【下地版】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった?〜

水先 冬菜

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闇の息吹

バーストモード

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 転移装置へと飛び込んで、数十分が経過した頃-------------

 しばらく、頭の中がフリーズしていた俺は、大きく息を吸って一言。

「なんじゃああああああああ、こりゃああああああああああああ!!!!????」

 思わず、そう叫んだ俺に、幾つかの機械音が近付いて来るのを、察して、プラモへと変身。

 エグゼスの状態へと変わり、剣を構えた。

 すると、無数の影が、俺に襲い掛かって来たので、問答無用で斬殺する。

 身体を両断され、地面にゴトリ、と鈍い音を立てるそれは、俺も良く知るロボット達だ。

 しかも、このタイプは極最近、見た覚えがある。

 本の一瞬だけ視界に捉えて、すぐに消した。

 あの遺跡のロボット共だ。

 武装からして、汎用型か?

 右腕が剣、左腕が銃。

 背中のこれは、飛行用のスラスターか何かか?

 まぁ、そんな、ロボット連中が、実は---------------------数千とも分からぬ、圧倒的な数で、俺を取り囲んでおります。

 あの少年に渡した機器の発信源は、ここから南東七キロ程の地点にある。

 これはちょいと骨が折れるな…………って、愚痴ってる場合じゃない!!!

 俺はビームソードも引き抜き、各種スラスターを全開。

 瞬く間に、周りのロボット共を積み上げ、発信源まで一直線に向かう。

 まだ、は使わなくて済みそうだが-------------

 このままだと、使わざるを得ないか?

 まぁ、この状況だと、出し惜しみしている場合じゃないわなっ!?

《バーストモード》

 俺の全身を淡い光が包み込み、ロボット共の視界から姿を消した。

 バーストモード。

 要するに、魔法でいう自己強化とでも言えば良いのか。

 機体のパワーとスピードを一定時間、急激に上げる代わりに、発動解除時に機体の性能が大幅に下がる、諸刃の剣。

 しかも、スキルを解除したらしたで、俺にも反動でダメージが来る。

 例を挙げるとしたら、物凄い吐き気と倦怠感に襲われて、一歩も動けなくなる場合もある。

 前、実験で使った際、実際にそうなった。

 あの駄メイドを排除した際も一瞬だけ、使用したが、聖女を回収し終えて、自室に戻るなり、時間差なのか、急に全身が軋み、強烈な筋肉痛に襲われ、酷い目にあった。

 あの後、しばらく、悶え苦しんだ。

 ほんと、面倒な力だ。

 だが、この状況を切り抜けるには、それしかない。

 俺は数分も掛からずに、敵、ロボット共を殲滅し、スキルを解除した。

 すると、案の定、吐いた。

 ものくそ、ぶち撒けた。

 つか、動けん。

 どうしよう…………?

 やべぇ…………意識が…………。

「-------------」

 途切れ行く意識の中で、誰かが俺に声を掛けて来た気がしたが-------------

 こりゃ、流石に駄目だわ。
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