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記憶を失って…………
謎の少女
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「やっと…………終わった…………」
学園長室を後にした後、私は未来さんに連れられて、私がこれから住む事になる寮の自室へと到着した。
到着して早々、私は室内へと入って、ふかふかのベットの上に飛び込んだ。
未来さんの話だと、今日は学園長の挨拶だけで、明日は美冬さんと一緒に学園の中を周る事になっている。
私は寝転がり、天上へと視線を向けた。
キッチンも、浴室も完備された、記憶の無い私には、ちょっと贅沢過ぎる室内。
これから、ここが私の住む場所になる。
色々と不安もあるが…………。
それでも、ここから始めて行こう。
そう思って目を閉じた瞬間------------
『漸く、二人きりになりましたね』
突然、耳に届いた声。
目を開くと、そこには私の顔を覗き込む少女の姿が…………。
『静かにしてください』
驚きのあまり叫ぼうとした私の口をその少女の手が黙らせる。
『これから、私の言う事をよく聞いてください。
分かりましたね』
何とも言えない彼女の迫力に押され、黙って頷く私に、少女は姿勢を正すように指示する。
「あ、あの…………。
あなたは……?」
私は起き上がると、私の目の前で宙に浮かぶ少女を見据えて問い掛ける。
よく見ると、少女の身体はまるで、幽霊のように透けている。
『やはり、そこの部分も忘れてしまっているんですね。
ほんと、世話の焼ける方です』
少女は落胆したように、ため息混じりに肩を落とす。
そして、顔を上げて、鋭く私を睨み付けて、こう答えた。
『私はあなたが何者であるかを知っている者です』
学園長室を後にした後、私は未来さんに連れられて、私がこれから住む事になる寮の自室へと到着した。
到着して早々、私は室内へと入って、ふかふかのベットの上に飛び込んだ。
未来さんの話だと、今日は学園長の挨拶だけで、明日は美冬さんと一緒に学園の中を周る事になっている。
私は寝転がり、天上へと視線を向けた。
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これから、ここが私の住む場所になる。
色々と不安もあるが…………。
それでも、ここから始めて行こう。
そう思って目を閉じた瞬間------------
『漸く、二人きりになりましたね』
突然、耳に届いた声。
目を開くと、そこには私の顔を覗き込む少女の姿が…………。
『静かにしてください』
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『これから、私の言う事をよく聞いてください。
分かりましたね』
何とも言えない彼女の迫力に押され、黙って頷く私に、少女は姿勢を正すように指示する。
「あ、あの…………。
あなたは……?」
私は起き上がると、私の目の前で宙に浮かぶ少女を見据えて問い掛ける。
よく見ると、少女の身体はまるで、幽霊のように透けている。
『やはり、そこの部分も忘れてしまっているんですね。
ほんと、世話の焼ける方です』
少女は落胆したように、ため息混じりに肩を落とす。
そして、顔を上げて、鋭く私を睨み付けて、こう答えた。
『私はあなたが何者であるかを知っている者です』
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