【修正中】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった？〜

世界の破滅編

巨大人型兵器

　巨大な影に飲み込まれてから、どれ程の時間が経過したかも分からない状況で、俺は自分の目を疑う状況に直面していた。

　俺の視界には、明らかに全長五十メートルくらいの巨大ロボットが聳そびえ立っている。

　武装らしきものは、特に無さそうだが…………これは…………？

『未完成、でしょう？』

「っ！？」

　俺が声のする方へと銃を向け、ビームソードを構える。

　俺の左側、少し離れた壁にある大型のモニターが映り-------------そこの画面に、一人の美女が可愛らしく微笑んでいた。

『初めまして、わたくしはこの戦艦を管理するサポート型自律思考ユニットのアルダートと申します』

　その美女は何故か、ロングスカートタイプのメイド服を着用して、カーテシーを行なっている。

　白く長い髪に、青い瞳で、容姿もスタイルも良く、礼儀正しい。

　まさに、理想の超絶完璧美女メイドって女だ。

　恐らく、こいつが俺を此処に連れ込んだ元凶-------------

　んで、こいつの言う【サポート型自律思考ユニット】ってのは、所謂、現代で言う【サポートAI】的なもんなのも、頭では理解も出来る。

　だが、こいつはその前に何て言った？

　戦艦-------------

　そう戦艦だ。

　つまり、今、俺はこの目の前にある全長五十メートルのロボットを格納出来る程、巨大な船の中にいる訳だ。

　しかも、周りを見るに、まだ、数機格納出来るスペースをある所を見るに、俺の想像よりも遥かにデカい可能性がある。

　この格納スペースの広さから見て考えると、ザッと全長一キロ以上って所か？

　そんな船の中に、俺を連れ込む理由は一体、何なのか？

　そう色々と頭で熟考しながら、モニターを睨み付ける。

『そんなに警戒しなくても大丈夫でございますよ』

　俺の考えを察してなのかは分からないが、《アルダート》と名乗ったメイドが顔を上げて、モニター越しに、柔かに微笑みながら向き直る。

　まるで、俺の考えなどお見通しだと言っているかのような口調だ。

　俺はより警戒心を増して、無言でリボルバーの引き金に力を入れ、いつでも撃てる状態で待機するが-------------そんな事、お構いなしに、アルダートは話を進めた。

『まずは謝罪からさせて頂きますね。先程は、かなり不躾な対応をして、申し訳ありません。あらゆる状況を鑑み、まずは、貴方様の御身を保護すべく、わたくし達の艦の中へと匿わせて頂きました』

「…………匿う、だと…………？」

『簡単に申し上げますと、貴方様は今、非常に危険な立場に立っておいでです』

　俺が怪訝そうに眉を寄せると、アルダートは今現在、俺は《非常に危険な立場》にあるとはっきりと告げて来た。

　いや、その前から結構、面倒な立場にあったけれどね！？

　さっきも、ストーカー気質の勇者と会ってるし…………。

　だが、信用するかはともかくとして、こいつは、もしかしなくても、色々と有益な情報を持っているのかもしれない。

　なら、こいつから、ある程度、情報を引き出すのが、今のベスト…………になるのかな…………？

　なんて、考えていると、『何故なら---------』と前置きして、アルダートが俺も考えもしない衝撃的な事を口にした。

『今現在、世界中で封じられていた《魔導機動兵器群》が、各国の街や村々を蹂躙しています』