【下地版】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった?〜

水先 冬菜

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闇の息吹

よし、殴ろう

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「つまり、あなたはリヒト王子に、この装置を渡されたのですね?」

 聖女が優しく尋ねると、例の少女が顔を若干、俯かせながらも首を縦に振った。

 何故、聖女が尋ねているかって?

 そんなの簡単だ。

 俺が問い掛けたら、泣かれたんだよ!!!

 こんちくしょー!!!

 おかげで、剣聖達や、何故か、シスターズの連中に、幼女を泣かせた悪党のようなレッテルを貼られ、事情を説明するのに苦労した。

 ほんと、嫌な日だよ!!!

 まぁ、聖女様がその少女-------------リリアーナからある程度の話を聞き出して貰えたけど。

 何でも、この少女リリアーナは、あのリヒト王子の許婚。

 つまりは親同士が決めた婚約者だそうだ。

 だが、よくあるパターンで、親同士が決めた婚約であっても、二人の関係は良好。

 相思相愛で、ラブラブなんだと-------------

 うん。

 奴は敵だ!!!

 年齢=彼女なしの恨みは恐ろしいぞ!?

 と、脱線はしたので、話は戻すが…………。

 あの日、リヒト王子は俺と別れた後、数日掛けて、祖国へと帰還を果たし、包み隠さず、くだんの件を父に報告した。

 その終わりに、奴ら-------------ロボット兵器軍が襲来。

 瞬く間に、北西方面から進軍し、今も戦闘中。

 今も、王都では、リヒト王子は父や兄と共に戦場を駆け抜け、奮闘中なのだそうだ。

 では、何故、リリアーナが警報端末を所持しているのか。

 答えは至極単純。

 リリアーナを守るべく、リヒト王子の馬鹿が明け渡したのだ。

 これがあれば、君だけでも助かる。

 そんなキザな事を抜かして-------------

「……………………」

 絶対、愛しているとか、ほざいたんだよな…………。

 こんな時だし、良いムードになるかもよ?

 吊り橋効果って奴だ。

 だが-------------

「ひっく…………!!!

 リヒト…………」

 女を泣かせるのは、良くねぇよな…………?

 良くねぇよ。

 よし、殴ろう。

 聖女様が聞き出してくれたおかげで、あの馬鹿のある程度の位置も分かった。

 後は殴り飛ばすだけだ。

「とりあえず、後よろしく…………」

「ちょっ、ちょっと!?」

 俺はプラモ状の《デルタ・アーム》を取り出して、変身した。

 んで、高速で飛んで行く。

 そして、フレジスタ王国王都に到着するなり、一言-------------

『リア充爆発しろ!!!!!』

 飛行形態に装備されたコンテナから多数のミサイルが夜空を駆け抜け、大地に綺麗な花を咲かせました。

 
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