スキル、弾丸生産? 〜メカチートな落第騎士は、最強である事をひた隠す〜

水先 冬菜

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生まれ変わって…………

生まれ変わって…………

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「一体…………何が…………?」

 記憶を思い返しながら、起き上がって、すぐに違和感に気付いた。

 無性に胸の辺りが重い…………。

 というか、が着ていた制服が妙にパツパツだ。


「…………え……?」


 恐る恐る視線を下へ移すと、胸の辺りに豊かな膨らみが…………。


「え……?


 ええーっ!?


 何なのこれっ!!!


 あれ?

 っていうか、声が…………!?」


 見るからに動揺する私は、ふと視線の端に水たまりらしきところが目に入り、近付いて行く。


 そして、ゆっくりと水たまりを覗き込む。


 そこには、見知らぬの姿が映っていた。

 髪は雪のように白く、長髪。

 瞳は水のように透き通った宝石のように青かった。


 顔に触れ、身体に触れ、夢かと思い、頬を引っ張ってみるが…………。


 痛いだけ…………。


 どうやら、夢ではないらしい。


 頬をさすりながら、知恵の足りない頭で考えてみるが、答えが一向に出る訳がない。


 そもそも、何で、こんな事になっているのか頭を悩ませていると…………。


『…………ます……………………』

「ん……?」

『聞こえますか……?』

「……………………」


 んん……?


 何か、頭の中に声が響いている。


『私はこちらです。

 こちらへ向かって来てください』


「……………………」


 これは罠か、何かか……?


 さっき騙されたばかりだし、はてさて、どうしたもんか…………。


『お願いです。

 私の所まで来てください』

 懇願するように、再度、私に呼びかける謎の声。

 しばらく、悩んだ末、やる事もない事から、渋々声の指示に、私は従う事にした。


 何故か、声のする方が分かるし…………。


 しばし、歩くと……………………目的地らしき場所へと到達した。


 視線の先には、何かを守るように、幾重にも重なった数メートルにもなる木々が生い茂り、球状に丸まっていた。


 その球状の木々が、私が近付くに連れ、解けていき…………。


 最後に、目と鼻の先へと辿り着いた頃には、木の球状の中にあったものが姿を現した。


「これは…………祭壇……?」


 視線の先には、何百----------------否、何万ともなる程の古びた祭壇らしきものがある。

 壁面には、古代文字らしき、文字の羅列が描かれており。


 その中央辺りに、まるで、奉納されていたかのような"鉄の塊"が置かれていて------------


『この時を待ちわびました…………』

「っ!?」


 その鉄の塊が急に光を放ち始めた。
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