52 / 54
第三章 願いの終焉
未知の魔物
しおりを挟む
「何じゃあ、これは…………」
それは唐突だった。
剣聖の雅彦さんから緊急出動命令が入ってから、現場に到着してみると--------
報告通り、見た事もない魔物が次々と村人を攫っていた。
とりあえず、神器を起動して、すぐ様キリエの姿へと変身する。
「一美!」
「全隊、攻撃開始!!」
俺はそのまま、神器の魔法を使って、部隊の全員の目の前に、マシンガン、ライフル、バズーカなどの銃火器系の武器を瞬時生成して、皆がそれを受け取ると…………。
一美の指示の元、攻撃を始める。
短期間とはいえ、ある程度、彼らにはそういった武器の訓練をさせておいて正解だった。
見る見る内に、魔物は撃ち落とされる。
俺はと言うと、魔物に捕まっていた人達が落下して来るのを、魔法で怪我をさせる事もなく、次々と地面に下ろして、村を駆け回る。
途中、何体か、俺の方に向かって来たが、攻撃を避けつつ、銃火器を生成して、撃ち落とす。
そうしている内に、自分達の振りに気付いたのか、魔物達が退き始めた。
「まずいな…………」
まだ、何人か、村人を連れ去っている。
ここで、あの魔物達を逃す訳にはいかない。
「逃がさない!」
俺は再び、魔法を発動。
ライフルを創り出そうとして--------
「っ!?」
殺気を感じ取り、慌てて、盾を創り出して、左側の森の茂みの中から放たれた攻撃を防ぐ。
これは…………!?
「くっ…………!!」
放たれた何かは物凄い勢いで放出をし続け、押し切られた俺はそのまま後ろに吹き飛ばされ、屋根の上から落ちてしまう。
「くそっ…………!!」
何とか、受け身を取って、着地したが、時既に遅く…………。
思わず、悔しさのあまり、拳を地面に叩き付ける俺。
先程の攻撃に時間を取ってしまい、魔物達を取り逃してしまった。
空を見上げると、もう奴らの姿が点にしか見えない。
「誠!」
声がする方向に顔を向けると、一美がこちらの方へと走ってくるのが見える。
「大丈夫!?」
「えぇ、私は大丈夫よ。それよりも、状況は……?」
俺は気持ちを切り替えて、一美に向き直って、立ち上がると、一美に問い掛ける。
「こっちは誠の魔法のおかげで、損耗は軽微。
負傷した者も、それなりにはいるけど、命に関わるような者はないわ。
それよりも、随分とずぶ濡れみたいだけど、誠こそどうしたの……?」
「えぇ、ちょっと、色々あってね…………」
俺は先程の出来事を一美に話した。
魔物を追撃しようとして、何者からの攻撃を受けた事。
明らかな、殺意を持って放たれた事。
そして、その放たれたものが、十中八九、神器による魔法攻撃である事も…………。
それを聞いて、一美の顔が険しいものに変わった。
恐らく、一美が考えている事は、俺と同じであろう。
まだ予測の範囲内だが、恐らく間違いない。
あの魔物は、あのテロ集団『マホロバ』が関わっている可能性がある。
だが、とりあえず、今は被害を受けた村の方に意識を向けるべきだ。
見るだけでも、かなりの被害が出ている。
怪我人も相当数いる筈だ。
医療キットも心許ない筈…………。
王宮の方にも、連絡を入れないといけない。
今は考えるよりも動く時--------
「先に村人達の治療を優先しつつ、王宮の方に支援要請、ね……?」
「ふっ…………」
流石は一美、俺の考えを読んでくれるか。
こういう時はすごく助かる。
「なら、とりあえず、今はやれる事をやりましょうか……?」
「了解!」
俺達は互いに頷き合うと、すぐ様行動に移した。
これが、最悪の始まりだったなど、知らず…………。
それは唐突だった。
剣聖の雅彦さんから緊急出動命令が入ってから、現場に到着してみると--------
報告通り、見た事もない魔物が次々と村人を攫っていた。
とりあえず、神器を起動して、すぐ様キリエの姿へと変身する。
「一美!」
「全隊、攻撃開始!!」
俺はそのまま、神器の魔法を使って、部隊の全員の目の前に、マシンガン、ライフル、バズーカなどの銃火器系の武器を瞬時生成して、皆がそれを受け取ると…………。
一美の指示の元、攻撃を始める。
短期間とはいえ、ある程度、彼らにはそういった武器の訓練をさせておいて正解だった。
見る見る内に、魔物は撃ち落とされる。
俺はと言うと、魔物に捕まっていた人達が落下して来るのを、魔法で怪我をさせる事もなく、次々と地面に下ろして、村を駆け回る。
途中、何体か、俺の方に向かって来たが、攻撃を避けつつ、銃火器を生成して、撃ち落とす。
そうしている内に、自分達の振りに気付いたのか、魔物達が退き始めた。
「まずいな…………」
まだ、何人か、村人を連れ去っている。
ここで、あの魔物達を逃す訳にはいかない。
「逃がさない!」
俺は再び、魔法を発動。
ライフルを創り出そうとして--------
「っ!?」
殺気を感じ取り、慌てて、盾を創り出して、左側の森の茂みの中から放たれた攻撃を防ぐ。
これは…………!?
