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第二章 規格外の魔導書
闘技場で
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梓を出た俺は何故かあの後、王宮内のとある施設に連れて来られた。
その名も《闘技場》
その名の通り、ここは戦う場所だ。
主に騎士団の訓練などで用いられているらしい。
一美がそう説明して来た。
そして、何故、俺がここにいるかと言うと…………。
「さあ、始めようか! 死ぬ気でかかって来い!!」
戦わされる為である。
何でも、俺の持ってたあの指輪が神器らしく、その性能を見るのだとか……?
正直、信じられないし、乗り気じゃない。
っていうか、一美と違って俺、戦えないしなぁ~…………。
どうするか…………。
一応、客席で騎士団の上司らしき人物の隣で見物している一美は助ける気は無さそうだ。
「何だあ!? そのやる気のない顔は!? 来ないならこっちから行くぞ!!」
血の気の多い奴だな…………。
一応、一美と同じ第一騎士団のメンバーらしいけど、こんなのが騎士でほんとに大丈夫か……?
とりあえず、適当に手でも抜いて--------
「うらああああっ!!!」
--------って、おい!?
「危ねえな!!?」
今、瞬きした瞬間、目の前に手甲を纏った拳があった。
まず、間違いなく、避けなかったら跡形もなく顔が吹き飛ぶレベルの威力は絶対にあった。
いきなり、何すんだこの男!?
このチンピラ!!
ほんとに騎士か!?
「まだまだあああっ!!」
「容赦ねえっ!?」
俺は拳が振るわれる度、回避の連続の繰り返し…………。
そして、俺がいた場所はもれなく粉砕されて、大きなクレーターが…………って--------
「それ神器じゃねえのかっ!?」
「そうだっ!!! だから、てめえも、さっさと神器を出さねえと殺すぞ!!!」
「くっ!!!」
何て奴だ!!
お前に良心はねえのかよっ!?
「そんなもんはねえなっ!!」
何故、俺の心が読めるし…………!!
「顔に出過ぎだ!! 確かに、あの尻軽女の言う通りだな!! てめえは分かり易過ぎる!!! 戦い方も、考えもなっ!!!」
「……………………は……?」
それは悪かったな…………。
ところで今こいつ…………何て言った?
「んだ、こいつ……? 急に雰囲気が変わって--------」
「おい、お前…………。今、何つった……?」
俺はドスの効いた口調で、こいつに問い掛ける。
自然と笑みも黒いものになっていき、それに気付いた男は若干、顔が引きつっている。
「尻軽女…………って、まさかとは思うが、一美の事か……?」
「だったら……?」
「決まってんだろう?」
俺は嘲笑うように笑っている奴の前へと一気に距離を詰めて…………。
その鼻っぷしをぶん殴ってやった。
おまけで、左手に魔力を溜め込んで--------
「ぶち殺す一択だ! 絶炎!!」
ムカついたから、とりあえず、燃やそう!!
臭いものには火を…………。
何てね…………?
「やるじゃねえか!?」
「っ!?」
闘技場を埋め尽くさんと放たれた俺の炎の中から、野生の獣のような獰猛な笑みを浮かべた奴が両手の手甲をぶつけ合わせて…………。
その拳圧のみで、炎を吹き飛ばした。
神器って時点で、当たり前に化け物じみてる。
「絶炎!!」
だが、そんなの関係なしにかなり頭に血が昇っている俺は、まるで予測していたかのように、再び高威力の炎を放った。
「お、おい!! 何だよこりゃあ!?」
心なしか、先程までより威力が上がっていた。
その所為か、奴は再び炎に呑まれていき--------
そこで、俺の意識は、ぷつりと途絶えた。
その名も《闘技場》
その名の通り、ここは戦う場所だ。
主に騎士団の訓練などで用いられているらしい。
一美がそう説明して来た。
そして、何故、俺がここにいるかと言うと…………。
「さあ、始めようか! 死ぬ気でかかって来い!!」
戦わされる為である。
何でも、俺の持ってたあの指輪が神器らしく、その性能を見るのだとか……?
正直、信じられないし、乗り気じゃない。
っていうか、一美と違って俺、戦えないしなぁ~…………。
どうするか…………。
一応、客席で騎士団の上司らしき人物の隣で見物している一美は助ける気は無さそうだ。
「何だあ!? そのやる気のない顔は!? 来ないならこっちから行くぞ!!」
血の気の多い奴だな…………。
一応、一美と同じ第一騎士団のメンバーらしいけど、こんなのが騎士でほんとに大丈夫か……?
とりあえず、適当に手でも抜いて--------
「うらああああっ!!!」
--------って、おい!?
「危ねえな!!?」
今、瞬きした瞬間、目の前に手甲を纏った拳があった。
まず、間違いなく、避けなかったら跡形もなく顔が吹き飛ぶレベルの威力は絶対にあった。
いきなり、何すんだこの男!?
このチンピラ!!
ほんとに騎士か!?
「まだまだあああっ!!」
「容赦ねえっ!?」
俺は拳が振るわれる度、回避の連続の繰り返し…………。
そして、俺がいた場所はもれなく粉砕されて、大きなクレーターが…………って--------
「それ神器じゃねえのかっ!?」
「そうだっ!!! だから、てめえも、さっさと神器を出さねえと殺すぞ!!!」
「くっ!!!」
何て奴だ!!
お前に良心はねえのかよっ!?
「そんなもんはねえなっ!!」
何故、俺の心が読めるし…………!!
「顔に出過ぎだ!! 確かに、あの尻軽女の言う通りだな!! てめえは分かり易過ぎる!!! 戦い方も、考えもなっ!!!」
「……………………は……?」
それは悪かったな…………。
ところで今こいつ…………何て言った?
「んだ、こいつ……? 急に雰囲気が変わって--------」
「おい、お前…………。今、何つった……?」
俺はドスの効いた口調で、こいつに問い掛ける。
自然と笑みも黒いものになっていき、それに気付いた男は若干、顔が引きつっている。
「尻軽女…………って、まさかとは思うが、一美の事か……?」
「だったら……?」
「決まってんだろう?」
俺は嘲笑うように笑っている奴の前へと一気に距離を詰めて…………。
その鼻っぷしをぶん殴ってやった。
おまけで、左手に魔力を溜め込んで--------
「ぶち殺す一択だ! 絶炎!!」
ムカついたから、とりあえず、燃やそう!!
臭いものには火を…………。
何てね…………?
「やるじゃねえか!?」
「っ!?」
闘技場を埋め尽くさんと放たれた俺の炎の中から、野生の獣のような獰猛な笑みを浮かべた奴が両手の手甲をぶつけ合わせて…………。
その拳圧のみで、炎を吹き飛ばした。
神器って時点で、当たり前に化け物じみてる。
「絶炎!!」
だが、そんなの関係なしにかなり頭に血が昇っている俺は、まるで予測していたかのように、再び高威力の炎を放った。
「お、おい!! 何だよこりゃあ!?」
心なしか、先程までより威力が上がっていた。
その所為か、奴は再び炎に呑まれていき--------
そこで、俺の意識は、ぷつりと途絶えた。
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