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記憶を失って…………
学園長
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「ようこそ、いらっしゃいました。
小百合さん。
私達はあなたを歓迎致しますね」
私は未来さんに連れられ、学園長室を訪れると、呆然と立ち尽くした。
(あれ……?
私の目がおかしくなっちゃったのかな……?)
何度も、目を擦って確かめるが、目の前の如何にも、高そうな椅子へと腰掛けているのは、小学生くらいの小さな女の子だった。
未来さんの方へ視線を移すと…………。
「彼女がこの学園の学園長。
白谷ボタンさんよ」
明らかに困惑している私に、困ったような顔で、そう告げて来る未来さん。
どうやら、この人が、学園長その人であるらしい。
「どうかしましたか……?」
「い、いえ、何でもありません。
さ、小百合と申します。
これから、よろしくお願い致します!」
にこやかな笑顔から放たれる途方もない迫力に、悪寒が突き抜ける。
私は背筋を伸ばして、学園長に向けて、自己紹介をすると共に頭を下げた。
この人に逆らっちゃいけない。
それを本能的に察して…………。
「はい。
よろしくお願いしますね…………」
あの…………目が笑ってないんですけど…………。
怖過ぎるですけど…………!?
「学園長。
あまり彼女をいじめないであげてください」
「ふふっ…………。
申し訳ありません。
あまりに反応が良いもので、少し遊びたくなりました」
あぁ、この人って…………。
もしかしなくても、ドSって奴ですか……?
「ふふっ…………♪
これから、楽しくなりそうですね…………」
恍惚に頬を赤く染める学園長を見て、思わず、不安で一杯になる私であった。
小百合さん。
私達はあなたを歓迎致しますね」
私は未来さんに連れられ、学園長室を訪れると、呆然と立ち尽くした。
(あれ……?
私の目がおかしくなっちゃったのかな……?)
何度も、目を擦って確かめるが、目の前の如何にも、高そうな椅子へと腰掛けているのは、小学生くらいの小さな女の子だった。
未来さんの方へ視線を移すと…………。
「彼女がこの学園の学園長。
白谷ボタンさんよ」
明らかに困惑している私に、困ったような顔で、そう告げて来る未来さん。
どうやら、この人が、学園長その人であるらしい。
「どうかしましたか……?」
「い、いえ、何でもありません。
さ、小百合と申します。
これから、よろしくお願い致します!」
にこやかな笑顔から放たれる途方もない迫力に、悪寒が突き抜ける。
私は背筋を伸ばして、学園長に向けて、自己紹介をすると共に頭を下げた。
この人に逆らっちゃいけない。
それを本能的に察して…………。
「はい。
よろしくお願いしますね…………」
あの…………目が笑ってないんですけど…………。
怖過ぎるですけど…………!?
「学園長。
あまり彼女をいじめないであげてください」
「ふふっ…………。
申し訳ありません。
あまりに反応が良いもので、少し遊びたくなりました」
あぁ、この人って…………。
もしかしなくても、ドSって奴ですか……?
「ふふっ…………♪
これから、楽しくなりそうですね…………」
恍惚に頬を赤く染める学園長を見て、思わず、不安で一杯になる私であった。
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