最下級冒険者は英雄である事をひた隠す 〜生産スキルで、メカチート生産?〜

水先 冬菜

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プロローグ

厄介事

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「終わったかな…………?」

 俺は誰もいない事を確認して、武装を解除する。

 服も、武装も、淡い粒子となって、元の服装に戻る。

 そして、その粒子はカード状の形に集束し、俺の手に収まった。

 カードデバイス《ヴァルキリー》

 二年前、俺が魔王を倒す際に使用した《創造》の生産スキルで作った初めての作品。

 前世の記憶とスキルを組み合わせたチート武装。

 こっちだと、魔道具になるのか……?

 まあ、この武装は《創造》のスキルをより強化させて使う事が出来ると同時に、俺が作った作品を無限に収納する保管庫でもある。

 展開すれば、我が身を纏う屈強なパワードスーツとなり、好きなだけ、武器を亜空間から取り出せる優れ物だ。

 代償として、男から女の身体に変わってしまうが…………。

 ファンタジー世界なのに、SFとか…………。

 世界観が崩壊してんなぁ~!

 まあ、壊したの俺だけど…………。

 とりあえず、しばらくは使わないでおくとしよう。

 そう思っていたら--------

------------------------------------------

 何故、こうなった……?

 魔物の大群が勇者一向と冒険者達の活躍によって、退かれたのは今、この辺境の町での共通の話題となっている。

 それは理解している。

 だが、何故、その勇者がギルドマスターを通じて俺を呼び出すのか?

 もしかしなくても、俺の事がバレた?

 いや、そんなヘマをした覚えもないしな…………。

 そもそも、体は女だったし…………。

 一体、何のようだ……?

「初めまして、私、スメワール王国で勇者をしているエメラルダと申します」

 ギルドの奥の部屋に通されると、あの勇者が礼儀正しく自己紹介をして来た。

「どうも、ライハです」

 とりあえず、返事をしておいたが…………。

 一体、何の様だろうか……?

「単刀直入に申し上げます。ライハさん。私達のパーティーに入っては頂けませんか……?」

「……………………は……?」

 何かと思えば、まさかの勇者パーティーへの勧誘だった。

 
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