【修正中】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった?〜

水先 冬菜

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聖戦の始動編

お馬鹿さんには、うんざりだ

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《アロンダイト》

 あまりにも、しつこいストーカー勇者が、性懲りも無く、聖剣の光を解き放って来た。

 俺は《エグゼス》に装備された左腕のシールドで防いだ。

 聖剣から解き放たれた光はシールドの表面に触れると、微量の光の粒になって、霧散し、掻き消えて行く。

「っ!? 何をした!!!」

 ストーカー勇者は聖剣の光が掻き消えるという異常事態に、最初は驚きの表情を見せるが、すぐに物凄い目つきで、吠える。

 ぎゃあぎゃあとうるさい奴-------------

 俺は答えの代わりに、ビームライフルを向けて、勇者に三発程、連写した。

「ちっ…………」

 勇者は苛立ちつつも、ビームを避けながら、こちらに突進して来る。

 というか、可愛い顔して、舌打ちするなよな…………。

 一応、女だろ?

「っ!!!」

 そんで、剣聖様?

 気付かれていないと思ったら、大間違いだよ。

 熱源センサーで、位置バレバレ。

 背後に回り込んで、斬り掛かって来た剣聖に、俺は背部の《フライトユニット》のスラスターを全力で点火して、その風圧で、剣聖を吹き飛ばして、真っ向から向かって来る勇者との距離を一瞬で詰めた。

 そんで、シールドを装備した腕を溜め込むように、拳を振り上げて-------------

「しまっ-------------」

『遅い…………』

 -------------振り下ろした。

 放たれた拳は、シールドの尖った先端が、勇者の胸の辺りを突き刺して、勇者の身体を貫いた。

「勇者様!!!」

 聖女の悲痛な悲鳴が、広大な草原に響き渡る。

「あ…………がっ…………!!!」

 シールドに貫かれた勇者は、そのまま、手にした聖剣を大地に落として、多量の血を吐き出しながら、力無く、ぶら下がっていた。

 腕や脚が小刻みに痙攣し、目からは光が徐々に失われて行っている。

 もう虫の息だ。

 とりあえず、人を殺し掛けているのに、罪悪感が全く湧かない俺は左腕のシールドに貫かれたままの勇者の下腹付近を蹴り飛ばして、シールドの先端から引き抜いておいた。

 等の勇者はそのまま、数メートル先の大地に顔面からダイブ-------------いったそう…………。

「貴様ああああああああっ!!!!!!!」

 うるさいっての…………。

 ビームライフルを投げ捨て、腰のビームソードを引き抜き、通り抜け様に、剣聖の右腕を飛ばしておく。

 そのまま、勢い良く、勇者同様に草原なる大地で、腕を斬り落とされた剣聖が、痛みに悶えて、じたばたと転がっているのが、背後を見ずとも分かる。

 ほんと、こっちがクッソ忙しい目に遭っているってのに、毎度毎度、何処からともなく出て来やがって…………。

『させねぇっての…………』

 だから、熱源センサーに引っかかっているんだって…………。

 まぁ、教えていないから、お前らには理解出来ないだろうが、何処にいるかなんて、バレバレバレだ。

 だからこそ、邪魔になる勇者共そいつらの蘇生やら治療をさせるつもりはねぇぞ…………。

 聖女様-------------

「きゃあああああああ!!!!!」

「ルリぃぃいいいいいい!!!!!!」

 フライトユニットの付属装備である誘導ミサイルが、聖女を捉えて、殺列した。

 またまた、吹き飛ばされて……………………というか、今度は黒焦げか?

 綺麗な礼装があちこち焦げていて、見るに堪えない程、ボロボロだ。

 まぁ、直前に魔法で防いでいたから、死ぬ事はないか。

「貴様…………貴様きさまきさまきさまああああああああ!!!!!!!!!!!」

 おいおい、剣聖様。

 初めて会った時と違い過ぎません?

 もう猟奇殺人者の顔ですやん。

 おお、怖い怖い。

 さっさと、要を済ませて、離れるとしよう。

 そう思って、例の《生産施設》を探そうと飛び立とうとして-------------









《アロンダイト》

 


 え?

 辺り一面が光だし-------------それが聖剣の光である事に気付いた俺は急いで、勇者が倒れている方へと視線を向けた。

 あまりに強い光の為、本当にギリギリのラインだが、《エグゼス》の光学カメラで、着き伏す勇者の口元が、ほくそ笑んでいるのが分かる。

 クソがっ!!!!!!

 あの聖剣は所有者が手にしてなくても、光を放てんのかよ!!!!!

 慌てて、フライトユニットで空へと上がると、そのまま、先程まで俺がいた大地が崩れ落ち、勇者達はそのまま、今、出来上がったばかりの巨大な穴に、吸い込まれて行った。

 あのお邪魔虫ども、本当に迷惑な…………。

 でも、まぁ、最低限には役に立ったか…………?

 大地が崩壊したショックで、辺り一面に砂煙が舞っていたのだが…………。

 それが晴れると、その大地の下に目的のものが姿を現した。
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