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第二章 魔王は再び蘇る?
全ての始まり
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もう出し惜しみしている場合じゃない!!
「来たれ! 《神電!!》」
俺は黄金の鎧を身に纏い、上空から降り立つ悪魔のかかと落としをすんでの所で回避する。
そして、俺がさっきまでいた場所は、粉々に吹き飛び、大地が揺れた。
「はああああああっ!!!!!」
高機動ユニット最大出力。
光の速さで、あいつに上段から斬り掛かる。
《雷電》の出力リミッターを最大限に上げ、刀身に仕込んだブースターも合わさり、勢い良く振り下ろされた刀------------その肉体に刃は通るが…………。
「おっと…………!!」
身体の重心を右の方にずらして、あいつは回避する。
しかし、間に合わなかった右腕は斬り落とされ、地面へと落ちる。
そして、地面を転がり、俺との距離を取って…………。
不思議そうに、再生しない自身の右腕を見つめる。
「ははっ!! すごい! すごいよ!!
やっぱり、君はすごいっ!!!」
そいつは興奮したように、しばらく叫んでいたが…………。
ふと、何かに気付いて、空を見上げた。
「ええ~っ!? せっかく、楽しんでたのに、もう終わりぃ~!!??」
そして、本当に残念そうに肩を落とすと、恨めしそうに俺の方へ目を向けて来た。
「ごめんねぇ~…………。
もう時間みたいなんだぁ~。
今度、会った時はもっとも~っと、いっぱい遊ぼうねぇ~!!!」
そう言って、あいつは異常なまでの跳躍で、まるでロケットのように、空の彼方へ跳び去って行った。
一体全体、何だったんだ……?
------------------------------------------
あの戦いを終えてから、しばらく経って------------
『お帰りなさい♡』
無事帰還を果たした俺は今の今まで、メディカルポッドに、どっぷりと浸かっていた。
というのも…………。
あの後、散々、あの魔族に痛め付けられた俺は上級ポーションの効果があったおかげで、意識が朦朧としながらも、何とか工房に帰還。
帰還した途端、意識を失い、生死の境を彷徨った。
数本に渡る肋骨や背骨の骨折。
その折れた骨が肺や肝臓に刺さった事による臓器損傷。
他に、大量出血による血液不足、擦り傷、切り傷、打撲、捻挫と、内外的に、ありえないくらいにボロボロだった。
そんな俺を引きずって、メディカルポッドに入れてくれたのは、何を隠そう。
このデリヘラなのだ。
何故、それを知っているかというと、俺がメディカルポッドで眠っている間、こいつは俺の夢の中に入り込んで、自慢するように事の詳細を語って来た。
それもウザいくらいにしつこくだ…………。
瀕死の重症だった俺をメディカルポッドに入れてくれた事。
その点に置いては感謝しよう。
だが、いかせん、その後、御着せがましく、俺にあれやこれやと強要した案件に関しては、納得がいかない。
何故なら--------
『これから、あなたは勇者達と協力して、《魔王候補》達を倒しに行ってね♡』
「断る!!」
ロクな説明もせずに、《魔王候補》なり、勇者達と行動しろなりと、意味の分からない事を、一方的に押し付けられ、俺は真っ向から拒絶した。
それを有無を言わせず、従わせようと、またあの手この手と嫌がらせをして来たデリヘラだったが…………。
最終的には、渋々、全てを話してくれる事になり…………。
今現在、メディカルポッドの治療を終えて出て来た俺は着替えを済ませつつ、デリヘラの話を聞いていた。
「《人造魔王製造計画》……?」
それが全ての元凶で、事の始まりだった。
「来たれ! 《神電!!》」
俺は黄金の鎧を身に纏い、上空から降り立つ悪魔のかかと落としをすんでの所で回避する。
そして、俺がさっきまでいた場所は、粉々に吹き飛び、大地が揺れた。
「はああああああっ!!!!!」
高機動ユニット最大出力。
光の速さで、あいつに上段から斬り掛かる。
《雷電》の出力リミッターを最大限に上げ、刀身に仕込んだブースターも合わさり、勢い良く振り下ろされた刀------------その肉体に刃は通るが…………。
「おっと…………!!」
身体の重心を右の方にずらして、あいつは回避する。
しかし、間に合わなかった右腕は斬り落とされ、地面へと落ちる。
そして、地面を転がり、俺との距離を取って…………。
不思議そうに、再生しない自身の右腕を見つめる。
「ははっ!! すごい! すごいよ!!
やっぱり、君はすごいっ!!!」
そいつは興奮したように、しばらく叫んでいたが…………。
ふと、何かに気付いて、空を見上げた。
「ええ~っ!? せっかく、楽しんでたのに、もう終わりぃ~!!??」
そして、本当に残念そうに肩を落とすと、恨めしそうに俺の方へ目を向けて来た。
「ごめんねぇ~…………。
もう時間みたいなんだぁ~。
今度、会った時はもっとも~っと、いっぱい遊ぼうねぇ~!!!」
そう言って、あいつは異常なまでの跳躍で、まるでロケットのように、空の彼方へ跳び去って行った。
一体全体、何だったんだ……?
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あの戦いを終えてから、しばらく経って------------
『お帰りなさい♡』
無事帰還を果たした俺は今の今まで、メディカルポッドに、どっぷりと浸かっていた。
というのも…………。
あの後、散々、あの魔族に痛め付けられた俺は上級ポーションの効果があったおかげで、意識が朦朧としながらも、何とか工房に帰還。
帰還した途端、意識を失い、生死の境を彷徨った。
数本に渡る肋骨や背骨の骨折。
その折れた骨が肺や肝臓に刺さった事による臓器損傷。
他に、大量出血による血液不足、擦り傷、切り傷、打撲、捻挫と、内外的に、ありえないくらいにボロボロだった。
そんな俺を引きずって、メディカルポッドに入れてくれたのは、何を隠そう。
このデリヘラなのだ。
何故、それを知っているかというと、俺がメディカルポッドで眠っている間、こいつは俺の夢の中に入り込んで、自慢するように事の詳細を語って来た。
それもウザいくらいにしつこくだ…………。
瀕死の重症だった俺をメディカルポッドに入れてくれた事。
その点に置いては感謝しよう。
だが、いかせん、その後、御着せがましく、俺にあれやこれやと強要した案件に関しては、納得がいかない。
何故なら--------
『これから、あなたは勇者達と協力して、《魔王候補》達を倒しに行ってね♡』
「断る!!」
ロクな説明もせずに、《魔王候補》なり、勇者達と行動しろなりと、意味の分からない事を、一方的に押し付けられ、俺は真っ向から拒絶した。
それを有無を言わせず、従わせようと、またあの手この手と嫌がらせをして来たデリヘラだったが…………。
最終的には、渋々、全てを話してくれる事になり…………。
今現在、メディカルポッドの治療を終えて出て来た俺は着替えを済ませつつ、デリヘラの話を聞いていた。
「《人造魔王製造計画》……?」
それが全ての元凶で、事の始まりだった。
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