以来の出来事らしく、都の住民達も戸惑っているようだ。
これは重点的に、漁師関係な人間に当たって話を聞いてみる必要がありそうだ。
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スメワール王国の王都------------
王都の王宮にて、聖女ビルへルミナはスメワール王国現国王の命の元、召喚に応じていた。
王宮のゲストルーム。
国王との話し合いを終え、聖女は控えのメイドが淹れてくれた紅茶を一口含み、一息付くが…………。
その表情は暗く、憂い顔で外の景色を眺めた。
「全く、嫌になっちゃうわね…………」
国王の話だと、今、彼女の故郷であり、彼女が属している神殿本部のある都。
水の都市スイレンにて、原因不明の不作が続いているそうだ。
その原因究明のため、今現在、王宮内では、調査隊の編成を進めており、その指揮を聖女である私に任せたいとの話だ。
もちろん、故郷に異変が起きていて、心配だと思う気持ちはある。
だが、それよりも、気になっているのは、辺境の町で出会った彼の事だ。
聖女の力の一つ------------《神託》の力によって、彼は今、スイレンの都にいる事が判明した。
彼がいる…………それ即ち、かなり恐ろしい事態が都に起きていると聖女は確信を持って、考えていた。
魔王の進軍然り…………。
辺境の町の壊滅然り…………。
元凶である魔物然り、と…………。
彼が居合わせると、何かしらの異常な事件が起きていた。
そんな渦中の中、聖女であるビルへルミナは捜索隊を率いて、向わなければならない。
そう考えると、憂鬱な気分にもなる。
「何も起こらなければ良いのだけど…………」
そううな垂れながら、聖女が心から願うも、その願いは儚く散っていった。
何故なら--------
『ヤッホー♡
お久しぶり♡』
傍迷惑な黒髪の女神が聖女の前に姿を現したからだ。
「もう勘弁してぇー!!!」
聖女ビルへルミナのそんな悲痛な叫びが王宮に轟いた。
だが、非常にも、現実というものは時を進んでいく。
それも、聖女が予想した以上の最低最低な結末を迎えて--------
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