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第二章 規格外の魔導書
抑止力
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「う~ん、終わった終わった」
「ふふっ…………♪♪」
俺が雅彦さんとの話を終えて、執務室から出ると、一美が嬉しそうに俺の腕に抱き付いて来た。
まあ、好きな人と結婚出来るんだから、嬉しいのは分かるがな…………。
俺は照れ臭そうに、そっぽを向いて、頬を掻いた。
「ま~こ~と~…………♡」
「嬉しいのは分かったから、少し落ち着け」
「ぅぅっ…………意地悪…………」
何か、目がハートになってたから、思わずチョップをかましてみたが…………。
そうやって、涙目でしょんぼりされると罪悪感があるな…………。
かなり…………。
あれ? 俺、いつからこんなに弱くなったんだ?
色々と自覚すると、何とも気恥ずかしいもんだな…………。
とりあえず--------
「まだまだやる事があるんだ。
だから、お楽しみはそれを全部片付けた時に、な……?」
「…………うん…………♡」
あぁ、一美もうダメだな…………。
かく言う俺も、頭が吹っ飛びそうだ。
だが、それを抑えても、やらなければいけない事がある。
その為には、まずあれをしておかないとな…………。
------------------------------------------
王宮を後にした後--------
俺は一美を連れ、一時寮に戻った。
目的は俺の神器の発動条件をより定める為だ。
俺が神器に細工した発動条件は《剣聖と縁を結び、誓約者を定める事》--------
要する剣聖の家に嫁いで、監視下におき、その家の者から、魔法の発動を管理する監視者--------ストッパーを決めろ、という事だ。
今回で言えば、雅彦さんの実家である神童家に俺が嫁いで、一美が俺の良きブレーキ役って感じだ。
こうする事によって、俺は権威の高い剣聖の傘下に入る事となり、権力者からは中々手が出せなくなる。
その上、《禊》と呼ばれる
『誓約者に対して、何らかの対価を支払わない』
と魔法が使えなくなる"呪い"が神器自体に掛かった事により------------
俺の力に抑止力が生まれ、神器の危険性が著しく下がって、悪用される危険性も減る。
まあ、手に負えない狂犬に首輪を付けるって事だ。
その為、誓約者として、ストッパーになる一美とは、どのような誓約で、どの程度の魔法を使って良いのか、神器にある魔法を調べながら、彼女と話し合う必要がある。
幸い、彼女が『マホロバ』の連中に狙われた事もあり、国境へ向かう班には同行する必要もなくなった。
なら、彼女にはしばらく俺の部屋に通って貰う必要がある訳だが…………。
次の日--------
お義父さんから連絡があった。
何でも、王宮の近くに空き家になった別荘があるらしく、そこへ二人で住むようにとの事だ。
既に俺の事は王宮には話しているらしく、すぐに入居出来る様、色々と手配をしてくれたみたいだった。
まあ、俺の力を考えれば、王宮としては出来るだけ近くに置いておきたいと思うし、当然の処置だろう。
俺はそれを快く引き受けると、二人してそちらに引っ越した。
それから、極秘裏ではあるが、俺が剣聖直轄の独立部隊に配属となると同時に、神童家に籍を入れて…………晴れて俺は一美と結婚した。
表向きは、一美とは婚約者のまま、神器使いの保護を目的とした居住施設のテストモデルとして、この別荘に住む事になる。
まあ、一美がいれば、俺はどこでも良いんだが…………。
それはさておいて、《禊》の内容を定めるとしよう。
「ふふっ…………♪♪」
俺が雅彦さんとの話を終えて、執務室から出ると、一美が嬉しそうに俺の腕に抱き付いて来た。
まあ、好きな人と結婚出来るんだから、嬉しいのは分かるがな…………。
俺は照れ臭そうに、そっぽを向いて、頬を掻いた。
「ま~こ~と~…………♡」
「嬉しいのは分かったから、少し落ち着け」
「ぅぅっ…………意地悪…………」
何か、目がハートになってたから、思わずチョップをかましてみたが…………。
そうやって、涙目でしょんぼりされると罪悪感があるな…………。
かなり…………。
あれ? 俺、いつからこんなに弱くなったんだ?
色々と自覚すると、何とも気恥ずかしいもんだな…………。
とりあえず--------
「まだまだやる事があるんだ。
だから、お楽しみはそれを全部片付けた時に、な……?」
「…………うん…………♡」
あぁ、一美もうダメだな…………。
かく言う俺も、頭が吹っ飛びそうだ。
だが、それを抑えても、やらなければいけない事がある。
その為には、まずあれをしておかないとな…………。
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王宮を後にした後--------
俺は一美を連れ、一時寮に戻った。
目的は俺の神器の発動条件をより定める為だ。
俺が神器に細工した発動条件は《剣聖と縁を結び、誓約者を定める事》--------
要する剣聖の家に嫁いで、監視下におき、その家の者から、魔法の発動を管理する監視者--------ストッパーを決めろ、という事だ。
今回で言えば、雅彦さんの実家である神童家に俺が嫁いで、一美が俺の良きブレーキ役って感じだ。
こうする事によって、俺は権威の高い剣聖の傘下に入る事となり、権力者からは中々手が出せなくなる。
その上、《禊》と呼ばれる
『誓約者に対して、何らかの対価を支払わない』
と魔法が使えなくなる"呪い"が神器自体に掛かった事により------------
俺の力に抑止力が生まれ、神器の危険性が著しく下がって、悪用される危険性も減る。
まあ、手に負えない狂犬に首輪を付けるって事だ。
その為、誓約者として、ストッパーになる一美とは、どのような誓約で、どの程度の魔法を使って良いのか、神器にある魔法を調べながら、彼女と話し合う必要がある。
幸い、彼女が『マホロバ』の連中に狙われた事もあり、国境へ向かう班には同行する必要もなくなった。
なら、彼女にはしばらく俺の部屋に通って貰う必要がある訳だが…………。
次の日--------
お義父さんから連絡があった。
何でも、王宮の近くに空き家になった別荘があるらしく、そこへ二人で住むようにとの事だ。
既に俺の事は王宮には話しているらしく、すぐに入居出来る様、色々と手配をしてくれたみたいだった。
まあ、俺の力を考えれば、王宮としては出来るだけ近くに置いておきたいと思うし、当然の処置だろう。
俺はそれを快く引き受けると、二人してそちらに引っ越した。
それから、極秘裏ではあるが、俺が剣聖直轄の独立部隊に配属となると同時に、神童家に籍を入れて…………晴れて俺は一美と結婚した。
表向きは、一美とは婚約者のまま、神器使いの保護を目的とした居住施設のテストモデルとして、この別荘に住む事になる。
まあ、一美がいれば、俺はどこでも良いんだが…………。
それはさておいて、《禊》の内容を定めるとしよう。
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