「くっ…………!!」
放たれた何かは物凄い勢いで放出をし続け、押し切られた俺はそのまま後ろに吹き飛ばされ、屋根の上から落ちてしまう。
「くそっ…………!!」
何とか、受け身を取って、着地したが、時既に遅く…………。
思わず、悔しさのあまり、拳を地面に叩き付ける俺。
先程の攻撃に時間を取ってしまい、魔物達を取り逃してしまった。
空を見上げると、もう奴らの姿が点にしか見えない。
「誠!」
声がする方向に顔を向けると、一美がこちらの方へと走ってくるのが見える。
「大丈夫!?」
「えぇ、私は大丈夫よ。それよりも、状況は……?」
俺は気持ちを切り替えて、一美に向き直って、立ち上がると、一美に問い掛ける。
「こっちは誠の魔法のおかげで、損耗は軽微。
負傷した者も、それなりにはいるけど、命に関わるような者はないわ。
それよりも、随分とずぶ濡れみたいだけど、誠こそどうしたの……?」
「えぇ、ちょっと、色々あってね…………」
俺は先程の出来事を一美に話した。
魔物を追撃しようとして、何者からの攻撃を受けた事。
明らかな、殺意を持って放たれた事。
そして、その放たれたものが、十中八九、神器による魔法攻撃である事も…………。
それを聞いて、一美の顔が険しいものに変わった。
恐らく、一美が考えている事は、俺と同じであろう。
まだ予測の範囲内だが、恐らく間違いない。
あの魔物は、あのテロ集団『マホロバ』が関わっている可能性がある。
だが、とりあえず、今は被害を受けた村の方に意識を向けるべきだ。
見るだけでも、かなりの被害が出ている。
怪我人も相当数いる筈だ。
医療キットも心許ない筈…………。
王宮の方にも、連絡を入れないといけない。
今は考えるよりも動く時--------
「先に村人達の治療を優先しつつ、王宮の方に支援要請、ね……?」
「ふっ…………」
流石は一美、俺の考えを読んでくれるか。
こういう時はすごく助かる。
「なら、とりあえず、今はやれる事をやりましょうか……?」
「了解!」
俺達は互いに頷き合うと、すぐ様行動に移した。
これが、最悪の始まりだったなど、知らず…………。
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
亡霊剣士の肉体強奪リベンジ!~倒した敵の身体を乗っ取って、最強へと到る物語。
円城寺正市
ファンタジー
勇者が行方不明になって数年。
魔物が勢力圏を拡大し、滅亡の危機に瀕する国、ソルブルグ王国。
洞窟の中で目覚めた主人公は、自分が亡霊になっていることに気が付いた。
身動きもとれず、記憶も無い。
ある日、身動きできない彼の前に、ゴブリンの群れに追いかけられてエルフの少女が転がり込んできた。
亡霊を見つけたエルフの少女ミーシャは、死体に乗り移る方法を教え、身体を得た彼は、圧倒的な剣技を披露して、ゴブリンの群れを撃退した。
そして、「旅の目的は言えない」というミーシャに同行することになった亡霊は、次々に倒した敵の身体に乗り換えながら、復讐すべき相手へと辿り着く。
※この作品は「小説家になろう」からの転載です。
いい子ちゃんなんて嫌いだわ
F.conoe
ファンタジー
異世界召喚され、聖女として厚遇されたが
聖女じゃなかったと手のひら返しをされた。
おまけだと思われていたあの子が聖女だという。いい子で優しい聖女さま。
どうしてあなたは、もっと早く名乗らなかったの。
それが優しさだと思ったの?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる