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第二章 魔王は再び蘇る?

鬼畜キャラ

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「ねえねえっ!! 

 お兄さん……………………お兄さん?

 いや、お姉さんかなあ~……?

 まあ、どっちでも良いやっ!!

 次は僕の番だよっ!!?」



「っ!!」



 まずいっ!!!


 俺はマシンガンをフルオートで乱射し、後方へと飛行しながら全速力で下がる。


 だが、それを物ともせず、弾丸を浴びながら、一蹴りで、瞬時に俺の目の前まで距離を詰めたそいつは、振り上げたその腕を一気に、力いっぱい振り下ろした。

 俺は咄嗟に、両腕をクロスさせ、一点集中で、バリアを幾重にも、振り下ろされるであろう腕の進行方向に展開した。

 しかし、振り下ろされた腕は想定以上に重いもので…………。

 バリアは簡単に砕け散り、そのまま、振り飛ばされる。

「…………くっ…………!!!」

 背部の飛行ユニットのブースターを全開にして、勢いを殺す。

 姿勢を安定すると同時に、先程の攻撃で破損した両腕のバリアユニットと、両肩のキャノン砲をパージ。

 マシンガンを手放し、亜空間収納から対戦車ライフルを取り出す。

 そして、そのまま、マガジンを取り替え、腕を振り下ろしたまま、現在進行形で、空中落下中のあいつに照準を向けて引き金を引いた。

「おろ……?」

 放たれた弾丸はあいつの左肩を貫き、吹き飛ぶ。

 よしっ!!!

 立て続けに、太もも、右手首、胸とライフルを三連射。

 そのまま、地面に落下した。


 《死への誘い》を付与した特殊弾丸だ。


 例え、《魔族》に進化したとはいえ、元はあの暴虐の悪魔。

 当然、《不死の魔法》は今も効力は持続している筈だし…………。

 ある程度は、こうなる事も想定していた。


 だから、こんな事もあろうかと、神聖を付与した特殊な弾丸を数発だけだが、スキルをフルに使って、作って置いたのだ。


 だが、想定以上に威力が高かったみたいで、あいつの背後にそびえ立っていた山に風穴が空いちまったが…………。


 あんな物騒な奴を倒せただけ、めっけもんだ--------

「いやあ~!! 驚いたなあ~!!」

「…………何……?!」

 突然、風が巻き起こったかと思うと、その中心地で、身体のあちこちに風穴を開け、宙を舞うあいつの姿が…………。

「くっ…………!!」

 亜空間から予備のマガジンを取り出して、リロード。

 今度は顔を吹き飛ばしたが、信じられない事が起きる。

「嘘でしょぉ~!!!??」

 吹き飛ばされた顔は一瞬にして再生する。

 それと同じように、身体の方も再生されて、元通りの姿に戻る。

「次はこっちの番だね!」

 獰猛に頬を歪めつつ、不気味に笑うと…………。

 また、一蹴りで距離を詰め、ライフルの銃身を掴んで、力任せにねじ曲げた。

 
 これでも、喰らえっ!!!


 俺はゼロ距離で、集束砲を放つが、それも拳で粉砕。

「がっ…………!!?」

 む、無茶苦茶だ…………!?


 今ので、集束砲は破壊。

 胸部の装甲が砕け散り、肋骨が折れたやうな間隔があった。

 
 まさか、これが《絶対なる覇者》--------

 打撃力と防御力を上げる身体強化系の魔法。

 その効力は永続的で、威力も強度も時間と共に上がっていく。

「まだまだ行くよ!!」

「ごふっ…………!!」

 だか、それにしても、威力が高過ぎる。

 推測だが、《魔族》になる前に、その魔法を持っていたこいつは、分身体が供給していた生体エネルギーと共に、魔法で強化した時間も取り込んだ可能性がある。

 女神達の話だと、数十体以上の分身体がいたらしいから…………。


 あぁ、考えるまでもなく絶望的だな…………。

 数十体以上の身体強化魔法が付与され、今も強化魔法の精度は上昇し続け、不死の魔法は分身体と比べるまでもなく、《死への誘い》を打ち破る程強力で、瞬時に再生されてしまう。


 ぶっちゃけ、無理ゲーだ。
 
 
 どうやったら、こんな鬼畜キャラが出来上がるんだよ!!


「あれあれ~……? もう終わっちゃったかな?」

「ぅぅ…………」

 散々、高速で、殴る、蹴るの応酬で、俺はあいつに頭を掴まれ、持ち上げられた。

 正直、もう虫の息と言わん限りのボロボロさだったが…………。


 ここで諦める訳にはいかない!!


 「…………アーマー…………パー…………ジ…………」

「うわっ!!」

 私は身に付けた全武装を吹き飛ばし、あいつの手から逃れると、腕輪の転移魔道具を発動。

 距離を取った後、亜空間から瓶に入った上級ポーションを飲み干した。

 痛みが少し引いて行き…………。

「みぃ~つけた!!」

 早々に発見されるのだった。





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