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第一章 常識破りのメカ武装

再来

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「ほんと、あの勇者様は手がかかるわねぇ~」

 そう言いつつも、流星が降り注いだ地に降り立つローブの女性。

 死屍累々の魔物供の上に立ち、標的は何処かと周りを見渡した時だった。

『ふんっ!』

「はわわああああ~っ!!!」

 いきなり、目の前に現れた巨体から離れた大剣が大地を縦断し、危なげながらも反射的に交わす女性。

 その巨体とは、当然--------

『待っていたぞ、この時を…………!!』

 魔王ご本人です。

 はい…………。

「危ないなあ~!! もうやんなっちゃうぅ~…………」

 女性のフードが外れ、素顔が露わになると、魔王の瞳がより一層深くなり、周りの草木を枯らしてしまう程の瘴気を身体から放った。

 その瘴気は大地を荒地に変えてしまう程、強力な物で…………。

 瀕死の重傷を負っていた筈、魔物の残党の傷を癒して、逆に活性化させている。

「あらあら、せっかくミサイル群の雨を降らせたのに、もう復活しちゃったぁ~…………」

 呑気にそう言って、ローブに付いた砂埃を払う女性に、苛立たしげに魔王が呟いた。

『相も変わらず、ふざけた奴だ…………』

「それが私の性格なものでぇ~…………。

 というか、私の事、覚えててくれたんですかぁ~?

 わあ~い!!

 ライハ嬉しいなあ~!!」

 ぶちっと、青筋を立てた魔王は再び大剣を振り下ろした。

「きゃあああ~…………!! ライハ怖いぃ~…………!!」

 明らかな、棒読みなセリフに、流石の魔王も堪忍袋の尾が切れた。

『魔物達よ!! その下等生物の屍を我の前に捧げよ!!』

『ガルルルルルルっ!!!! ガウっ!!!』

「きゃあああああ~っ!! 

 食べられちゃうよぉ~!!」

 そう言いつつも、ローブの袖から出した隠し銃で発泡し、撃退する女性。

 もう分かっていると思いますが、彼女はあのライハです。

 で、カードデバイスを使用した際の代償である女性姿に変身しています。

 まあ、正確には、ようになったが正しいか…………。

「怖いよぉ~…………!! お母様ぁ~!!」

 ひらりと魔物の群れを翻弄し、ローブの内から次々とマシンガン、バズーカ、対戦車ライフルと、まるで何処ぞの未来ポケットのように取り出して、蹂躙するライハ。

 それはまるで舞い踊っているかのように、可憐で、美しく…………。

 それを眺めている魔王はというと…………。

『馬鹿な…………』

 信じられない物でも、見ているかのようにたじろいでいた。

 そして、数分もしない内に、魔物は全滅していて…………。

「あれれぇ~……? 

 もう終わっちゃったぁ~。

 まあいいかなぁ~…………。

 まだ、メインディッシュが残ってるしっ!!」

『ひっ!!!』

 魔王らしからぬ、悲鳴を上げた魔王は一歩後ずさる。

「リリース!」

 そして、ライハはローブの懐からカードデバイスを取り出して、展開する。

 ライハの姿が輝き出す。

 光が止み、魔王の視界に映ったものは…………。

 あの日、自らの命を奪った悪魔そのもので--------

「第二ラウンドといきましょうかぁ~!!」

 無慈悲な死刑宣告が魔王に告げられた。
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