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聖戦の始動編
答えは…………
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「良いでしょう…………」
そう聖女様は、肯定の意を示した。
そう答えた瞬間、俺はビームライフルの銃口を下ろした。
もちろん、気を許した----------------そんな訳ではない。
ただ、この場を乗り切る為、この聖女様をとことん利用する。
そんな腹積りがあるだけだ。
「了解。そんじゃ、一時休戦って訳で……………………ほいっ!」
「え? …………ちょっ…………!?」
俺はそう答えた後、腰に備え付けていたビームソードの柄を聖女に投げ渡した。
咄嗟の事に、困惑しつつも、聖女は慌てて、それを受け取って-------------固まる。
「ちょっ!? あなた、これは-------------!!!」
「俺の使ってる《ビームソード》だが…………?」
つか、お前ら、その身を持って、よく知っている筈だろう?
何で、そんな風な反応してるんだ?
俺が不思議そうに、小首を傾げると、聖女は信じられないものを見るかのように、目を見開いていた。
え?
ほんとに、何で、そんな反応を…………?
「な、何故、このような重要な武具を私に…………?」
「いや、何でって…………それなきゃ、ここでは生きていけねぇし…………。つか、ただの量産品を渡しても、こっちは痛くもない訳だし…………」
いや、このファンタジックな世界では、異常な物なのか?
いや…………この世界で、ビーム兵器とか作り出せるビジョンが、俺には湧かなかった。
うん。
異常だな…………。
どっちかっていうと、《リボルバー》とかの実弾系の装備や《刀》なんかの実体剣装備の方が、こいつらには作れそうな気がする。
そういえば、あのロボット共は実弾系や実体剣系の装備ばかりだ。
もしかしたら、そういった考えの元に作られていたりしてな…………。
まぁ、それはそれ、これはこれで-------------
「んな事より、ちょっと、二つ程、聞きたい事があるだが-------------他の連中はどうした?」
そう、まずはあの勇者共がどうなったか。
それを聞く必要がある。
返答次第では、面倒な事になるし、癪だが…………俺一人では、難しい事になるかもしれない。
要するに、協力者が多い方が越した声はない。
それに、可能性として、この聖女の他にも人員が必要になって来るかもしれない。
「……………………」
俺が尋ねた瞬間、表情を暗くして、重い雰囲気を醸し出す聖女を見て、察した。
「会えていない。もしくは、会えたが、予期せぬ事態に巻き込まれて、離れ離れ…………って、所か?」
聖女を尚も答えないが、当たりのようだ。
聖女の反応からして、後者かな…………。
「なら、探しに行くぞ…………」
「……………………へ?」
間抜けな声が聞こえた……………………けれど、スルーして、会話を続けた。
「だから、探しに行くつって言ったんだ。お分かり?」
「な、何故…………あなたが、そんな事を-------------」
「ちょいと、この施設を破壊したくてな…………。俺一人の手だけじゃ足らなくなった。それだけだ。グダグダ言う暇があるなら、さっさと付いて来い」
俺は聖女に、これ以上の質問は受け付けない、という確固たる意志を示すべく、言葉を遮った。
そして、有無を言わせずに、とっとと歩き始めた。
「……………………!?」
慌てて、聖女様が俺の後を追って来る。
「あっ…………そうそう、その格好だと目のやり場に困るんで、これでも、着ておけ…………」
その上で、俺はアイテムボックスから予備のコートを取り出して、後方の聖女の方へと放り投げて置いた。
戸惑った聖女が、慌てて、コートを受け取る際、ビームソードを手元から落とすような音が聞こえたが-------------
まぁ、それは置いといて、確か、この先に《管制室》があった筈-------------
そう聖女様は、肯定の意を示した。
そう答えた瞬間、俺はビームライフルの銃口を下ろした。
もちろん、気を許した----------------そんな訳ではない。
ただ、この場を乗り切る為、この聖女様をとことん利用する。
そんな腹積りがあるだけだ。
「了解。そんじゃ、一時休戦って訳で……………………ほいっ!」
「え? …………ちょっ…………!?」
俺はそう答えた後、腰に備え付けていたビームソードの柄を聖女に投げ渡した。
咄嗟の事に、困惑しつつも、聖女は慌てて、それを受け取って-------------固まる。
「ちょっ!? あなた、これは-------------!!!」
「俺の使ってる《ビームソード》だが…………?」
つか、お前ら、その身を持って、よく知っている筈だろう?
何で、そんな風な反応してるんだ?
俺が不思議そうに、小首を傾げると、聖女は信じられないものを見るかのように、目を見開いていた。
え?
ほんとに、何で、そんな反応を…………?
「な、何故、このような重要な武具を私に…………?」
「いや、何でって…………それなきゃ、ここでは生きていけねぇし…………。つか、ただの量産品を渡しても、こっちは痛くもない訳だし…………」
いや、このファンタジックな世界では、異常な物なのか?
いや…………この世界で、ビーム兵器とか作り出せるビジョンが、俺には湧かなかった。
うん。
異常だな…………。
どっちかっていうと、《リボルバー》とかの実弾系の装備や《刀》なんかの実体剣装備の方が、こいつらには作れそうな気がする。
そういえば、あのロボット共は実弾系や実体剣系の装備ばかりだ。
もしかしたら、そういった考えの元に作られていたりしてな…………。
まぁ、それはそれ、これはこれで-------------
「んな事より、ちょっと、二つ程、聞きたい事があるだが-------------他の連中はどうした?」
そう、まずはあの勇者共がどうなったか。
それを聞く必要がある。
返答次第では、面倒な事になるし、癪だが…………俺一人では、難しい事になるかもしれない。
要するに、協力者が多い方が越した声はない。
それに、可能性として、この聖女の他にも人員が必要になって来るかもしれない。
「……………………」
俺が尋ねた瞬間、表情を暗くして、重い雰囲気を醸し出す聖女を見て、察した。
「会えていない。もしくは、会えたが、予期せぬ事態に巻き込まれて、離れ離れ…………って、所か?」
聖女を尚も答えないが、当たりのようだ。
聖女の反応からして、後者かな…………。
「なら、探しに行くぞ…………」
「……………………へ?」
間抜けな声が聞こえた……………………けれど、スルーして、会話を続けた。
「だから、探しに行くつって言ったんだ。お分かり?」
「な、何故…………あなたが、そんな事を-------------」
「ちょいと、この施設を破壊したくてな…………。俺一人の手だけじゃ足らなくなった。それだけだ。グダグダ言う暇があるなら、さっさと付いて来い」
俺は聖女に、これ以上の質問は受け付けない、という確固たる意志を示すべく、言葉を遮った。
そして、有無を言わせずに、とっとと歩き始めた。
「……………………!?」
慌てて、聖女様が俺の後を追って来る。
「あっ…………そうそう、その格好だと目のやり場に困るんで、これでも、着ておけ…………」
その上で、俺はアイテムボックスから予備のコートを取り出して、後方の聖女の方へと放り投げて置いた。
戸惑った聖女が、慌てて、コートを受け取る際、ビームソードを手元から落とすような音が聞こえたが-------------
まぁ、それは置いといて、確か、この先に《管制室》があった筈-------------
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