【修正中】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった？〜

聖戦の始動編

《ソード》タイプ

　《ソード》タイプ-------------

　近接戦闘主体の機体で、背部に装備された二振の実体剣を駆使して戦う。

　飛行能力は皆無だが、機動性に優れており、かなり機敏に動けるらしい。

　しかも、そのパワーは折り紙付きな上、装備された実体剣はどんな装甲だろうと、バターみたいにスライス可能とか、何とか…………。

「ちっ…………」

　とりあえず、膝蹴りをお見舞いして、ビームソードを引き抜こうとした腕を掴まれ-------------簡単に捻り潰された。

「右腕部強制パージ！！！」

　慌てて、右腕を切り離して、左腕のビームバルカンを展開、連写しながら、後方へとホバリングして下がる。

　ソードの奴は、俺が切り離したフォートナーの右腕を咄嗟に盾にして、防ぎ切っていやがる。

　ヤバイ奴に遭遇しちまった。

　つか、糞頑丈なフォートナーの腕を捻り潰すとか、どんだけ馬鹿力なんだ？

　一応、《エグゼス》と同じくらいの装甲強度なんだぞ？

　あの《レギオン》共の攻撃だって、防げるってのに-------------

　これ逃げた方が良いんだよな？

　って、そんな暇は無さそうだ！！！！！

　今も切り離されたフォートナーの腕を盾にしているソードが、そのまま、突っ込んで来た。

　そうして、ある程度…………というか、奴の間合いに入ったのだろう。

　背部の実体剣を一振り引き抜いて、もう片方の腕で、俺の愛機の腕を投擲して来やがった。

　下手に頑丈だと、ビームバルカンの出力じゃあ、間に合わない。

　俺はビームバルカンの連射を止めて、今度こそ、ビームソードを引き抜き、投擲された腕を斬り裂き、奴の剣を受け止めた。

　実体剣の刃とビームソードの光の刃がぶつかり、せめぎ合う。

　やはりというべきか、あの《レギオン》タイプに実装された《ヒートアックス》と同じで、ビームソードの熱量兵器にも、対応可能か。

　ほんと、厄介なものを残してくれたもんだね！！！

　互いに剣と剣が交錯し、蹴りや頭突きなど、激しい戦いが繰り広げられるが、圧倒的に不利なのはこちらだ。

　何せ、こっちは右腕一本持っていかれた上に、このソードタイプのパワーが凄まじいったらない。

　はっきり言って、押されている。

　辛うじて、フォートナーの機動性が優っている為、今は何とか、なっているが、ただでさえ、障害物の多い通路だ。

　やり難いし、一つのミスで、あっという間に奴に勝敗が傾く。

　やっぱり、ここは一度、引くしか-------------

「…………って、嘘だろ！！？」

　こっちが考え込んでいると、ソードの奴がもう片方の実体剣を引き抜き様に、投げ付けて来やがった。

　咄嗟の事で、対応が遅れたばかりに、その件が運悪く、左腕足の関節部分に命中。

　体勢が崩れる。

「こなクソっ！！！！！」

　片膝を着きながらも、振り下ろされた実体剣を何とか、ビームソードで受け止める。

　ん？！

　さっきよりも、奴のパワーが上がって！！！！！！

　コックピット内に、危険を知らせる警報音が鳴り響いた。

　徐々に、フォートナーの左腕が電流を迸らせ、各所で小規模な爆発が起き始める。

　コックピット内のモニターには、左腕の損傷状態がレッドゾーンに差し掛かり-------------

　仕方がない！！！！！！

　俺はビームソードを手放したと同時に、フォートナーの背部スラスターを全開にして、体当たりする。

　ビームソードを手放した事で、そのまま、頭部の半分と左腕を斬り落とされたが、その判断が功をなし、そのまま、ソードが背後にあった壁に衝突して、手にした実体剣ずり落とした。




《プラモ錬成》




　その隙に、スキルで《エグゼス》へと変身した俺はコックピットから脱出して-------------そのまま、フライトユニットで飛び立った。

　《フォートナー》の自爆機能を作動させて-------------

　俺が飛び立った数秒後、俺の愛機は《ソード》諸共と吹き飛び、俺はその余波に巻き込まれるのだった。