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生まれ変わって…………
才能なき兄の末路
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『防人』
それは数百年前に突如として、現れた異世界からの侵略者《エーテル》に対抗出来る人類の唯一の希望。
物語でいえば、魔王を倒す『勇者』のようなものだ。
その『防人』に憧れて、日々、努力を積み重ねて来た俺『カズハ・ミツルギ』は、双子の弟である『ユキハ』と、その幼なじみである少女『美冬』達と共に、親の反対を押し切って、『防人適正試験』を受けた。
その結果は『防人』としての才能は皆無と診断された俺のみが、試験落ちし、二人は無事『防人』として、学園に入学。
俺は泣く泣く、『防人』を補佐する『サポート科』に入った。
長年、『防人』になる事を夢見て、努力し続けた俺は才能がない。
ただ、それだけの理由で落ちた事がショックで、しばらく立ち直れなかった。
入学して早々に、その才能を開花させ、『防人』として、次々と功績を重ねていく二人に対して、嫉妬の念を抱くのは早くて…………。
次第に、俺は二人を避けるようにして、距離を置くようになっていた。
そんな時、彼女は現れた。
自分の事を『ディスピア』と名乗った彼女は言葉巧みに『防人』になれる方法があると教えてくれた。
普段なら怪しんで、首を振るところなのだが…………。
二人に嫉妬して、精神的にもやつれていた俺には正常な判断が出来ず、彼女の言葉を信じて切ってしまった。
彼女に連れられ、学園の外れにある洞窟へと向かった俺は----------------入るなり、振り返った彼女に腹を刺された。
何で……?
そう思っていると、彼女の身体が異形な姿へと変貌して…………。
それが人間に扮装した《エーテル》だと気付いた時には遅かった。
次に目を覚ました時には、俺は口元を塞がれ、拘束されたまま、救出に駆け付けた弟達の目の前で、底の見えない谷底へと落とされた。
「兄様!!」
弟が、俺に向かって手を伸ばす。
今でも、悲痛な面持ちで、俺を見つめる弟の姿を思い出す。
その光景を最後に、俺は谷底に叩き付けられ、一度は死んだ。
死んで、生き返ったのだった。
それは数百年前に突如として、現れた異世界からの侵略者《エーテル》に対抗出来る人類の唯一の希望。
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その結果は『防人』としての才能は皆無と診断された俺のみが、試験落ちし、二人は無事『防人』として、学園に入学。
俺は泣く泣く、『防人』を補佐する『サポート科』に入った。
長年、『防人』になる事を夢見て、努力し続けた俺は才能がない。
ただ、それだけの理由で落ちた事がショックで、しばらく立ち直れなかった。
入学して早々に、その才能を開花させ、『防人』として、次々と功績を重ねていく二人に対して、嫉妬の念を抱くのは早くて…………。
次第に、俺は二人を避けるようにして、距離を置くようになっていた。
そんな時、彼女は現れた。
自分の事を『ディスピア』と名乗った彼女は言葉巧みに『防人』になれる方法があると教えてくれた。
普段なら怪しんで、首を振るところなのだが…………。
二人に嫉妬して、精神的にもやつれていた俺には正常な判断が出来ず、彼女の言葉を信じて切ってしまった。
彼女に連れられ、学園の外れにある洞窟へと向かった俺は----------------入るなり、振り返った彼女に腹を刺された。
何で……?
そう思っていると、彼女の身体が異形な姿へと変貌して…………。
それが人間に扮装した《エーテル》だと気付いた時には遅かった。
次に目を覚ました時には、俺は口元を塞がれ、拘束されたまま、救出に駆け付けた弟達の目の前で、底の見えない谷底へと落とされた。
「兄様!!」
弟が、俺に向かって手を伸ばす。
今でも、悲痛な面持ちで、俺を見つめる弟の姿を思い出す。
その光景を最後に、俺は谷底に叩き付けられ、一度は死んだ。
死んで、生き返ったのだった。
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