【修正中】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった?〜

水先 冬菜

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聖戦の始動編

閑話 闇の誘惑

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~女神サイド~


『あらあら、これは面白い事になりましたわね』

 そう愉快そうに笑うのは、厄災の女神ディストピア。

 とある部屋の一室で、目の前の巨大なモニターに映る機影に、うっとりと頬を染めて、狂気的にモニター画面を指先で、なぞっている。

 もちろん、そのモニターに映る機影とは、先程、湊の愛機《フォートナー》を圧倒した《ソード》タイプの巨大ロボットだ。

 モニター画面に映るそれは、今は機能を停止して、壁越しに倒れ込んでいた。

 多少は機体のあちこちが焼け焦げてはいるが、あの《フォートナー》の自爆攻撃に巻き込まれていても、尚、ほぼ無傷の状態だった。

 それを見て、ディストピアにある閃きが浮かんだ。

『そうですわ…………。どうせなら、もっと、面白くするのもありですわね』

 怪しく微笑みながら、視線をある方向へと向けるディストピア。

「……………………ぅぅ……………………」

 その視線先には、満身創痍のストーカー勇者が気を失い、倒れていた。

 そんな勇者の元へとゆっくりと近づいて、無造作に勇者の頭を掴み、持ち上げると-------------

 魔法陣らしきものが、ディストピアの掌と勇者の額の間に現れて……………………消えて行った。

『ふふっ…………♪ しばらく、退屈せずにすみそうですわ』

 ディストピアは再び、恍惚に頬を染め-------------湊の顔を脳裏に思い浮かべる。

『あぁ…………彼はこれから、私をどれだけ楽しませてくれるのかしら…………?』

 邪悪な願いをその胸に抱き続けて…………。
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