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聖戦の始動編
閑話 始まりはいつだって唐突に
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~人類サイド~
湊がロボット群の資料に目を通していた時-------------とある国で、一柱の女神が動き始めていた。
『そういう訳ですので、素直にお話しして頂けませんか?』
柔かにそう微笑む女神は、壁に磔にしたもう一柱の女神に話し掛けていた。
その女神の名は《守護の女神アウロラ》-------------
かつて、《リズネーゼ王国》と呼ばれた理不尽に湊を召喚した元凶にして、身勝手に国から追い出した傍迷惑な国の女神だ。
そんな女神が何故、磔にされているからというと、目の前の女神から数週間以上に掛けて、身も心もボロボロになるまで、目の前の女神から、拷問を受け続けていたからだ。
もちろん、湊に関する情報を聞き出す為に…………。
『……………………』
『ほんと…………強情な事ですね…………』
『ぎゃあああああああっ!!!!』
呆れたように溜息混じりに呟いた一柱の女神が、アウロラに電撃を浴びせるが、アウロラは一切口を開こうとはしない。
それが余計に、その女神を苛立たせる。
『良いですか? 既に貴方の国は滅んでいるのですよ? なら、その貴重で、有意義な情報をこの高貴で、優雅なわたくしに教授するのが当然の事ではなくって?』
それが当たり前、と言わんばかりの傲慢な口調で、女神が諭しに掛かるが、やはり、アウロラは頑なに口を開かない。
それどころか、嘲笑うかのように、鼻で笑う。
どの口で言っているの?
そう馬鹿にしているかのように-------------
『そうですか。なら、わたくしにも、考えがございましてよ』
アウロラの態度に、目を細め、そう冷たく言い放った瞬間-------------その女神は、アウロラの頭を鷲掴みすると、アウロラの悲鳴が部屋全体にこだまし、肉体を散り一つ残さずに消滅させた。
そして、光の球体となって、魂だけの状態になったアウロラを、その女神はいつの間にか、手にした槍で、球体状の魂を貫いた。
貫かれた光の球体は、女神の周りで、更に細かい光となり、散り-------------その身体に吸い込まれるようにして、吸収されて行く。
『…………ご馳走様…………』
恍惚で、妖艶な笑みを浮かべながら、同胞だったものを、身体の中へと取り込んで行く女神。
その全ての光を取り込んだ後、漸く、満足出来たような笑みを見せて、口遊む。
今すぐにでも、彼が欲しいと-------------
かの女神の名は《ディストピア》---------
最悪にして、厄災を引き起こす邪神に連なる女神だ。
湊がロボット群の資料に目を通していた時-------------とある国で、一柱の女神が動き始めていた。
『そういう訳ですので、素直にお話しして頂けませんか?』
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その女神の名は《守護の女神アウロラ》-------------
かつて、《リズネーゼ王国》と呼ばれた理不尽に湊を召喚した元凶にして、身勝手に国から追い出した傍迷惑な国の女神だ。
そんな女神が何故、磔にされているからというと、目の前の女神から数週間以上に掛けて、身も心もボロボロになるまで、目の前の女神から、拷問を受け続けていたからだ。
もちろん、湊に関する情報を聞き出す為に…………。
『……………………』
『ほんと…………強情な事ですね…………』
『ぎゃあああああああっ!!!!』
呆れたように溜息混じりに呟いた一柱の女神が、アウロラに電撃を浴びせるが、アウロラは一切口を開こうとはしない。
それが余計に、その女神を苛立たせる。
『良いですか? 既に貴方の国は滅んでいるのですよ? なら、その貴重で、有意義な情報をこの高貴で、優雅なわたくしに教授するのが当然の事ではなくって?』
それが当たり前、と言わんばかりの傲慢な口調で、女神が諭しに掛かるが、やはり、アウロラは頑なに口を開かない。
それどころか、嘲笑うかのように、鼻で笑う。
どの口で言っているの?
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『そうですか。なら、わたくしにも、考えがございましてよ』
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そして、光の球体となって、魂だけの状態になったアウロラを、その女神はいつの間にか、手にした槍で、球体状の魂を貫いた。
貫かれた光の球体は、女神の周りで、更に細かい光となり、散り-------------その身体に吸い込まれるようにして、吸収されて行く。
『…………ご馳走様…………』
恍惚で、妖艶な笑みを浮かべながら、同胞だったものを、身体の中へと取り込んで行く女神。
その全ての光を取り込んだ後、漸く、満足出来たような笑みを見せて、口遊む。
今すぐにでも、彼が欲しいと-------------
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最悪にして、厄災を引き起こす邪神に連なる女神だ。
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