【修正中】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった?〜

水先 冬菜

文字の大きさ
上 下
71 / 82
聖戦の始動編

答えは…………

しおりを挟む
「良いでしょう…………」

 そう聖女様は、肯定の意を示した。

 そう答えた瞬間、俺はビームライフルの銃口を下ろした。

 もちろん、気を許した----------------そんな訳ではない。

 ただ、この場を乗り切る為、この聖女様をとことん利用する。

 そんな腹積りがあるだけだ。

「了解。そんじゃ、一時休戦って訳で……………………ほいっ!」

「え? …………ちょっ…………!?」

 俺はそう答えた後、腰に備え付けていたビームソードの柄を聖女に投げ渡した。

 咄嗟の事に、困惑しつつも、聖女は慌てて、それを受け取って-------------固まる。

「ちょっ!? あなた、これは-------------!!!」

「俺の使ってる《ビームソード》だが…………?」

 つか、お前ら、その身を持って、よく知っている筈だろう?

 何で、そんな風な反応してるんだ?

 俺が不思議そうに、小首を傾げると、聖女は信じられないものを見るかのように、目を見開いていた。

 え?

 ほんとに、何で、そんな反応を…………?

「な、何故、このような重要な武具を私に…………?」

「いや、何でって…………それなきゃ、ここでは生きていけねぇし…………。つか、ただの量産品を渡しても、こっちは痛くもない訳だし…………」

 いや、このファンタジックな世界では、異常な物なのか?

 いや…………この世界で、ビーム兵器とか作り出せるビジョンが、俺には湧かなかった。

 うん。

 異常だな…………。

 どっちかっていうと、《リボルバー》とかの実弾系の装備や《刀》なんかの実体剣装備の方が、こいつらには作れそうな気がする。

 そういえば、あのロボット共は実弾系や実体剣系の装備ばかりだ。

 もしかしたら、そういった考えの元に作られていたりしてな…………。

 まぁ、それはそれ、これはこれで-------------

「んな事より、ちょっと、二つ程、聞きたい事があるだが-------------他の連中はどうした?」

 そう、まずはあの勇者共がどうなったか。

 それを聞く必要がある。

 返答次第では、面倒な事になるし、癪だが…………俺一人では、難しい事になるかもしれない。

 要するに、協力者が多い方が越した声はない。

 それに、として、この聖女の他にも人員が必要になって来るかもしれない。

「……………………」

 俺が尋ねた瞬間、表情を暗くして、重い雰囲気を醸し出す聖女を見て、察した。

「会えていない。もしくは、会えたが、予期せぬ事態に巻き込まれて、離れ離れ…………って、所か?」

 聖女を尚も答えないが、当たりのようだ。

 聖女の反応からして、後者かな…………。

「なら、探しに行くぞ…………」

「……………………へ?」

 間抜けな声が聞こえた……………………けれど、スルーして、会話を続けた。

「だから、探しに行くつって言ったんだ。お分かり?」

「な、何故…………あなたが、そんな事を-------------」

「ちょいと、この施設を破壊したくてな…………。俺一人の手だけじゃ足らなくなった。それだけだ。グダグダ言う暇があるなら、さっさと付いて来い」

 俺は聖女に、これ以上の質問は受け付けない、という確固たる意志を示すべく、言葉を遮った。

 そして、有無を言わせずに、とっとと歩き始めた。

「……………………!?」

 慌てて、聖女様が俺の後を追って来る。

「あっ…………そうそう、その格好だと目のやり場に困るんで、これでも、着ておけ…………」

 その上で、俺はアイテムボックスから予備のコートを取り出して、後方の聖女の方へと放り投げて置いた。

 戸惑った聖女が、慌てて、コートを受け取る際、ビームソードを手元から落とすような音が聞こえたが-------------

 まぁ、それは置いといて、確か、この先に《管制室》があった筈-------------
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ハズレ勇者のメカ武装 〜役立たずと王都を追い出されたので、暇つぶしに魔王を倒す〜   試作品

水先 冬菜
ファンタジー
 マンガでも良くある勇者召喚で呼び出された俺、東條真幸(とうじょうまさき)は-------------呼び出した王国の連中に《役立たず』だと、罵倒を浴びせられ、無一文で着の身着のままで、王都を追い出された挙句、証拠を隠滅する為に、刺客を差し向けられる。  なんて、ありがちな不運設定なのにも関わらず、初めから隠していた《特殊スキル》で、それらを撃退。  そして、この刺客達を証拠に、王国の連中が自分に手出し出来ないように仕向けたり、関わらせないようにと、ありとあらゆる方法で嫌がらせをして旅へと出た。  それから、冒険者になりすましながら、各地を転々として、早二年-------------  ある程度、生活の基盤が出来て、暇になったので、お約束通りに、ここは"暇つぶし"に魔王を倒しに行きますか!!  そう思っていた矢先に、俺に無礼を働きまくった王国の王女とやらが頭を下げて来て-------------

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...