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世界の破滅編

どういう意味だ?

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 俺を連れて行かないと、

 あの勇者が言い残した言葉を脳内で反芻し、その言葉を発した勇者の前へと佇む俺。

「……………………」

 気を失っているので、しばらくは起きないだろうが…………。

 何故か、さっきの言葉が引っかかって仕方がない。

 思えば、俺がこの世界に来てから、ありえないくらいの事が起きていた。
 

1. 召喚されて早々、ハズレ勇者として王宮を追い出され-------------

2. 危険な魔物が多いとされる物騒な森へと捨てられ-------------

3. その森であのオリヴィエとかいう女神に『私のものになれ』と襲われ-------------

4. たまたま、近くにあった町ではスタンピードが起き-------------

5. 最後に現れた女神が言っていた【聖戦】と呼ばれるキーワード-------------


 そして、勇者が先程の言葉。

 まだまだ、謎だらけだが、一つ言えるのは、この一連の出来事には必ず《俺自身》が関わっているという事。

 だとすれば、俺はこの世界で、非常に厄介な立ち位置に立っているのでは…………?

 それも世界規模にまで、発展した問題に、だ。

 出来れば、この勇者を尋問して聞き出したいが…………。

 これ以上は確実に死ぬな…………。

 蘇生魔法を使う聖女もボロボロだし------------------どうしよう?

「みゃ…………みゃて…………」

 ん…………?

 何やら、声がすると思ったら、あの剣聖様だ。

 両腕の手首を落としたっていうのに、何処から取り出した…………否、何処から見つけたのか。

 ナイフのような短剣を口に加えて、殺気を放っている。

 満身創痍だというのに、まだ戦うつもりか?

 でも、丁度良かった。

「動くな…………」

 俺の右腕が勇者の頭の方へと向けられると、剣聖である彼女の目が見開かれる。

 それで、俺が何をしようとしているのか、察したようで、俺はにこやかに微笑んでみせた。

 その口元を三日月に歪めて-------------

「少しお話ししましょうか…………?

 剣聖様…………」

「……………………」

 彼女は色々と打開策を巡らせたようだが、良い方法が思い付かなかったのだろう。

 諦めたように、加えていた短剣を離すと、項垂れたように膝を突いた。

「うんうん。

 聞き分けの良い子は好きだよ…………」

 ほんと、悪に染まっちまったよな…………。

 俺。

 
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