20 / 82
プロローグ
そんなこんなで少女に出会いました
しおりを挟む
まあ、そんなこんなで、色々な事があって、逃げおおせた俺は再び『イルゼ』の町に戻って来た。
まだ戦闘中だという事もあって、当然、町の人々が戻って来ていないので、無人の町のままだが…………。
それはそれで好都合。
さっさと着替えて、この町を出て行こうと思う。
え?
なら、一度町に戻らずに、適当な所で着替えてこれば良かったんじゃないかって…………?
いやいや、実はこの俺としても、ついうっかりやり忘れていた事があったのだよ。
それが何かと言うと----------------
俺、この世界の地理って、よく分かってねぇんだわ。
簡潔に言えば、『地図』みたいなものが欲しい。
だから、適当に着替えて、一番可能性のありそうなギルド内に入って------------
「…………?」
可笑しい。
何やら、視線のようなものを感じる。
場所は……………………このギルドの中か…………?
あっぶね!!
もうちょっとで仮面を取るところだった。
それにしても、一体誰がいやがるんだ?
こういう時は慎重に…………。
「…………何してるの…………?」
「うっおっ!!!」
壁に背を付けて、中の様子を窺おうとした時だった。
突然、声をかけられて、素で驚く俺。
ギルドの出入り口付近から、ひょっこりと顔を出して、不思議そうに俺を見つめて来る少女。
一体全体、何処から湧いて出て来やがった!!?
「ねぇ…………何してるの…………?」
「それはこっちが聞きたいんだが…………?」
「私が何をしているかって…………?
私はあなたを待っていたのよ」
はい、面倒ごと確定の予感。
フラグが立ちましたね。
「どうも、ハズレ勇者様。
わたくし、リズネーゼ王国から参りました。
クーネと申します」
「…………リズネーゼ王国…………?」
おいおい、その国って確か-------------
「はい。
あなた様を追い出した王国です」
「……………………」
にこやかに答えてんじゃねえ…………。
勝手に召喚しておいて、ハズレだとか何とか言って、殺そうとした国の連中が今更、何しに来た。
「担当直入に申し上げますと、王国にお戻り頂けませんか?
それ相応の対価と待遇をご用意致しますので…………」
「断る!!」
まあ、これ以外の答えなんてねぇよな…………。
嫌な予感がバリバリするし…………。
「そうですか…………。
なら、こちらもそれ相応の対応はさせて貰いますね」
クーネとかいう少女が指を鳴らすと、何処にいたのか黒い服を纏った集団が、俺を取り囲んでいた。
ほんと、今日はやたらと休む暇がない日だ。
「ほんと、めんどくせぇ…………」
そう空を仰ぎながら、とりあえず、行動に移す俺。
数分と掛からずに、黒服集団を制圧する俺を見て、にこやかな笑顔を引きつらせるクーネとかいう少女を睨み付けた。
そして、一歩一歩、歩を進め、少女の前に立って一言----------------
「次あったら…………殺すぞ…………」
「ひ、ひいっ!!」
少女は恐怖に顔を歪め、尻餅を付くと木製の床を湿らせていく。
全く、こんな事するくらいなら、初めから追い出そうとするなよな…………。
あまりにも、馬鹿らしいリズネーゼ王国の連中に呆れてため息を溢した俺は、再び冒険者ギルドへと入っていく。
そんで、地図と思しきものを発見すると、それをアイテムボックスに収納----------------もとい、ネコババ(一つくらい貰っても問題ねぇだろの精神で)して、外へ出た。
そしたら、あのクーネとかいう少女とあの黒服集団が全員ギルド前で土下座していた。
ほんと、一体何なんだよ!?
まだ戦闘中だという事もあって、当然、町の人々が戻って来ていないので、無人の町のままだが…………。
それはそれで好都合。
さっさと着替えて、この町を出て行こうと思う。
え?
なら、一度町に戻らずに、適当な所で着替えてこれば良かったんじゃないかって…………?
いやいや、実はこの俺としても、ついうっかりやり忘れていた事があったのだよ。
それが何かと言うと----------------
俺、この世界の地理って、よく分かってねぇんだわ。
簡潔に言えば、『地図』みたいなものが欲しい。
だから、適当に着替えて、一番可能性のありそうなギルド内に入って------------
「…………?」
可笑しい。
何やら、視線のようなものを感じる。
場所は……………………このギルドの中か…………?
あっぶね!!
もうちょっとで仮面を取るところだった。
それにしても、一体誰がいやがるんだ?
こういう時は慎重に…………。
「…………何してるの…………?」
「うっおっ!!!」
壁に背を付けて、中の様子を窺おうとした時だった。
突然、声をかけられて、素で驚く俺。
ギルドの出入り口付近から、ひょっこりと顔を出して、不思議そうに俺を見つめて来る少女。
一体全体、何処から湧いて出て来やがった!!?
「ねぇ…………何してるの…………?」
「それはこっちが聞きたいんだが…………?」
「私が何をしているかって…………?
私はあなたを待っていたのよ」
はい、面倒ごと確定の予感。
フラグが立ちましたね。
「どうも、ハズレ勇者様。
わたくし、リズネーゼ王国から参りました。
クーネと申します」
「…………リズネーゼ王国…………?」
おいおい、その国って確か-------------
「はい。
あなた様を追い出した王国です」
「……………………」
にこやかに答えてんじゃねえ…………。
勝手に召喚しておいて、ハズレだとか何とか言って、殺そうとした国の連中が今更、何しに来た。
「担当直入に申し上げますと、王国にお戻り頂けませんか?
それ相応の対価と待遇をご用意致しますので…………」
「断る!!」
まあ、これ以外の答えなんてねぇよな…………。
嫌な予感がバリバリするし…………。
「そうですか…………。
なら、こちらもそれ相応の対応はさせて貰いますね」
クーネとかいう少女が指を鳴らすと、何処にいたのか黒い服を纏った集団が、俺を取り囲んでいた。
ほんと、今日はやたらと休む暇がない日だ。
「ほんと、めんどくせぇ…………」
そう空を仰ぎながら、とりあえず、行動に移す俺。
数分と掛からずに、黒服集団を制圧する俺を見て、にこやかな笑顔を引きつらせるクーネとかいう少女を睨み付けた。
そして、一歩一歩、歩を進め、少女の前に立って一言----------------
「次あったら…………殺すぞ…………」
「ひ、ひいっ!!」
少女は恐怖に顔を歪め、尻餅を付くと木製の床を湿らせていく。
全く、こんな事するくらいなら、初めから追い出そうとするなよな…………。
あまりにも、馬鹿らしいリズネーゼ王国の連中に呆れてため息を溢した俺は、再び冒険者ギルドへと入っていく。
そんで、地図と思しきものを発見すると、それをアイテムボックスに収納----------------もとい、ネコババ(一つくらい貰っても問題ねぇだろの精神で)して、外へ出た。
そしたら、あのクーネとかいう少女とあの黒服集団が全員ギルド前で土下座していた。
ほんと、一体何なんだよ!?
10
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説

