【修正中】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった？〜

世界の破滅編

閑話 破滅の町で--------

　此処は、湊が見た例の大型モニターの映っていた街-------------

　今現在も多数のロボット群の襲撃により、蹂躙されていた。

　多くの建造物は悉く破壊され、血飛沫が舞い散り、人々の悲鳴が街全体に木霊していた。

「怯むなっ！！！　何としても、此処で死守するのだ！！！」

　そんな渦中の最中で、必死にロボット群と戦う者達がいた。

　騎士や冒険者といった混成の一団だ。

　その内の一つ、街の西側で抵抗する一団は現在、地下倉庫に避難した民間人達を守る為に立ち向かっていた。

　だが、防衛戦は時間が進むにつれ、一方的に押し切られ、意味を成していない。

　何とか、騎士団長らしき男が皆を鼓舞して、声高らかに叫ぶが、あまりにも、一方的に、仲間を殺しまくるロボット群の蹂躙具合に、その騎士も萎縮してしまっていた。

「うおおおおおおー！！！！！！」

　それでも、勇気を振り絞って、剣を振るが、ロボットの硬い装甲に歯が立たず、甲高い音を立てて、弾かれる。

　そして、それのお返しとばかりに、ロボット達の手にした大斧が、その騎士団長へと降り注ぎ、悲鳴をあげる間もなく、身体をバラバラにされる。

「…………もう、駄目だ…………」

　一団の誰かがそう呟き、腰から崩れ落ちた。

　それからはもう悲惨の一言だった。

　一団の皆、その瞳が絶望に染まり-------------逃げ出す者、頭を下げ、命乞いをする者、そんなものなど、区別する事無く、ロボット達は、ただ、機械的に振り上げた大斧を振り下ろし、人間を虐殺して行く。

　そして、次に、目に入ったであろう地下倉庫の入り口付近で、剣を地に落とした冒険者の青年へとロボット達は歩みを進め-------------再び、大斧を振り上げようとした。

　その時、突如として、空から一筋の光が降り注いだ。

「……………………へ？」

　何が、起こったのか、理解出来ず、間の抜けた声を上げる冒険者の青年。

　その光は大斧を振り上げたロボットの頭から腰までを一気に貫き、ロボットが横向きに倒れて、動かなくなった。

　それを境に、光の雨がロボット達を撃ち貫いて、周辺のロボット達が一掃されて行く。

「お、おい…………何だ、あれ…………？」

　その光景を呆然と眺めていた冒険者の青年は、同じく、生き残っていた冒険者仲間が、指差した方へと視線を向け-------------目を見開いた。

　何故なら、あのロボットと同じような姿をした巨大な影が、街の空を我が物顔で飛び、神々しい光を放ちながら、ロボット群を撃滅していたのだ。

「俺達…………助かったのか…………？」

　冒険者の青年が誰にともなく、呟いたその言葉は周りにいた仲間達にも伝わり、伝播していった。

　皆、互いに声を上げ、喜びを分かち合い、助かったのか事に涙するものも現れる。

　だが、そんな空気も虚しく、大地を揺るがす巨体が-------------絶望が立ち塞がった。