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聖戦の始動編
戦いが終わって-------------
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傀儡-------------
あの女神はそう言っていた。
先程の勇者の支離滅裂な言動を考慮すると、恐らく、傀儡とは、《あの勇者》の事を意味している。
予想だが、あのクソストーカー勇者は、例の女神に洗脳でもされた口なのだろう。
「……………………」
だが、本当にそれだけか?
あの女神の野郎が口にした《傀儡》という言葉-------------何か、含みがあったような…………。
『ねぇ…………聞こえてる?』
いや、考えるまでもないか。
俺が来る前に、此処の施設が稼働させられた形跡があった。
『ちょっとっ!!! 聞こえてるのっ!!?』
そんで、タイミング良く、あの女神が念話して来たなら、十中八九、奴が犯人だ。
という事は、奴は少なからず、奴はロボット共の情報を持っている訳で-------------
「まさか…………」
嫌な解答が脳裏に浮かんだ。
もしそうなら、これはまずい事になった。
だが、そうだとしても、どうす-------------
『聞こえてるかって、聞いてんでしょうがっ!!!!!』
危険を知らせるアラートが聞こえた瞬間、凄い衝撃が《ストラーダ》を襲った。
「ぐおっ!!!!!」
そのまま、《ストラーダ》が近くにあった破壊された他の機体の残骸や格納ドックへと突っ込んだ。
《ストラーダ》が突っ込んだ衝撃で、天井の一部や周りの廃材が《ストラーダ》の上に落下して来た。
機体に若干の損傷が増えたが、何とか、上に載っている廃材を片手で押し退けて、身体を起こす。
すると、メインカメラの映像に、蹴り上げた状態で、片足を上げている《リヴァーサル》の機体の姿があった。
「何しやがるっ!!!」
『ふんっ!!! こっちの話を聞かないあんたが悪いのよっ!!!!!』
俺が抗議すると、不機嫌に鼻を鳴らして、反論する剣聖の声が響いた。
おいっ!!!
それが助けてくれた相手に向ける態度かっ!!?
『エレノア。流石に、それははしたないですよ?』
いや、聖女様、突っ込む所はそこじゃないだろう!?
というか、こうスピーカーで喋られると一々、うるせぇな…………!!!!
えぇ~っと、通信は-------------
「おぉ…………これだな…………」
俺は通信を剣聖達の《リヴァーサル》と繋げた。
すると、メインモニターの端に、見るからに不機嫌そうな剣聖様の顔と困り顔の聖女様の姿が映る。
「…………で? 何だ?」
そっちが、その気なら、こっちだって、そういう態度を取ってやろうじゃないの。
そんな俺の態度が癪に触ったのか、剣聖様が生意気な口をして、それを俺が真っ向から、言い返す。
最終的に、子供の幼稚な口喧嘩みたいな感じで、互いに互いを罵り合い、果てには、ロボット同士で乱闘しそうになった所を聖女様が、やんわりと静止した。
納得はしていないが、ここは聖女様の顔を立ててやろう。
ほんと、剣聖様はムカつくな…………。
『それで、これから、あなたはどうされるのですか…………?』
口喧嘩を終え、しばしの間、静寂を辺りが包み込んでいたが、聖女様が口調を固くして、俺に訊いて来た。
「……………………」
その問いに、俺はすぐに答えを出さずに、顎に手を当てて、考え込む。
一応、聖女様は剣聖様と合流した。
状況からして、あのクソ勇者は、もっとクソな女神に洗脳を受け、攫われた事を考えると、一時休戦って話も、ここで終わりと見るべきだ。
なら、此処で、それを口実にして、即戦いに発展-------------
そう見るべきか。
何せ、勇者パーティーの面々は、俺を連行する事が第一の目的だ。
なら、取るべき行動の選択はそれしかない筈だ。
だが、こっちの機体は、さっきの戦いやら、搭乗する前の損傷を受けていて、万全な状態ではない。
コックピットの表示やデータを見ても、動いているのが不思議なくらいだ。
変わって、あいつらの機体《リヴァーサル》は、さっきの《ソード》との戦闘で、多少なりとも、損傷は受けているが、軽微だろう。
コンディションはあっちが有利だ。
なら、どうする?
「……………………お二人さんは、此処がどういう場所か…………知ってるか?」
俺は悩みに悩んだ末、ある答えを導き出した。
さて、二人はどうでるかね?