ハズレ勇者のメカ武装 〜役立たずと王都を追い出されたので、暇つぶしに魔王を倒す〜 試作品
水先 冬菜
ファンタジー
マンガでも良くある勇者召喚で呼び出された俺、東條真幸(とうじょうまさき)は-------------呼び出した王国の連中に《役立たず』だと、罵倒を浴びせられ、無一文で着の身着のままで、王都を追い出された挙句、証拠を隠滅する為に、刺客を差し向けられる。
なんて、ありがちな不運設定なのにも関わらず、初めから隠していた《特殊スキル》で、それらを撃退。
そして、この刺客達を証拠に、王国の連中が自分に手出し出来ないように仕向けたり、関わらせないようにと、ありとあらゆる方法で嫌がらせをして旅へと出た。
それから、冒険者になりすましながら、各地を転々として、早二年-------------
ある程度、生活の基盤が出来て、暇になったので、お約束通りに、ここは"暇つぶし"に魔王を倒しに行きますか!!
そう思っていた矢先に、俺に無礼を働きまくった王国の王女とやらが頭を下げて来て-------------

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

孤児院で育った俺、ある日目覚めたスキル、万物を見通す目と共に最強へと成りあがる
シア07
ファンタジー
主人公、ファクトは親の顔も知らない孤児だった。
そんな彼は孤児院で育って10年が経った頃、突如として能力が目覚める。
なんでも見通せるという万物を見通す目だった。
目で見れば材料や相手の能力がわかるというものだった。
これは、この――能力は一体……なんなんだぁぁぁぁぁぁぁ!?
その能力に振り回されながらも孤児院が魔獣の到来によってなくなり、同じ孤児院育ちで幼馴染であるミクと共に旅に出ることにした。
魔法、スキルなんでもあるこの世界で今、孤児院で育った彼が個性豊かな仲間と共に最強へと成りあがる物語が今、幕を開ける。
※他サイトでも連載しています。
大体21:30分ごろに更新してます。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。


隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる