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闇の息吹
関話 設計:パワード・スーツ
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~移動要塞・格納庫内~
「これでも、駄目ね」
その日、剣聖エレノア・ハートは移動要塞の格納庫で、湊に先程、見せたパワード・スーツの開発に取り組んでいた。
だが、当然、開発は失敗していた。
それもそうだ。
本来、この世界には、《パワード・スーツ》なんて概念は元から存在しない。
湊の《プラモ構築》のスキルと、古代の天才的な頭脳を持つミハエルが力を合わせて、漸く完成する代物だ。
それが、そんじょそこらで、見聞きしただけで、はいそうですか、と簡単に作れる訳がない。
剣聖エレノアは、目の前にある、《パワード・スーツ》と似ても似つかない鉄屑を眺めながら、頭を抱えた。
「今日も頑張っているわね?」
そんな時、いつものように、メイド服姿の聖女ルリが、紅茶の注がれたティーカップを私に差し出してくれる。
「…………ありがとう…………」
私はその好意に甘え、ティーカップを受け取ると、一口、含み、盛大にため息を吐いた。
これは、この開発に取り組んでから、数日、幾度となく繰り返されて来た光景。
何度も、開発に取り組み、失敗ばかりを繰り返して、最後には、頭を抱えて、行き詰まる。
一応、ミハエルさんから、パワード・スーツの設計図らしきものは頂いているが、所々が、今の技術では補えない程、専門的で、高度な技術が導入されている。
現代で言えば、オーバーテクノロジーという奴なのだろう。
全く持って理解も出来ない上、ただただ、素材やら、資材やらを台無しにしてしまっている。
そして、私が作った鉄屑の隣には、参考とばかりにハンガーに固定されているルリの《パワード・スーツ》が格納されている。
今、見ても思う。
こんな凄い兵器を作り出したあの人達の凄さを-------------
そして、失敗ばかりで、何の役にも立てない自分の無力さに腹が立つ。
私の握り締めた拳から、指の隙間を伝って、血が垂れ流される。
それは次第に、私の膝を赤く染め、次第に広がって行く。
「あまり、思い詰めては駄目よ」
私の隣に立つ聖女ルリが、さりげなく回復魔法を、私の手に掛けて癒してくれる。
それが一層、私を追い詰めて行く。
でも、此処で折れる訳にはいかない。
どんな形でも、世界の為に…………引いては、あの人の力になる為に、やらなくてはならない。
私は手元の紅茶を飲み干して、立ち上がる。
そんな姿をひっそりと眺めている者がいたとも知らず、私はルリに礼を言うと再び、作業へと戻っていった。
「これでも、駄目ね」
その日、剣聖エレノア・ハートは移動要塞の格納庫で、湊に先程、見せたパワード・スーツの開発に取り組んでいた。
だが、当然、開発は失敗していた。
それもそうだ。
本来、この世界には、《パワード・スーツ》なんて概念は元から存在しない。
湊の《プラモ構築》のスキルと、古代の天才的な頭脳を持つミハエルが力を合わせて、漸く完成する代物だ。
それが、そんじょそこらで、見聞きしただけで、はいそうですか、と簡単に作れる訳がない。
剣聖エレノアは、目の前にある、《パワード・スーツ》と似ても似つかない鉄屑を眺めながら、頭を抱えた。
「今日も頑張っているわね?」
そんな時、いつものように、メイド服姿の聖女ルリが、紅茶の注がれたティーカップを私に差し出してくれる。
「…………ありがとう…………」
私はその好意に甘え、ティーカップを受け取ると、一口、含み、盛大にため息を吐いた。
これは、この開発に取り組んでから、数日、幾度となく繰り返されて来た光景。
何度も、開発に取り組み、失敗ばかりを繰り返して、最後には、頭を抱えて、行き詰まる。
一応、ミハエルさんから、パワード・スーツの設計図らしきものは頂いているが、所々が、今の技術では補えない程、専門的で、高度な技術が導入されている。
現代で言えば、オーバーテクノロジーという奴なのだろう。
全く持って理解も出来ない上、ただただ、素材やら、資材やらを台無しにしてしまっている。
そして、私が作った鉄屑の隣には、参考とばかりにハンガーに固定されているルリの《パワード・スーツ》が格納されている。
今、見ても思う。
こんな凄い兵器を作り出したあの人達の凄さを-------------
そして、失敗ばかりで、何の役にも立てない自分の無力さに腹が立つ。
私の握り締めた拳から、指の隙間を伝って、血が垂れ流される。
それは次第に、私の膝を赤く染め、次第に広がって行く。
「あまり、思い詰めては駄目よ」
私の隣に立つ聖女ルリが、さりげなく回復魔法を、私の手に掛けて癒してくれる。
それが一層、私を追い詰めて行く。
でも、此処で折れる訳にはいかない。
どんな形でも、世界の為に…………引いては、あの人の力になる為に、やらなくてはならない。
私は手元の紅茶を飲み干して、立ち上がる。
そんな姿をひっそりと眺めている者がいたとも知らず、私はルリに礼を言うと再び、作業へと戻っていった。
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