上 下
33 / 144
第二章 魔王は再び蘇る?

神電の欠点

しおりを挟む
 カードデバイス《神電》--------

 初陣にしては中々良い感触だ。

 悪魔共と対峙しながらも、次々と刀で斬り伏せていく新たなパワードスーツの性能に、俺はかなり酔っていた。

 前回の魔王戦の報酬で貰った神聖《無限回廊》をパワードスーツの動力源に組み込んだ事によって、魔力消費や燃費の悪さが解消され、長時間の稼働が可能になった事もあるが…………。

 新たな神聖《死への誘い》も、新装備との相性が良い事もあり、思うように悪魔共を斬り裂けた。

《瞬歩》

 そして、パワードスーツの背部と両脚に装備された高機動ブースターユニットにより、武装的にも、魔法的にも、光に勝る動きを取れるようになり…………。

 おかげで、体が信じられない程軽い。

《絶対回避》

 おまけに、頭部のバイザーと両腕のセンサーが自動的に、相手の攻撃を予測し、サポートしてくれるので、軽々と攻撃を避けられる。

 俺は今、風になっている。

 何て、キザなセリフを言えそうだよ。

『『『ガウウウウウウウっ!!!』』』

「甘い!!」

 無我夢中に、悪魔共を屠っていくと…………。

 気付けば、悪魔共の死骸の上に立つ自分がいた。

 一応、バイザー越しに敵をサーチしてみたが、ここにいる奴らは粗方、片付けてしまったらしい。

 住民も騒ぎ出したし、一度、工房に戻った方が良さそうだ。

------------------------------------------

 んで、工房に戻って早々、調子付いた天罰が降った。

「う、動けん…………」

 工房へ帰還して、パワードスーツを解除した途端、全身に痛みが走り、動けなくなったのだ。

 何とか、介護ロボット達の助けも借りて、ベットに寝付けれたのだが…………。

 全身が筋肉痛になり、指一本動かせん。

 そして、ふと、ある事を思い出し…………反省する。

 確かに、《無限回廊》のおかげで、魔力消費と燃費の悪さは解消された。

 だが、まだ肉体のダメージ面での問題はまだ解決はされてはいなかった。

 そんな状態で、肉体面で負荷の掛かる光速戦闘用パワードスーツ《神電》を使ったもんだから、肉体面での疲労は許容量を超えてしまったのだ。

 おかげで、丸三日程、ベットの上で過ごす事になった俺。

 うん。

 一度、神電の設計を見直そう。

 そう決意する、今日、この頃であった。


 
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

私、ドラゴンのお嫁さんになります!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:129

九番姫は獣人王の最愛となる

恋愛 / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:2,441

転生王子の異世界無双

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:78pt お気に入り:4,374

柿ノ木川話譚1・狐杜の巻

歴史・時代 / 完結 24h.ポイント:85pt お気に入り:6

旦那様は妻の私より幼馴染の方が大切なようです

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,604pt お気に入り:5,592

第六天魔王、織田信長、再臨す 〜関ヶ原から始める織田家再興物語〜 

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:391pt お気に入り:30

【完結】初恋の彼に 身代わりの妻に選ばれました

恋愛 / 完結 24h.ポイント:617pt お気に入り:2,359

処理中です...