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脅威
すごい事になってる
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「うっそ~ん…………」
そんなこんなで、聖女を追いかけて来た俺、如月湊です。
今、聖女様が向かった転移座標に、転移し終えたんですが、すごい事になっています。
なんと、聖女様と剣聖様が、彼を圧倒しているではありませんか。
これは夢かな?
なんて思って、目を擦ってみたが、景色は変わりません。
「おい!!
これはどういう事だ…………!?」
俺は通信を開き、とある人物へ怒鳴り掛けた。
『いやぁ~…………私もこればっかりは驚いています』
しみじみと考え深げに答えるミハエルに、俺は思わず頭を抱えたくなった。
今、聖女が身に纏っているものは、俗に言う《パワード・スーツ》という奴だ。
話は少し戻るが、俺がミハエルと出会った時の事。
戦艦の格納庫の奥底で、それは埃を被って、放置されていた。
あれは何だ?
とミハエルに問うと、どうもミハエルが開発した発明の失敗作の一つらしいのだが、俺はその放置されているものを見て、閃いた。
これ、俺のプラモ武装と合わせたら、使えるんじゃね?
そう思い、試作で組み立ていたプラモを実体化させ、取り付けてみた。
すると、どうでしょう。
ミハエル達が開発した頃よりも、性能や耐久性が上がり、スキルリンク状態のプラモと同等の戦闘能力があるではありませんか。
しかも、ビーム兵器も、魔力で稼働するようになり、この世界の連中でも、使用可能。
なら、蘇生中の聖女にでも、あげて、データを収集させておこう。
そんな軽い気持ちで、渡したんだが、次々とあげられるミハエルの報告では、性能や機動性と言ったものが、今も急上昇中。
しかも、全身は目に見えないビーム状のバリアフィールドらしきものが、展開され、肉体のダメージを大幅に軽減しているそうだ。
思い付きで取り付けたのに、そんなに性能が上がってんの?
もう一度、聖女達の方へと視線を向けた。
さっきまで、劣勢だったにも関わらず、今は戦況を一変させ、相手を追い込み、攻めに転じている。
正に、形勢逆転、といった感じだ。
「あの…………どうしましょう…………?」
思わず、情けない感じで、ミハエルに問い掛けると-------------
『彼女達に任せれば良いんじゃない?』
と、ミハエルが目の光を失い、投げやりに答えて来る。
どうやら、彼女も、俺と同様で、状況に付いて行けていないようだ。
ボーッと惚けていると、凄まじい砂嵐が吹き上げ、爆音が鳴り響く。
決着が付いたようだ。
「はぁ…………はぁ…………。
やった…………の…………?」
そういうセリフはあまり言わない方が良いぞ?
剣聖様。
まぁ、彼女達からしたら、よくやった方かな?
だが、詰めが甘い-------------
「「っ!?」」
爆煙を突き抜け、彼が剣を突き刺そうと、剣聖に向けて突撃して来た。
「おっと!!」
俺は自然な動作で、剣聖様の前に立ち、その剣を受け流し、彼の顔面に一発お見舞いしてやった。
ふむ。
やっぱり、武が悪いな…………。
俺に吹っ飛ばされたにも、関わらず、何もなかったかのように、平然と立ち上がる彼。
まだ、その時ではないようだ。
「えっ!?
ちょっ-------------」
俺は剣聖を抱え上げると、近くにいた聖女の手を掴み、叫んだ。
「転移だ!?
馬鹿女!!」
『分かってるわよ!!!』
俺達が、何をしようとしているのか、彼も察したのだろう。
瞬時に距離を詰めて、逃がさない、とばかりに斬撃を放って来る。
だが、一歩及ばず、俺達は放たれた斬撃が触れるか、触れないかのギリギリの瀬戸際で転移し、脱出に成功する。
後には、俺達を取り逃し、まるで子供のように、悔しげに何度も地団駄を踏みながら、叫ぶ、彼がいた。
そんなこんなで、聖女を追いかけて来た俺、如月湊です。
今、聖女様が向かった転移座標に、転移し終えたんですが、すごい事になっています。
なんと、聖女様と剣聖様が、彼を圧倒しているではありませんか。
これは夢かな?
なんて思って、目を擦ってみたが、景色は変わりません。
「おい!!
これはどういう事だ…………!?」
俺は通信を開き、とある人物へ怒鳴り掛けた。
『いやぁ~…………私もこればっかりは驚いています』
しみじみと考え深げに答えるミハエルに、俺は思わず頭を抱えたくなった。
今、聖女が身に纏っているものは、俗に言う《パワード・スーツ》という奴だ。
話は少し戻るが、俺がミハエルと出会った時の事。
戦艦の格納庫の奥底で、それは埃を被って、放置されていた。
あれは何だ?
とミハエルに問うと、どうもミハエルが開発した発明の失敗作の一つらしいのだが、俺はその放置されているものを見て、閃いた。
これ、俺のプラモ武装と合わせたら、使えるんじゃね?
そう思い、試作で組み立ていたプラモを実体化させ、取り付けてみた。
すると、どうでしょう。
ミハエル達が開発した頃よりも、性能や耐久性が上がり、スキルリンク状態のプラモと同等の戦闘能力があるではありませんか。
しかも、ビーム兵器も、魔力で稼働するようになり、この世界の連中でも、使用可能。
なら、蘇生中の聖女にでも、あげて、データを収集させておこう。
そんな軽い気持ちで、渡したんだが、次々とあげられるミハエルの報告では、性能や機動性と言ったものが、今も急上昇中。
しかも、全身は目に見えないビーム状のバリアフィールドらしきものが、展開され、肉体のダメージを大幅に軽減しているそうだ。
思い付きで取り付けたのに、そんなに性能が上がってんの?
もう一度、聖女達の方へと視線を向けた。
さっきまで、劣勢だったにも関わらず、今は戦況を一変させ、相手を追い込み、攻めに転じている。
正に、形勢逆転、といった感じだ。
「あの…………どうしましょう…………?」
思わず、情けない感じで、ミハエルに問い掛けると-------------
『彼女達に任せれば良いんじゃない?』
と、ミハエルが目の光を失い、投げやりに答えて来る。
どうやら、彼女も、俺と同様で、状況に付いて行けていないようだ。
ボーッと惚けていると、凄まじい砂嵐が吹き上げ、爆音が鳴り響く。
決着が付いたようだ。
「はぁ…………はぁ…………。
やった…………の…………?」
そういうセリフはあまり言わない方が良いぞ?
剣聖様。
まぁ、彼女達からしたら、よくやった方かな?
だが、詰めが甘い-------------
「「っ!?」」
爆煙を突き抜け、彼が剣を突き刺そうと、剣聖に向けて突撃して来た。
「おっと!!」
俺は自然な動作で、剣聖様の前に立ち、その剣を受け流し、彼の顔面に一発お見舞いしてやった。
ふむ。
やっぱり、武が悪いな…………。
俺に吹っ飛ばされたにも、関わらず、何もなかったかのように、平然と立ち上がる彼。
まだ、その時ではないようだ。
「えっ!?
ちょっ-------------」
俺は剣聖を抱え上げると、近くにいた聖女の手を掴み、叫んだ。
「転移だ!?
馬鹿女!!」
『分かってるわよ!!!』
俺達が、何をしようとしているのか、彼も察したのだろう。
瞬時に距離を詰めて、逃がさない、とばかりに斬撃を放って来る。
だが、一歩及ばず、俺達は放たれた斬撃が触れるか、触れないかのギリギリの瀬戸際で転移し、脱出に成功する。
後には、俺達を取り逃し、まるで子供のように、悔しげに何度も地団駄を踏みながら、叫ぶ、彼がいた。
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