白雪の巫女〜朝起きたら女になってて、指名手配されてました〜

水先 冬菜

文字の大きさ
上 下
3 / 27
第1章 初雪〜ハツユキ〜

START-3

しおりを挟む
 どうして、こうなった……。 


 俺は姿見に映った自分の姿に戸惑いを隠せない。

 だって、そうだろ……?

 この世に生を受けて早15年--------今まで男として生きてきた自分が朝目覚めたら女の子になってました……なんて、すぐに受け入れられる訳がない。

 というか、そもそもなんで女になってるんだ!?

 そんな状況も心の整理もままならないまま、事態は最悪の状況へと転がり込んだ。


『ただいま、新しい情報が入りました』

 テレビの女性アナウンサーの声に俺は視線をテレビを映すと、俺は顔は真っ青になった。

 なぜなら、テレビの液晶画面には今姿見に映っている女の姿の俺がドラゴンを倒している最中の写真がデカデカと登場したからだ。

 女性アナウンサーの話によると、この少女が昨夜のドラゴンを全滅させたらしく、アルベール王国の王宮から戦闘能力の高さ、王国内での危険武器の使用、器物破損などの罪状を含めて、高額な懸賞金を出し、指名手配をするというものだった。
 
 今現在、王国中の騎士部隊が周辺をパトロールしているとの事。

 嫌な予感しかしない……。



➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


 数時間後--------

 俺はすぐさま行動に移ることにした。

 
 とりあえず、ベランダからこっそり外の様子を伺ってみたが、もう近くまで騎士の手が迫ってきていた。

 それに、俺が住んでいるのは3階建ての男子学生寮なのだが、3階中央の俺の部屋から見ただけでも、周りの部屋の連中も見つけ出す気満々な上に、連れ帰ってイタズラしてぇ的ななんか危ない感じの発言すら聞こえてきた。

 今日は特に学園の方も春休み期間中のため、寮に人がいてもおかしくはない。

 見つかる危険性、通報される危険性、拉致される危険性など諸々もろもろの事を考えて、気づかれないようにこっそりと寮を抜け出してきた。

 もちろん、サングラスやら、パーカーのフードを深く被るなどで顔を隠して、だ。

 今は出来るだけ人通りの少ないルートよりも多い商店街などのルートでぶらついている。

 何故かというと、端的に言えば、人通りの多い方がバレにくいと思ったからだ。

 木の葉を隠すなら森に隠せという言葉がある。

 なら、人を隠すなら人混みの中だ。

 これだけ人がいれば騎士達も俺を見つけにくいし、最悪人混みを利用して逃げれる事も考えているが……。

 まぁ、俺がヘマをしなければ問題はないだろう。

 とりあえず、何処かで朝飯でも取って、どうにかしてこの状況を打開しないとな。

 --------!!

 ん? 今何か聞こえたような----というか、なんか後ろの方が騒がしい。

「……はぁぁ……」

 振り返った瞬間、俺は大きなため息とともに激しく後悔した。

 どうやら、今日という今日は俺に平和な時は訪れないらしい。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。

アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。 両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。 両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。 テッドには、妹が3人いる。 両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。 このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。 そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。 その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。 両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。 両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…   両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが… 母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。 今日も依頼をこなして、家に帰るんだ! この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。 お楽しみくださいね! HOTランキング20位になりました。 皆さん、有り難う御座います。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~

名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……

karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。

処理中です...