あの女神はそう言っていた。
先程の勇者の支離滅裂な言動を考慮すると、恐らく、傀儡とは、《あの勇者》の事を意味している。
予想だが、あのクソストーカー勇者は、例の女神に洗脳でもされた口なのだろう。
「……………………」
だが、本当にそれだけか?
あの女神の野郎が口にした《傀儡》という言葉-------------何か、含みがあったような…………。
『ねぇ…………聞こえてる?』
いや、考えるまでもないか。
俺が来る前に、此処の施設が稼働させられた形跡があった。
『ちょっとっ!!! 聞こえてるのっ!!?』
そんで、タイミング良く、あの女神が念話して来たなら、十中八九、奴が犯人だ。
という事は、奴は少なからず、奴はロボット共の情報を持っている訳で-------------
「まさか…………」
嫌な解答が脳裏に浮かんだ。
もしそうなら、これはまずい事になった。
だが、そうだとしても、どうす-------------
『聞こえてるかって、聞いてんでしょうがっ!!!!!』
危険を知らせるアラートが聞こえた瞬間、凄い衝撃が《ストラーダ》を襲った。
「ぐおっ!!!!!」
そのまま、《ストラーダ》が近くにあった破壊された他の機体の残骸や格納ドックへと突っ込んだ。
《ストラーダ》が突っ込んだ衝撃で、天井の一部や周りの廃材が《ストラーダ》の上に落下して来た。
機体に若干の損傷が増えたが、何とか、上に載っている廃材を片手で押し退けて、身体を起こす。
すると、メインカメラの映像に、蹴り上げた状態で、片足を上げている《リヴァーサル》の機体の姿があった。
「何しやがるっ!!!」
『ふんっ!!! こっちの話を聞かないあんたが悪いのよっ!!!!!』
俺が抗議すると、不機嫌に鼻を鳴らして、反論する剣聖の声が響いた。
おいっ!!!
それが助けてくれた相手に向ける態度かっ!!?
『エレノア。流石に、それははしたないですよ?』
いや、聖女様、突っ込む所はそこじゃないだろう!?
というか、こうスピーカーで喋られると一々、うるせぇな…………!!!!
えぇ~っと、通信は-------------
「おぉ…………これだな…………」
俺は通信を剣聖達の《リヴァーサル》と繋げた。
すると、メインモニターの端に、見るからに不機嫌そうな剣聖様の顔と困り顔の聖女様の姿が映る。
「…………で? 何だ?」
そっちが、その気なら、こっちだって、そういう態度を取ってやろうじゃないの。
そんな俺の態度が癪に触ったのか、剣聖様が生意気な口をして、それを俺が真っ向から、言い返す。
最終的に、子供の幼稚な口喧嘩みたいな感じで、互いに互いを罵り合い、果てには、ロボット同士で乱闘しそうになった所を聖女様が、やんわりと静止した。
納得はしていないが、ここは聖女様の顔を立ててやろう。
ほんと、剣聖様はムカつくな…………。
『それで、これから、あなたはどうされるのですか…………?』
口喧嘩を終え、しばしの間、静寂を辺りが包み込んでいたが、聖女様が口調を固くして、俺に訊いて来た。
「……………………」
その問いに、俺はすぐに答えを出さずに、顎に手を当てて、考え込む。
一応、聖女様は剣聖様と合流した。
状況からして、あのクソ勇者は、もっとクソな女神に洗脳を受け、攫われた事を考えると、一時休戦って話も、ここで終わりと見るべきだ。
なら、此処で、それを口実にして、即戦いに発展-------------
そう見るべきか。
何せ、勇者パーティーの面々は、俺を連行する事が第一の目的だ。
なら、取るべき行動の選択はそれしかない筈だ。
だが、こっちの機体は、さっきの戦いやら、搭乗する前の損傷を受けていて、万全な状態ではない。
コックピットの表示やデータを見ても、動いているのが不思議なくらいだ。
変わって、あいつらの機体《リヴァーサル》は、さっきの《ソード》との戦闘で、多少なりとも、損傷は受けているが、軽微だろう。
コンディションはあっちが有利だ。
なら、どうする?
「……………………お二人さんは、此処がどういう場所か…………知ってるか?」
俺は悩みに悩んだ末、ある答えを導き出した。
さて、二人はどうでるかね?
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