【修正中】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった?〜

水先 冬菜

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聖戦の始動編

異常事態

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 例の街を救って、何日経ったのか…………。

『システムの起動を確認。全システムオールグリーン。機体をリニアカタパルトに固定完了致しました』

 分からない程、俺は疲弊していた。

「了解。こっちも確認した。システム良好。機体の固定を確認」

 目の下に大きなくまを残し、コックピット内の計器を確認して、操縦レバーに手を掛ける。

『発進ゲート解放。出撃可能です』

「《フォートナー》発進する」

 モニターの端に映るメイド服の女が恭しく礼を取るのが視界に入ったが、気にする事なく、俺は操縦桿に手を掛け、《フォートナー》の巨大な翼を広げ、艦から飛び出すように機体が飛翔させた。

 目の前には、いつもの如く、赤く染まる何処ぞの街があった。

 多くの黒煙が、空を昇り、眼前のモニターに見覚えのある影が過ぎる。

 センサーの反応には、びっしりと敷き詰められたような程の赤い点滅が表示されていて-------------正直、頭が痛い。

 というか、多過ぎね?

 大きなため息を吐きながら、俺は搭乗している《フォートナー》を戦闘機状である飛行形態から、人型形態へと変形をして、両腕のビームバルカンを雨の如く乱射して、高速で飛行しながら、赤い点滅を駆逐して行く。

 そんで、時々、現れる五十メートル級の大型は、右手のビームライフルで撃破する。

 当然、相手も迎撃して来るが、《フォートナー》の機動性は、あのロボット共に比較にならない程、速いので、簡単に鉛玉を回避して、反撃出来る。

「…………ん…………?」

 そんな戦闘中に、ある異変が起きた。

 最近、このロボット共の駆除で、大忙しな上、単純に突っ込むか、集団で撃ちまくるしか能のない連中だから、あまり気にしていなかった。

 ふと、センサー画面に視線を移すと、ほんの一部だが……………………ここから、離れようとしているグループがいる?

 そちらの方へと飛翔すると、此処は行かせんとばかりに、三機の大型ロボットが阻んで来る。

「邪魔…………」

 俺はビームライフルを後ろ腰にマウントして、二振りのビームソードを引き抜き、通り抜けざまに、三機を斬り伏せた。

 そんで、目的の反応であろうグループを見つけると、思わず、目を開いてしまった。

「あれは…………魔法か…………?」

 そう…………その例のグループであるロボット達が、何と、魔法陣らしきものを足元に展開して、一瞬で、姿が掻き消えたのだ。

 このパターンだと、お約束の転移魔法の類を使った可能性が高い。

 でも、一体、何処へ…………?

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