【修正中】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった?〜

水先 冬菜

文字の大きさ
上 下
77 / 82
聖戦の始動編

無茶振り

しおりを挟む
「何!? 何か、あったの!?」

 けたたましいアラートが鳴り響くと、慌てて、剣聖様が、聖女を連れて、コックピットのハッチ近くまで来て、顔を覗かせていた。

 すぐ様、アラートを止めて、センサー系統の確認を行う。

 これは熱源反応…………?

 おい待て待て待て待て-------------!!!!!

「ちっ…………」

 確か、接続端末はこれか!?

 俺は手元の施設内のマップを、コックピット内の機器に接続して、センサーの感度を上げる。

 その結果、何かが、もの凄い勢いで、此処-------------格納ドックスペースに向かって来ていた。

 しかも、施設内の壁をぶち破りながら-------------

 機体内にあるデータと手元の情報端末のデータを熱紋ライブラリーと照らし合わせて、照合した結果、見覚えのある機体の情報が表示される。

 仕方ない…………。

「二人とも、今すぐ乗れ!!!!」

 俺はコックピット内から出ると、近くにいた剣聖と聖女の二人に対して、叫ぶ。

「え? 急にどうし--------」

「いいから乗るんだよ!!!」

「ちょっ--------」

「きゃあああ!?」

 俺は兎も角、二人をコックピット内に放り込んだ。

「良いか!!! まず、二人とも座席に座れ!!! そして、前の席に剣聖であるあんた。後ろの席は聖女であるお前が座るんだ。そんで、左右にあるスティクを握ろ!!!」

 そして、そう告げて、外側からコックピットのハッチを締めた。

 元々、聖女達と一時的に、休戦を申し出た時、動かせる機体があれば、起動させる為の護衛として使う腹積りでいた。

 そんで、機体はこっちで、頂くだけ頂いて、ついでだから、護衛させた礼として、この施設から脱出させてやる。

 それくらいの気持ちで、行動させていたのだが-------------

 熱紋ライブラリーに表示された機体が相手だと、背に腹は変えられない。

 仕方がないが、この機体は剣聖共にくれてやる。

 だから、うまく動かせよ!?

 俺は《リヴァーサル》のコックピットハッチを締め終えた事を確認して、もう一つのトレーラーの元へと向かって、走り出した。

 だが、運命の神は、そんな俺に苦難を強いる。

「っ!?」

 強固な壁をぶち破り、それが現れる。

 そう俺の愛機を自爆させて、倒した筈の《ソード》タイプが-------------

 壁をぶち破ると、同時に《ソード》が俺の向かっていたトレーラーの運転席に向けて、手元の剣を投げ付けて、命中させる。

 しまった!!!

 投擲した剣が命中したトレーラーは爆発して、炎を巻き上げる。

 その爆発に巻き上げられ、荷台に積まれていた機体が外に投げ出された。

 俺は慌てて、伏せて、何を逃れたが-------------

 機体との距離が、かなり離れ過ぎてしまった。

 俺は立ち上がり、再び、機体の元へと走る。

 しかし、《ソード》は、俺を捕まえようとしているのか、その手を伸ばして来た。

「こなクソっ!!!」

 その腕をビームライフルで、迎撃するが、矢張り、小型過ぎるビームライフルの威力では、奴の装甲には歯が立たず、簡単に掴まれてしまう。

「しまった!? クソっ!!! 離せっ!!!?」

 何とか、掴まれた腕から抜け出そうともがくが、びくともしない。

『漸く…………捕まえた…………』

 そんな時、《ソード》のスピーカーから、何やら、聞き覚えのある声が聞こえて来た。

「おい…………その声は、まさか…………!?」

『これで…………今度こそ、僕は…………』

 もう一度、スピーカーから聞こえて来た声に、今度こそ、確信した。

「まさか、その機体に乗っているのは…………あのクソ勇者かああああああ!?」

 

 

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ハズレ勇者のメカ武装 〜役立たずと王都を追い出されたので、暇つぶしに魔王を倒す〜   試作品

水先 冬菜
ファンタジー
 マンガでも良くある勇者召喚で呼び出された俺、東條真幸(とうじょうまさき)は-------------呼び出した王国の連中に《役立たず』だと、罵倒を浴びせられ、無一文で着の身着のままで、王都を追い出された挙句、証拠を隠滅する為に、刺客を差し向けられる。  なんて、ありがちな不運設定なのにも関わらず、初めから隠していた《特殊スキル》で、それらを撃退。  そして、この刺客達を証拠に、王国の連中が自分に手出し出来ないように仕向けたり、関わらせないようにと、ありとあらゆる方法で嫌がらせをして旅へと出た。  それから、冒険者になりすましながら、各地を転々として、早二年-------------  ある程度、生活の基盤が出来て、暇になったので、お約束通りに、ここは"暇つぶし"に魔王を倒しに行きますか!!  そう思っていた矢先に、俺に無礼を働きまくった王国の王女とやらが頭を下げて来て-------------

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

孤児院で育った俺、ある日目覚めたスキル、万物を見通す目と共に最強へと成りあがる

シア07
ファンタジー
主人公、ファクトは親の顔も知らない孤児だった。 そんな彼は孤児院で育って10年が経った頃、突如として能力が目覚める。 なんでも見通せるという万物を見通す目だった。 目で見れば材料や相手の能力がわかるというものだった。 これは、この――能力は一体……なんなんだぁぁぁぁぁぁぁ!? その能力に振り回されながらも孤児院が魔獣の到来によってなくなり、同じ孤児院育ちで幼馴染であるミクと共に旅に出ることにした。 魔法、スキルなんでもあるこの世界で今、孤児院で育った彼が個性豊かな仲間と共に最強へと成りあがる物語が今、幕を開ける。 ※他サイトでも連載しています。  大体21:30分ごろに更新してます。

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

処理中です...