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脅威
帰還
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転移に成功し、要塞へと帰還した俺は、到着するなり、どっと疲れた。
「あ、ぶねぇな~…………死ぬかと思った…………」
俺は若干、斬り裂かれた服の袖を見て、背筋を凍らせる。
実は転移の瞬間、その寸前で放たれたあの斬撃は転移フィールドを超えて、湊達へと襲い掛かって来ていた。
その証拠に、湊達の背後。
転移装置のある反対側の壁には、幾つかの斬撃の跡が物語っており、背筋をひんやりしたものが、伝って行っている。
まさか、斬撃すら転移して来るとは-------------
ほんと、恐ろしい奴だわ。
まぁ、スキルを発動させ、プラモ化したから、なんとかなったが-------------
間に合わなかったら、俺はともかく、剣聖様は八つ裂きだったろうな…………。
「ね、ねぇ…………?
そろそろ、降ろしてくれないかな…………?」
おっ!?
忘れてた、忘れてた。
そういや、剣聖様、抱えていたんだった。
つか、何か、剣聖様、顔赤くね?
「ふふっ。
相変わらずね」
いや、聖女様、そこ笑う所なんすか?
よく分からんな…………。
「とりあえず、何処か、怪我してる所とかえるか?」
「い、いや、別に…………何処も異常ないわ」
「? 変な奴だな…………」
何か、妙に余所余所しいし-------------
「そ、それよりも、ここは?」
何か、態とらしく、話題を変えようと振って来る剣聖。
「ああ、ここか?
ここは、俺の根城。
移動要塞って所だ…………」
とりあえず、俺は素っ気なく、剣聖の問いに答えた。
まぁ、別に移動要塞の存在を公にしても、どうせ、こいつらには見つける術が無い訳だし、問題ない。
「詳しく知りたきゃ、そこの聖女にでも聞け。
んで、話は移るが…………おい、聖女様。
そいつの着心地はどうだ…………?」
俺は嫌味たらしい顔で、聖女の方へと視線を向けた。
「……………………そうですね…………」
突然、話を振られた聖女は、少し困惑しながらも、考えを纏めて答えを口にする。
勇者パーティーとして会った頃は、分からなかったが、聖女様は中々、真面目な感じがするな…………。
「基本的な事に関しては、かなり便利だと思います。
特に、この両腕の鎧は凄過ぎです。
あの悪魔の攻撃に対して、傷一つ付かないなんて-------------」
うん。
それは俺も思うけど-------------
ほんとに凄いのは、あんた自身だから…………。
興味ぶさげに、両腕のアーマーの手を、開いたり閉じたりと確認する聖女を見て、俺は内心ぼやいた。
実を言うと、聖女様が身に着けている、その《パワード・スーツ》の性能は、身に着ける装着者の実力や潜在能力によって、性能を大きく分けている。
まだ、研究段階だから、何とも言えないが、聖女様とパワード・スーツの相性は、かなり高いようだ。
一応、後で調べてみるが、恐らく、この推察は間違いない。
もしそうなら、これは面白い結果になりそうだ。
「あ、ぶねぇな~…………死ぬかと思った…………」
俺は若干、斬り裂かれた服の袖を見て、背筋を凍らせる。
実は転移の瞬間、その寸前で放たれたあの斬撃は転移フィールドを超えて、湊達へと襲い掛かって来ていた。
その証拠に、湊達の背後。
転移装置のある反対側の壁には、幾つかの斬撃の跡が物語っており、背筋をひんやりしたものが、伝って行っている。
まさか、斬撃すら転移して来るとは-------------
ほんと、恐ろしい奴だわ。
まぁ、スキルを発動させ、プラモ化したから、なんとかなったが-------------
間に合わなかったら、俺はともかく、剣聖様は八つ裂きだったろうな…………。
「ね、ねぇ…………?
そろそろ、降ろしてくれないかな…………?」
おっ!?
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つか、何か、剣聖様、顔赤くね?
「ふふっ。
相変わらずね」
いや、聖女様、そこ笑う所なんすか?
よく分からんな…………。
「とりあえず、何処か、怪我してる所とかえるか?」
「い、いや、別に…………何処も異常ないわ」
「? 変な奴だな…………」
何か、妙に余所余所しいし-------------
「そ、それよりも、ここは?」
何か、態とらしく、話題を変えようと振って来る剣聖。
「ああ、ここか?
ここは、俺の根城。
移動要塞って所だ…………」
とりあえず、俺は素っ気なく、剣聖の問いに答えた。
まぁ、別に移動要塞の存在を公にしても、どうせ、こいつらには見つける術が無い訳だし、問題ない。
「詳しく知りたきゃ、そこの聖女にでも聞け。
んで、話は移るが…………おい、聖女様。
そいつの着心地はどうだ…………?」
俺は嫌味たらしい顔で、聖女の方へと視線を向けた。
「……………………そうですね…………」
突然、話を振られた聖女は、少し困惑しながらも、考えを纏めて答えを口にする。
勇者パーティーとして会った頃は、分からなかったが、聖女様は中々、真面目な感じがするな…………。
「基本的な事に関しては、かなり便利だと思います。
特に、この両腕の鎧は凄過ぎです。
あの悪魔の攻撃に対して、傷一つ付かないなんて-------------」
うん。
それは俺も思うけど-------------
ほんとに凄いのは、あんた自身だから…………。
興味ぶさげに、両腕のアーマーの手を、開いたり閉じたりと確認する聖女を見て、俺は内心ぼやいた。
実を言うと、聖女様が身に着けている、その《パワード・スーツ》の性能は、身に着ける装着者の実力や潜在能力によって、性能を大きく分けている。
まだ、研究段階だから、何とも言えないが、聖女様とパワード・スーツの相性は、かなり高いようだ。
一応、後で調べてみるが、恐らく、この推察は間違いない。
もしそうなら、これは面白い結果になりそうだ。
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